表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/76

第43話

 レオン軍がカウダ砦に向かっている最中にグラズガはレオンに質問をした。


「レオン様、私に今回の作戦がなぜ成功しているのかを教えていただけないでしょうか?」


 グラズガの質問にレイジは思案顔をした。そして、手を打ってグラズガの方を見た。


「そうだね。カウダ砦を守り切ったら教えてあげるよ。それまでは自分で考えておきな」

「わかりました」


 グラズガはレオンの提案をすぐに飲みすぐに後ろへと下がっていった。


「クロいるかい?」

「なんだよ?」


 レオンが呼ぶとクロがめんどくさそうな顔をして現れた。レオンはクロににこやかな顔をして紙を渡した。


「これをカウダ砦のレイモンド殿に渡してくれ」


 クロは少し気だるそうな顔で紙を受け取った。


「人使いが荒いやつだ。これで俺がメアリーに追われてても、俺を捕まえるんじゃねぇぞ」


 レオンはクロの発言に笑っているだけだった。クロは舌打ちをした後にすぐに馬に乗った。


「しょうがねぇ、一走り行くとするか」


 クロはレオン軍を先行してカウダ砦に向かった。




 カウダ砦が王国に攻められる前、カウダ砦でスキンヘッドの男が悩んでいた。


「祖国の危機にこんなところの守備とはな」


 レイモンドはセルパン渓谷を眺めながら、時折ケルドルクの方角を見ていた。


「王国がここに攻めてきたら、やばいのはわかるがな。祖国の危機に何もできないっていう俺の気持ちはよーーーっ!!?」


 レイモンドは自分の主人がここに置いた理由をわかっていながらも愚痴をこぼしていると目の前に現れた軍に驚いた。


「敵襲だーーーー。王国が攻めてきたぞ」


 見張り代の兵士がドラを鳴らしながら叫んだ。レイモンドはセルパン渓谷に斥候を常に放っている為、急に現れた王国軍に動揺をしていた。


「おいおい、斥候の奴らはどうした? まぁいい、迎撃体制を取れ!」


 レイモンドは斥候の事を切り替えてすぐに防衛体制を敷いた。


 カウダ砦は六つの城壁と城門があり、強度と高さが順に高くなるように設計されている。そして、扇型をしていて後ろに行けば行くほど城壁が短くなっている。


「流石に、簡単に落とされる気はねえぞ」


 レイモンドは第一城壁にて、腕を組んで攻め寄せてくる王国軍を睨みつけた。




 王国軍では一人の男が馬に曲がり、一人で騒いでいた。


「見える、見えるぞ! 踏み潰せ蹂躙しろ!! 我々、王国近衛騎士団がルーデンスの大地を蹂躙する姿が」

「団長、まだ攻城戦すら終わっておりません。ひとまず馬から降りてください」


 一人盛り上がってる団長と言われた男は複数の部下に降ろされようとしていた。


「気にする事はない。あのもやし野郎ならこんな砦あっという間に落とすさ。がっはっはっはっ」


 その団長は耳に響くような声で叫んだ。そこに眼鏡を掛けて姿勢が綺麗な白髪の男が現れた。


「少しうるさいですよトリスタン」

「まぁ、そういうなよドリュー。それよりお前、また痩せたのか?」


「痩せてないです。こう見えて私は一般兵よりは強い自信があるんですよ」

「うん? どう見てももやしだろ」


 トリスタンは辺りを見回した。周りには近衛騎士団のメンバーしかおらず、尋常じゃない鍛え方をしているので全員が巨漢である。


 ドリューと呼ばれた男は頭を頭を片手で抑えた後に、手を上げて首を振った。


「流石に帝国の貫射弓に匹敵すると言われる近衛騎士団の団員と比べられたら他の奴は全員、もやしですよ」


 トリスタンはドリューの解答に満足したように頷いた。そこに一人の兵士がドリューに膝をつき報告に来た。


「ドリュー第一元帥、カウダ砦につきました」


 ドリューはトリスタンを見た後に笑った。トリスタンは首を傾げてドリューの方を見た。


「トリスタン、少し力を貸してください」


 トリスタンは少し考える素振りをした後にすぐに結論を出した。


「いいぜ、ちょうど暇してたところだ」


 トリスタンの発言に近衛騎士団がどよめいた。そして、その中で副団長が前に出てトリスタンを止めようとした。


「団長! まだやるべきことがあります」

「よし、ならお前に任した。これで暇だな」


 トリスタンはいかにも名案だというような顔をしてトリスタンを止めようとした副団長の肩を叩いた。


「そ、そんな……」


 肩を叩かれた副団長はゴツいガタイで気が抜けたような声を出した。


 ドリューは頭を押さえた後にその場を後にした。トリスタンはその後ろを今にでもスキップをしそうな足取りでついていった。


「で、何をすれば良い?」


 トリスタンはドリューに追いつくと笑いながらドリューに質問をした。


「わかってるでしょう。壊せるだけ砦の門を破壊してきてください」


 ドリューは苦笑いしながら、カウダ砦の門に向かって指を指した。


「あっはっはっ、まかせろ得意分野だ」


 トリスタンは笑いながらドリューの肩を叩くとすぐにハルバードを担ぎ自分の愛馬に乗って、カウダ砦の門に向かって一直線で駆けだした。


 ドリューはトリスタンに叩かれた所を押さえながらトリスタンを睨みつけた。




「レイモンド様、たった一人で一人がこちらに向かって突撃してきてます」


 見張り代の兵士がレイドに向かって報告を上げた。レイモンドは身を乗り出して兵士が指を指す方を見た。


「何だと? あれは近衛騎士じゃねえか。今すぐ第一城壁から第三城壁に撤退しろ」


 レイモンドは第一城壁にいる全兵士に撤退を命令した。しかし、ほとんどの兵士は意味がわからず棒立ちしていた。


「弓を射かけないのですか?」


 一人の兵士が疑問に思いレイモンドに質問をした。


「あんな、化け物に弓なんて効くわけないだろ。大人しく指示に従え。死にてえのか」


 レイモンドは間髪入れずに叫んだ。全兵士はレイモンドの必死さに危機感を覚えて急いで撤退した。


「なんとか第三城壁まで来れたな」


 レイモンドは第三城壁から第一城壁のトリスタンを見下ろした。




「なんだぁ? 諦めの早い野郎だな。まぁ、その行動は正しいってことを見せてやるか」


 トリスタンはなんの抵抗もなく第一の門に着くと、馬を降りてハルバードを構えた。


「どおらっーーーーー」


 トリスタンは自分よりも少し大きい門に向かってハルバードを叩きつけた。


 第一城壁の門は膨大な音を出して砕け散った。そして、トリスタンは笑いながら次の門へと歩き出した。


 レイモンドはいとも簡単に門をぶち壊したトリスタンを見て軽く呟いた。


「チッ、化け物が」


 カウダ砦にいる兵士は王国近衛騎士団の強さに戦慄するのだった。

 登場人物が多すぎてすみません。なるべくキャラが混じって皆様が混乱しないように頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ