第36話
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レイジ軍は進軍するとおよそ5500のリード軍と会敵した。
「相手はやる気満々だな。まぁ、援軍が少なくても帝国からだからな」
レイジは敵軍の士気の高さに嫌味を言った。リード軍の背後の丘の上でオパルス選帝侯の旗を高々と掲げている軍がいた。
「どうした? このまま突撃するのではないのか?」
「全くお前はもう少しは考えたらどうだ?」
ガイルはなかなか指示を飛ばさないレイジの元に行って、攻撃しないのかを尋ねてきた。そんな戦いたくて仕方ないガイルをグランツは諭した。
「そうなんだよな。帝国の新兵器とやらで戦況が一気に変わるだろうよ。まぁ、こっちにはアレがあるからな」
レイジは布で被されている大きなものを見た。
「だが、場所的な優位も敵に取られてるからな。これは骨が折れそうだな」
「それで、どうしますか?」
レイジは丘に沿って布陣する敵軍を見て少し嫌気がさした。まわりには遮蔽物などはなく見晴らしが良くなっていた。
グランツはレイジに作戦を聞くがレイジはなかなか作戦が思いつかないでいた。
「はぁー。おそらく、あそこから敵は動かないだろうな。さらに損害を少なくしないといけない。2500で耐えてる方が楽だったかもな」
レイジはため息をついて、忌々しく丘の上で靡く旗をながめた。
丘の上では、フレイはやってきたヘルト軍を見下ろしていた。帝国の一介の兵士がフレイに報告をした。
「新兵器の準備は出来ております。我々が新兵器で先手を打ちますか?」
フレイは帝国兵の発言を聞いて、フレイはしばらく考えた。
「わかった。新兵器の使用を許可する。持ってこい」
「はっ、かしこまりました」
フレイが指示を出すと報告をした兵士はすぐに踵を返して走り去った。
「さてと、私も新兵器をこの特等席で眺めさしてもらおうじゃないか」
フレイがヘルト軍を見下ろしていると、背後からふいに絶影が現れて、フレイの隣へと立った。
「まさか、帝国最高の暗殺者様がこんな所に現れるとはな」
フレイは口では驚いたと言っているが、体勢を崩さずに悠然と構えていた。
「仕事の合間にたまたま通っただけだ。最近、ネズミが活発になってな」
二人の会話はそこで止まり、向き合うことなくヘルト軍を眺めていた。二人はしばらくの間無言でいたが、初めに絶影が口を開いた。
「その重苦しい鎧を一度は脱いだらどうだ?」
「貴方こそ、その仮面を外したらいいのでは仮面卿」
このタイミングでようやく二人は向き合った。互いの顔は全く見えない。しかし、周りの帝国兵は二人のプレッシャーに息を呑んだ。
二人は帝国内で屈指の実力者でもあるが、素顔を見せないことでも有名であった。台頭した時に、本当は亜人なのではないかと囁かれたが二人とも有無を言わせない功績でその声をかき消した。
重い重圧が場の雰囲気を支配した中、先程の兵士が現れた。
「新兵器を持って……参りました。これが新兵器の射烈砲です」
フレイと絶影はゆっくりと報告に来た兵士の方を見た。兵士は体を震わせながら、汗をかいていた。
「貫射弓が太くなった感じだな。これでは暗殺に使えないな」
「準備しろ」、
絶影は簡単な感想をこぼした。フレイはそんな感想を無視して、兵士に使うように命じた。
「それでは、発射します」
兵士が3人がかりで射烈砲を布陣しているヘルト軍の中央にむけて、構えた。
「撃てぇっーーー」
フレイが号令を掛けると、一人の兵士が引き金を引いた。射烈砲の先から黒い弾がヘルト軍へと飛んでいった。
弾はヘルトの中央からやや右ずれたところに着弾した後に、炸裂した。着弾地点からは黒い煙が登った。
「すごい威力だな」
「次弾を装填しろ」
絶影は簡単な感想を溢していると、フレイはすぐにもう1発撃つ準備を開始しようとした。
しかし、先ほどまで射烈砲を構えていた兵士は後ろの方に吹き飛ばされていて、射烈砲の先端は無くなっていた。
「フレイ将軍、これではもう使えません。そして、構えていた兵士が重傷を負っております」
フレイは壊れた射烈砲を見た後に、倒れている兵士の方を見た。フレイは納得したように頷いた。
「なるほど。実践投入は少し早いようだな」
「面白い物を見させてもらった。俺は仕事に戻るとする」
絶影はフレイの返事を聞く前に帝国の方へと走り去っていった。
「やっと行ったか」
フレイは走り去って行く絶影を眺めながら、悪態をついた。
射撃が行われる前のヘルト軍ではレイジ達が攻撃する準備を開始していた。
「おい。帝国が丘の上で何かしてるぞ」
ガイルは帝国が丘の上で何かをしているのを見つけて、指を刺した。それを聞いて、レイジはガイルが指差してる方へと目を向けた。
「あれは……まずい。帝国の新兵器だ! おそらく遠距離武器の類だ。全員、盾を構えるか、身近な遮蔽物に体を隠せ」
レイジは趣味で狩猟をしていて、弓の腕には自信があった。そのおかげで、少し遠くが見えるようになっていた。
レイジは指示を出したがあまりに急な事で殆どの兵は反応ができなかった。そして、兵士が慌てる中、帝国から黒い弾が飛んできて、ヘルト軍に着弾した。
「おいおい。これは聞いてねぇぞ」
レイジは着弾したところを確認すると盾を構えていた兵士でさえも死んでいた。
レイジは苦笑いしながら、オパルス選帝侯の旗が靡く帝国軍を見た。
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