最悪の高校デビュー
静寂が支配する空間、その中に突如として現れた爆音、その爆音はさながら戦場の中飛び交う銃声のような物であった。
ーーーピピピピピピピピピピピピピピ
「ん〜」
眠たそうな声を発する勝也。
ーーーピピピピピピピピピ......
「そんなに言わなくても起きるからさ〜」
気怠そうな声で目覚ましを止めてボーッとしている。
「たく、せっかくいい夢見てたってのによ〜」
寝起きの苛立ちから1人でぶつくさと言葉を発する勝也。その言葉のキャッチ相手はこのワンルームマンションには存在しない。
「はっ!!学校の時間は?」
脳が覚醒してきたことにより現状を理解する。
「遅刻しそうだけど走ればなんとか間に合うかな......」
1人でぶつくさと呟き続ける。
その後すぐさま支度を整えた。
「行ってきま〜〜す!!」
支度が完了した勝也は急いで学校へ向かうが今日も学校到着の頃には全身はボロボロになっていた。
ーーーーー
「遅刻してすいませんでした〜!!」
学校に着き自分のクラスについた勝也の第一声はものすごくハキハキと元気な物であった。
しかし、クラスの反応は正反対の静まりであった。
「..........」
「..........」
「えっと......最上君?昨日に引き続きだけどどうしたのその怪我?」
担任の先生が心配の声で勝也に問いかける。
「これですか?いつものことなんで気にしないでください!!」
ケロッと答える勝也に先生は反応に困っている。
「と、とりあえず今はホームルームの時間だからこっちに来て自己紹介をお願いできるかしら?」
先生は理解することを諦めた様子であった。
「初めまして!!最上!!勝也と言います!!高校での青春を満喫しようと思ってます!!同じクラスとしてよろしくお願いします!!」
明るく笑顔で話した勝也。しかし、クラスは静寂に包まれている。
「はい......皆さん拍手〜......最上君の席は教卓の前だからそこに座ってね」
ーーーパチパチパチパチパチパチ
クラス中に響き渡る拍手の中、勝也は席についた。
「それじゃホームルームの続きをするわね...」
クラスはまた静寂に包まれた。