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ー代償ー

作者: 巳猿

夏のホラー2020の投稿作品です。


初めての小説投稿で、いたらない点も多いと思いますが、少しでも涼んでいいただけたら嬉しいです。





いつも見ていた風景。

いつも楽しかった職場。

その場所が今ではとても怖い。


扉の前で一呼吸おき、顔を上げると笑顔を作った。


「おはようございます!」


私の声に振り向いた皆んなは少し驚いた顔をした後、優しく微笑み口々に「おはよう」と返してくれた。

その笑顔に心が少し楽になる。




制服に着替え、連絡用無線の準備をしていると、心配そうな顔をした上司の平野さんが声をかけてきた。


「牧瀬、ちゃんと眠れてるのか?

 無理はするなよ。」


「ご心配おかけしてすみません。

 3週間も休みをもらっちゃったんで大丈夫です!

 今日からまたバリバリ頑張りますね!」


「…そうか、頼んだぞ。」


平野さんは、何も聞かずにいてくれるが、顔を見れば分かる。

私がカラ元気なことに気がついているのだろう。

多分、職場の他の皆んなも。






そもそも、私はこの職場が大好きだった。

私は女だが、子供の頃から電車が大好きで、大学を卒業と同時に駅員になった。

職場に女性は少なかったが、気の良いおじさん達が多く、毎日楽しかった。



しかし2週間前、やっと電車の運転が許され、一番楽しかった時期にそれは起こった。


電車がある駅を通りがかった時、視線の先で駅のホームから黒い影がスッと落ちるのが見えた。

体が反射的にブレーキをかけたが、電車は止まることなく進み続ける。


()()()と言う衝撃の後、やっとキーっと鉄の擦れる音を響かせながら電車は少しづつスピードを落としていった。


嫌なイメージが頭に浮かぶ。

背中からは冷や汗が垂れ、体が動かない。

思考がまとまらず頭の中はぐちゃぐちゃになのに〈人を殺してしまった〉と言う事実だけは胸に明確に落ちてくる。

だんだん呼吸がしにくくなっていき、私は気づいたら駅の仮眠室にいた。


付き添ってくれていた同じ女性社員の清水さんによると、事故直後の私は顔面蒼白でひどい状態だったようで、電車の最後尾に乗ってた平野さんに付き添われ駅員室には戻って来れたが、そこで気を失ったそうだ。


「あの、すみません…

 後処理とかありますよね?手伝います。」


「大丈夫、他の事は任せて。

 もう大体終わってるし、後でちょっと警察の

 事情聴取があるけど、それだけ大丈夫かな?」


「はい、大丈夫です。」


目が覚めてからも、体は重く、人殺しと言う言葉が頭をループしているが、何故か私は変に冷静だった。


警察からの事情聴取も一通り終わり、上司からは今日はもう帰えりなさいと言われたため帰宅した。

自分の家に着くと、一人暮らしの真っ暗な部屋で気絶するように眠ってしまった。



問題はその次の日からだ。

夢の中で何度も事故の記憶を繰り返し見る。

目が覚めると吐き気を催し何時間もトイレで泣きながら吐き続けた。

自分がベテランだったら助けられたかもしれない。もし私じゃなかったら…

無駄だと分かっていてもつい考えてしまう。

昨日冷静でいられたのは、あまりの出来事に頭は理解していても心が理解できずにいたからか、または認めたくなかったからだろう。


一日経って、夢じゃなく、他人の話なんかでもなく、私自身に起きた本当話だと全身で理解した時には私はもう壊れかけていた。



何日も出勤できない日が続いた。

会社で何度も事故の話は習ったはずなのに、実際自分の身に起こるとこうも駄目なのかと自己嫌悪に陥る。







精神科に通い、なんとか出社できるようになるまで3週間かかってしまった。



久々の仕事で駅に立つと身がすくんだ。

ついホームから下の線路を覗き込んでしまう。


「あの、すみません」


!?


背中を叩かれて横を見ると、そこにはおばあさんがいた。


「申し訳ありません!どうかされましたか?」


私が聞くと、


「忘れ物をしてしまって…

 あの電車の3両目にこの袋と同じ物に入った木箱があるは

 ずなのですが、見つからなくて。」


と、おばあさんはとても困ったように言った。

時計を確認すると、電車はこの駅を出るまで後7分程猶予がある。


「一緒に探しますよ。」


私がそう言うと、おばあさんは嬉しそうに笑った。

一緒に3両目に行き袋を探すと、少し分かりにくい所にあったが、無事見つけることができた。


「ありましたよー!」


振り向くと、そこにいたはずのおばあさんは居なくなっていた。

その後探し続けても見つからなかったため、私は駅員室に忘れ物を持って行き、拾った物の記録を残しておくための拾得物届けを書くことにした。


拾得物届けには、忘れ物の問い合わせがあった時、スムーズに対応できるように忘れ物の特徴を詳細に書かなければいけない。

袋の特徴を書き終え、中の物を取り出そうと袋に手を入れた瞬間、指の先に物が当たる感覚と同時に、そこから全身に寒気が広がった。


「きゃっ!!」


私の悲鳴に平野さんが驚いたように声をかけてきた。


「どうした?!」


「え?いや…なんか…」


恐る恐る袋の中を覗くと、そこにはなんの変哲もない木箱があった。

平野さんは不思議そうにそれを見ていると、木箱を手に取った。


「これがどうかしたのか?」


「いえ、わかんないです。

 なんか寒気が止まんなくて、少し疲れただけかもです。」


「大丈夫か?早退してもいいんだぞ?」


「大丈夫です。やっと復活できたんで、最後までやりきりたいです。」


あの指先から広がった嫌な感じは何だったのかは分からないが、見た目は本当にただの木箱に感じる。

だが、未だにあの木箱が気持ち悪い、触りたくないと思ってしまう。


「まぁ、やりきりたいと言うお前の気持ちは分かるが、

 とりあえずは休憩しておけ、この書類は俺が書いといてやる。」


平野さんに書類を取られ、私はありがたくそれを受けることにした。


「ありがとうございます。」


「気にすんな。

 しかし変な箱だな、パズルみたいになってて

 箱の開け口がねーぞ」


「確かに、なんですかね?」


箱には沢山の細工が施されて、持ち主以外に開けられないようになっていた。


「中身が高価な物かも知れねーし、渡し間違いが

 ないためにも本当は確認したいが、無理そうだな。」


諦めてそのまま金庫にしまおうとした時、丁度清水さんが帰ってきた。


「すまん清水、お前手先器用だろ。

 これ開けられるか?」


平野さんが木箱を差し出し、それを清水さんが受け取った瞬間、


「いやっ!!」


清水さんが木箱を落とした。

それを床に落ちる瞬間、平野さんがキャッチし、なんとか木箱は壊れずに済んだ。


「なんだよっ!お前もかよ?!

 どうしたんだよ?」


清水さんはすごく怯えた目をしながら、木箱が触れた手を見ていた。


「手を…掴まれた気がしたの。」


その言葉を聞いて、平野さんと私は息を飲んで木箱を見つめた。


部屋が静寂に包まれる中、平野さんは大きなため息をついた。


「俺には分からないが、なんだか気味悪いな。

 これは閉まっとくからお前らは絶対触んなよ。

 どうせ一週間もすりゃ警察に届けるんだしな」


モヤモヤとした気持ちを残して、私は木箱が金庫にしまわれて行くのを見ていた。




そして次の日、清水さんは体調不良で休んだ。

お昼頃入った連絡によると、清水さんは自分でも気付いていなかったが、妊娠初期だったらしく、その子供が流産してしまったため、病院で検査を受けるとのことだった。


私も木箱を触った日から腹痛が続き、肉体的には事故の時以上に酷い状態になっていた。

そして、これから先もっと嫌なことが続く予感がしてやまなかった。。





数日後、


「牧瀬、お祓いに行ってこい」


「お祓いですか?」


「今月は色々あった。木箱のことは別としても

 厄を落とす意味でもいいんじゃないか?」


体調が悪化の一途をたどる私に平野さんにそう言った。

病院に行っても治りは悪いし、そもそもの事故の時にも行っておくべきだったと思う。

これで少しは良い方に転んでくれればいいなと私はお寺に行くことを決意した。



休日、お祓いに行くと、住職に信じられないことを言われた。


「君は呪われているね。」


「幽霊とかにですか…?」


「霊なら祓える可能性もあるが、これは生きている人間によるものだ。

 生きている物のほうがやっかいでね、

 申し訳ないが、わたしでは祓えない。」


希望も潰え、どうすればと泣きそうになると、

最近妙な物に触らなかったか?と住職に聞かれた。

頭に浮かぶのは例の木箱だけだ。

住職の話によれば、それを持ち込んだ本人に返せばなんとかなるかもしれないとのことだった。



たった一回あっただけのおばあさんの顔なんて覚えていないし、覚えていたとしても沢山の人の溢れる駅でまたあのおばあさんに会えるとも思えない。


お寺を出ると私は平野さんに電話をかけた。


「もしもし、牧瀬です。

 すみません、平野さん…私…」


嗚咽混じりになりながらも平野さんに住職から聞いた話を伝えた。


「分かった。俺がなんとかする。

 お前は家に帰って体を休めてろ。」


「でもっ…!」


「いいから。」


今の私にはなす術がない。

私にとって一番頼りになるのが平野さんである以上、もう彼に頼るしかなかった。


「すみません、よろしくお願いします。」



その日は言われた通り、家に帰り体を休めた。

いつもは体の痛みでなかなか寝付けないのだが、平野さんの言葉に安心したからか、恐ろしい夢を見ることもなく、昔の様にゆっくり微睡むように寝付くことができた。







休み明け、駅に出社すると平野さんにある映像を見せられた。

それは、私がおばあさんに忘れ物をしたと話しかけられた時の防犯カメラの映像だった。


「お前に話を聞いた後、あの場所なら防犯カメラに写ってるんじゃないかと気づいてな」


「これです!この人です!!」


改めて見ても、どこにでもいるようごく普通のおばあさん。

私を呪ったかもしれないなんてとても見えない。


「でな!

 顔が分かっても、こっからばーさんを見つけるのが大変だと思ってたんだがな、

 カメラを見てたらこのばーさん、いつも同じ時間にこの駅に来てるんだわ。」


「本当ですかっ!」


「あぁ、でな… その時間と言うのが、

 お前の仕事の時間なんだ。

 遠くからお前のことをじっと見ててだな。」


?!


「気持ち悪いと思うが、今回としてはありがた

 い。お前や水野の呪いのことが分かるかもしれないぞ!!」


期待がお腹の底から湧き上がる感じがする。

きっとこれで全てが上手く行くようになる。

そう心から祈りながら、私達は作戦を始めた。




駅のホームに立っていると、無線が入った。


『対象を確認。

 接触を試みる。牧瀬はそのまま自然に仕事を続けてくれ。』


平野さんの声を聞き、緊張が走るが、必死に平静を装い声を張り上げる。


「電車が来ます!

 黄色い線の内側までお下がりくださーい!!」


止まった電車が出発する頃、平野さんからの無線がまた入った。


『牧瀬、例の婆さんがお前相手じゃなと話さない

 そうだ。大丈夫そうならその仕事を引き継ぎ、駅員室に来い。』


少し怖い気持ちはあるが、知りたいことは山ほどある。

 

 『行きます』


私は別の駅員にその場を任し、お婆さんが待つ場所へと急いだ。




「お久しぶりですね。」


私がお婆さんに声をかけると、彼女はにっこりと笑って言った。


「私は毎日見てたがねぇ。」


なんの悪びれもなく言うその様子に、


「これが何か分かりますか?」


と、机の上に出された木箱を指差した。


「私の忘れ物。

 私の大切な大切な()()だよ。」


彼女は愛おしいそうに木箱を見つめてそう言うと、次の瞬間、とても恐ろしい目をして平野さんを見つめ吐き捨てた。


「本当は苦しみ殺して終いだったのに、

 とんだ邪魔が入ったよっ!!」


その言葉に一瞬たじろいだが、

私の中にはそれ以上に怒りが湧いた。


「ふざけないでください!!!

 なんで私や清水さんを呪ったりしたんですか?!

 私達が何をしたって言うんですか!!」


思わず怒鳴ってしまうと、お婆さんは一瞬不思議そうな顔をした後、「清水?」と呟いた。


「あなたは私と清水さんを呪ったんじゃないんですか?

 あの箱に触ってから清水さんは体調を崩して

 赤ちゃんまで流産しちゃったんですよ!!」


私がそう言うと、彼女はとても楽しそうに声を上げて笑うと、


「お前!また殺したのかー!!!!」


と満面の笑みで叫んだ。


「何を…」


平野さんが何かを察し、お婆さんを止めようとするが、私は平野さんの腕を掴み、彼の仲裁を止めた。


「どう言うことですか…。」


私も薄々は気づいている。

目に涙が溜まりながらも声を絞り出した。


「簡単な話さ、私が呪ったのはお前だけ。

 その水野と言うのはお前のとばっちりさね。」


私が水野さんを止めたことを驚きながらも、彼女は鼻で笑いながら、私にもっとも聞きたくなかった事を言った。


「私しか呪ってないと言うことは…

 あなたは、4週間前人身事故によって亡くなった

 速水 秋穂さんのご遺族の方ですか?」


人に呪われる理由はこれしか浮かばない。

もしかしたらとはずっと思っていた。

私は生涯決して忘れることのない人物の名を口にした。


「そうだよ!!私は速水 セト!!!

 お前に殺されたあの子の母親だよ!!!!!」


秋穂さんの名前を出した途端、彼女は恐ろしい目で私を睨み激昂した。


「あれは自殺だった!牧瀬は何も悪くない!!

 寧ろ彼女は被害者だ!!!」


平野さんが言い返してくれるが、速水さんの怒りは更に加速した。


「自殺なんかじゃない!!

 あの子は育児ノイローゼだったんだ。

 あの日だってきっと体調が悪くて意識を失ってしまっただけだ!

 お前がちゃんと止まってくれていたら秋穂は死ななかった!!!」


目に涙を溜め叫ぶ彼女に私は何もいえなかった。


すると、彼女は一変して顔から表情を無くすと暗い目をして言った。


「だから()()()()()を作ったんだ。

 この箱はね、私の地元に伝わる人を呪い殺す為の箱でね、

 子取箱、その名の通り、子を取る箱、子供とそれを生む女だけが死にいたる。

 その清水って言うのは災難だったねぇ。

 お前の近くにいたせいで子供が死んじまった。

 まぁ、本当はお前も殺すつもりだったがいい。これも一興だ。

 長く箱の近くにいすぎたね。お前はこの先一生子供を宿すことはないだろう。

 それが私から子供達を奪ったお前の代償だ!

 私から奪っておいて、お前が子を授かるなどあって良い訳がないっ!!」


過呼吸になり上手く息ができない。

はっはっと浅い呼吸を繰り返す私の横で、平野さんが机の上の木箱を掴むと振りかぶった。


「死ぬぞっ!!」


速水さんのぴしゃりとした声で平野さんは止まると、


「ならばお前がどうにかしろっ!!

 なにが代償だ!ふざけるのも大概にしろっ!」


と叫んだ。


「もとよりそのつもりだ。

 この箱は壊そうとすれば例え男だろうと死ぬ。

 なんせ作り方が作り方だ。

 まず、動物の血をに塗りたくり、

 そのあと幼子の体の一部を詰め込んで箱を閉める。

 子供はきっと、寂しくて母親や友達を求めるんだろうなー。」


悲しそうにそう言う彼女にゾッとした。


「幼子の体の一部だと…?」


平野さんは呟くように問いかけた。


「人身事故で死んだ人間の家族には莫大な費用が請求される。

 電車を遅らせ、電車や線路を汚したからだそうだ。

 娘を失った代償が、それとはやりきれんな。

 あの子に家族は、私と自身の息子だけだった。

 こんなババアガが払いきれん借金を抱えて、1歳の赤ん坊を育てられると思うか?」


私達の目を見て語りかけるように言うと、木箱に目を移し、勢いよく箱を叩き割った。


箱の中かならドロっとした赤いものが流れ出す。



「バァバがずっと一緒にいるからな。」



可愛い孫に話しかけるように優しい声でそれを胸元に包み込んだ。







部屋がシーンと静まり返ると、速水さんは穏やかな顔から一変、目を限界まで見開き血を吐き、もがき苦しみ出した。


「いしゃ…誰か!医者を!!!」


平野さんが慌てて速水さんに駆け寄った。

我に帰った私は急いで救急車を呼んだ。


病院に電話をする横目で速水さんの口が動いたのが分かった。


「秋穂、水野、聡、私…お前だ。」



その後、速水 セトさんは病院で息を引き取った。



あの時の聡と言うのはきっと孫の名前だろう。







私は会社を辞めた。

平野さんとは今でも連絡を取り合っており、彼は私のせいじゃないと言うが私はそうは割り切れない。


私は夢も、将来あるかもしれなかった幸せも失い、この先も4人の命を背負って生きていくだろう。




速水 秋穂さんが本当に自殺だったか事故だったかは分からないが、〈人身事故〉よく聞くその言葉の先に一体どれほどの人生が繋がっているのだろう。


どうか皆にも考えてほしい。

沢山の人が集まる駅、それだけ沢山の目があるのだから、いつか駅に行ったら、この話を思い出して、一度辺りを見渡してみてほしい。


それで助かる命もあるかもしれないから。








私はこの小説ができた時、自分に置き換えて想像して、個人的には本当に怖いなと思いました。

しかし、霊的なことは関係なくても、実際にこの体験をしている駅員さんが世の中には本当にいる事がなにより怖かったです。

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