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妄想の強い女の子

私はごくごく平凡な女の子だったと思う。でもどういう訳なのだか他人の恋のターニングポイントに鉢合わせする事が多いような気がする。それはただ単に都合の良い友達?というか、当たり障りのない子だったかもしれない。私が出会った恋のお話を綴ってみたいと思います。


初めに思い出すのは中学の時のミカだ。

私達の中学校は2つの小学校から入学する。

ミカは隣の小学校の卒業生だ。

でも中学1年の夏休み、我が家の前の田んぼを埋め立てて出来た建売住宅に引越してきた。


ミカは真面目な学校の中に何人かいる不良に憧れる子だった。

私を格下だと思っていたのだろう、いつも


「あたしってさぁ」と始まり


タバコ止められないんだよねぇとか、あの先公が気に食わないなどと言ってきた。


私はいつも

「そうなんだぁ」


と聞き役専門で、ミカは、


あんたにはこんな事話しても解らないよねぇ。


これが口癖だった。

そのミカに好きな人がいた。

ミカと同じ小学校だったかっくんと呼ばれるその男の子は背も高く、少年野球をしていたそうで、人当たりのよさそうな柔らかい感じのする男の子だった。

そんな彼を好きな子がもう一人、レイちゃんだ。

2人はいつも当の彼を差し置いてライバル心むき出しで、凄いバトルを繰り広げていた。

土曜のお弁当どっち食べてもらうか競争、一緒に帰るのどっちか競争、etc.周りは冷めた目でみていたと思う。


そんなある日の事だった。ミカが仕掛けた。

「あっちゃん、今日の放課後少し付き合ってくれない?」


そうは言うが強制的に放課後連れてこられたのは、彼が中学で入った卓球部が練習している体育館。


「ちょっとここで待ってて」


の言葉を残し彼女は体育館の入り口へ、そして彼を呼びよせた。ミカは言った。


「私、こんな状態もう嫌なの、私はかっくんが好き。かっくんは私の事どう思ってるの?」


と。でも彼は一言も発しなかった。

というか、固まっていた。


ミカはまた

「お願い、好きか嫌いかはっきり言って!」


その問いに彼はしばし無言だったが、暫く続いた沈黙の後



「きらい。」



それはそれは蚊の鳴くようなとても小さな声だった。


ミカは

「なんて言ったの?もう一度大きな声で言って」と


私は吃驚した、勇気があると。


すると今度は彼が意を決したように


「きらいだ」


無言も沈黙もなく今度ははっきりと聞こえた。

そして、じゃあといって体育館に戻ってしまった。


ミカはというと、目に涙を浮かべながら一際大きな声でこう叫んだのである。



「本当の事言ってよ!!」




と。

だから言ってるじゃんと強く思ったが、ミカの脳内ではいろいろと変換されているらしく1つの答えが導きだされた。


私を見ながら、

「あっちゃんがいたからだよ、きっとかっくん恥ずかしくって本当の事言えなかったんだよ。」


どれだけポジティブなんだよ。

そんな風に考えられえる彼女が少しだけ羨ましくもあるようなないような。



人を想うことは良いことだと、それは解ります。

でも相手の気持ちを無碍にしてはいけないと思う。

この場合は思いを告げた彼女を振ってしまった彼のことではなく、告白され、先輩も沢山いる体育館の隅で頑張って断ったにも関わらず、その言葉を無かった事にしてしまう彼女。

きっとミカにはこの彼から断られるシナリオは無かったのでしょう。


彼には彼女ができた。

それはミカでもレイちゃんでもなかった。

小学校の頃から好きだった子だと。

その後の中学生活で彼と彼女が話しをしている姿を見たことは一度もなかった。



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