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春の気高丸  作者: 師走
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突き上げられたので、私は飛び上がった。

なんのことはない、薄暗い早朝である。

この時間に漂うなんだか少し甘いような匂いが私の肺を満たしていく。

私はまだ目がぐるぐると言っているようで、少しの間固まっていた。

本当におかしなものだ。

素晴らしいくらいの夢に縛り付けられる。

私はぼんやりしている自分の頭を叩いた。

途端、ふっとあの藻が見えたので、私はぞっとしてしまった。

一体なんなんのかわからない。

いいことなのか悪いことなのかどちらでもないのか。

私は薄暗い闇と同化するのが得意なはずだ。

しかし今は私の皮膚が境界線を引いているように、はっきりと、分かれていた。

だから私はこの闇を重荷に感じる。

溶け込んでいれば、そうはならないのに。

私はその上から押さえつける力に対抗するように足を踏ん張って洗面所に向かった。


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