表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
春の気高丸  作者: 師走
1/2

1

私はきびきびとした動きで水の中に沈む。

私の体は重い石のようになってそこへ横たわる。

深く、暗くて、魚さえいないようだ。

私は静まり返ったその中にひっそりと息をしていた。

不意に、きらりと何かが光る。

そちらを目だけを動かすようにしてみると、一つだけ、細い藻がゆらゆら揺れている。

こんなところで育つわけはないから、おそらくもっと上の、浅い場所で産まれて、その時何かあってここに流れてきたのに違いない。

そうしてこの深さで石に引っかかってしまったのだ。

この藻はもう枯れるしかないのであろう、しかし背をまっすぐにして微かに揺れてもいるようだ。

私は居ても立ってもいられなくなってとうとう「綺麗だね、美しいよ」と叫んでしまった。

あぶくが一切れ浮かんだと思うと私はぐんと引っ張り上げられた。

光は目前に迫ってくる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ