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第二話の補足 好き嫌いをふりかざせる批評眼


アレッサ「感性がシロウト未満……」

ユキタ「清之助くんに言われたことを気にしているの? あのクソメガネに足りない人間性のほうがよほど問題だと思うよ?」

アレッサ「それはそうだが、私はユキタンが好きだと感じる作品を一面の技術力だけで拒絶してしまった。そのような視野狭窄は貴重な成長の機会を逃してしまう危険な病症に思えるのだ」


ユキタ「殊勝な心がけだけど、ボクを含め『シロウト』のほとんどは、作品の表面を少しかじったくらいで自分の好き嫌いを勝手に言い合うってば。それが作品鑑賞の主役である『大衆』の個々だろ?」

アレッサ「それはそうだが、私は作家としてそのような好き勝手は自制し、公平な視点を持たねばならんと思うのだ。……というかユキタンは、ただの読者にしては見る目を持っているように思えるのだが?」


ユキタ「気のせいだよ。たくさん見すぎて目がすれて、技術が低くてもとがった部分があると楽しめちゃうだけ。そういった作品を人に薦めても楽しんでもらえないことはわかっている。そしてやっぱり、とがっていて技術もある作品のほうを何度も読むし、単行本も買う。関連グッズも買う」


アレッサ「そう淡々と言えるあたりが……そこまで好きなら、自分の好きな作品こそが最高最強唯一絶対の神だと熱弁したくならないのか?」

ユキタ「そう思っているよ。でも臆病だから。読み専でもネットでいろんな人と会話していると『好きな点』から近づいたはずが『ちがう点』の多さを実感する。それならそれなりに、とりあえず相手の好みは認めた上で、どうつきあえるかを考える」


アレッサ「むう。それが公平さのコツか」

ユキタ「公平とは違うと思うよ? 自分の好き嫌いをとりあえず棚に上げて話を聞いたり物事を考えるだけで、自分のマニアックな嗜好とか身勝手な信仰は少しも譲ってない。大きければいいってものではなくて、極端なめりはりも興ざめで……」

アレッサ「ん? 物語や展開の話か?」

ユキタ「あ、いやその……ともかく、公平な視点なんて持ちようがないと思う。ただ、なるべく客観的な視点もあったほうが便利なだけで。それに好き勝手は自制しなくていい……というか、作者だって読者でもあるんだから、自分の好き嫌いは大事にしたほうがいいと思う」

アレッサ「ほう……?」

ユキタ「いやむしろ、強烈な好き嫌いをふりかざせる情熱こそ、読者を魅了する作家力だと思う。だから『好き嫌いを棚上げにした視点』つまり客観意識はむしろ、外側から自分の『好き嫌い』を研ぎ澄ますためにあるんじゃないかな?」

アレッサ「おおっ、なるほど!?」


ユキタ「ボクは創作とかさっぱりわからないけど、少しはヒントになれたかな?」

アレッサ「うむ。読者の立場から作品と真剣に向き合い続けた者の情熱にあふれ、深く胸に響いた……む? これが貴様の本尊についてのコメント交流か?」

ユキタ「うぇぶぁば?! 待っ……それだっ……め…………」

アレッサ抜刀「ほう……スレンダーよりもカップとバランスのとれたグラマーが至高……か……なるほど不公平で身勝手な嗜好だ…………」




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