平石清之助に創作論を聞くのが間違いだ

第八話の補足 ネット新人賞に特有の規定

アレッサ「ネットの新人賞は完結前でも応募できるのか……いや、最後まで書かないほうがいいのか？」

清之助「え」

アレッサ「序盤だけの新人賞もあるくらいだろう？　完結してしまうと、単行本が売れないのではないか？」

清之助「ぐ」

アレッサ「マンガ雑誌でもアニメが放映中は連載を終わらせないことで相乗効果を……」

清之助「完結までまとめられる構成力を示したほうがいいに決まっている。というか単行本化を前提とした賞では必須だ」

アレッサ「え」

清之助「一冊相当で一章をきっちりまとめ、そのまま『連載中』表示で二章を執筆していてもかまわない、という主旨だとは思わないのか？」

アレッサ「ぐ」

清之助「最終選考作品さえ『いちから教えないと使い物にならないけど、なんとかなるかな？』程度の人材がほとんどなのに、完結もしてない話を応募したら構成力と常識力で満点の赤信号だ」

アレッサ「す、すると最高の序盤からクライマックスまで書いても……」

清之助「完結部分で台無しにできるのが新人クオリティーだ。なぜそんな地雷を踏んで悪夢におびえる必要がある」

アレッサ「ほかの完結した作品を見れば構成力は……」

清之助「知るか！　応募作がいくつあると思っている！？」

ユキタ「全十二話中の十話で未完なら、せめて完結までまとめた短い話が入っているといいかもね」

ユキタ「例えば三話で『魔王を倒してハッピーエンド』と独立して完結できる内容で、四話から八話は『魔王は大魔王配下の四天王のひとりにすぎず、真の決着』もまとめて、九話から『大魔王を作った邪神の封印をめざす』という途中ならまだしも……？」

アレッサ「むう。すると多数の未消化伏線を引きずりながら数十万字を超えた途中作品などは……」

清之助「いったいどこの大御所様だ」