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強くおなりよ

作者: 木の香芳子

ひとりの女が男を待っている。

もう二時間だ。

目一杯のお洒落をし寒い中、駅前でキョロキョロと周りを見渡し男を待っている。

健気だ。私なら二時間も待てない。せいぜい一時間だろう。男は来ないだろう事は予測出来る。来る気があるんならメールなりなんなりして遅くなると一報があるだろう。

連絡がないから女は半泣きで健気に待っているのだろう。「あきらめて帰ればいいのに・・・」女を二時間、駅前のカフェで見つめる私は心で呟くが。女は待ち続けている。

よっぽど約束をすっぽかす男を愛しているのだろう。時に恋は人を盲目にする。正しい判断が出来ない状況に陥る。それが恋だ。

私にも経験があるから分かる。私はカフェを出る。これ以上、女の悲しい姿を見ていられなくなったのだ。昔の自分と重なり私まで悲しく切なくなった。女は相変わらず来ないだろう男を待っている。裏切りは絶望を生むがそれを乗り越えれば強くになれる。彼女もそうであって欲しいと願いつつ女の半泣きが本格的な涙となるのを複雑な思いで見つめ私は立ち去ろうと決めた。心の中で私は女に「強くおなりよ」と告げその場を後にする。

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