第四章 『誰彼より昏き者』
私生活がひと段落しそうです。
ようやく執筆に時間を割けます。
日曜日――
薙はウィルザッポル魔工兵団の練兵の様子を視察していた。
「むぅ……」
20万人から成る歩兵大連隊。運用するには兵站基地が必要だった。
「やはり、ガルフェニアの様な要塞が必要だな」
デス・フォッグとの戦いで落城した移動要塞ガルフェニア――
「ですね」
休日で魔法学園は休みなので、カシスは薙に同伴していた。
「国の財政状況が許す限り、新規に予算を付けてだな……」
「大戦後、陛下の手腕で税収は増えております」
薄く広く税を集める。薙は賢君だった。
「エリッサリアから撤収後、実質的にラティエナの国防軍となった」
大陸の四海にエルケレス軍を駐留させない。替わりに、それぞれ、自立した国防軍を配置する。主に海賊退治ではあるが、叛乱が起きれば陸上艦【ガルムス・デラス】によって、兵を送り込む――
「万が一の場合、フリートエルケレスも浮上させられる……まぁ、万が一だが」
「浮遊大陸にはローレンバルトとネェル・ガトリングスが二隻を配置……ですね」
浮遊大陸郡【ジステッド】は八重山と目城の二人が抑えている。浮遊大陸はステルス迷彩【アトランティス】の外である為、防衛戦力の維持が不可欠だった。
「そう言えば、オッテス大橋を渡った柿寄大将が間もなく帰還するとか……」
「うむ」
ラティエナがテチス海上の島々を制圧するのも、時間の問題だった。
「まだしばらく、ルリタニアと八房の二人にはエリッサリアに残ってもらう」
「いまだに向こうの議会を完全には掌握できてはおりませぬ」
ラティエナ王国が大陸を全て掌握するには、まだ、時間が必要だった。
「クックルーン教国も新たな指導者を求めている……」
「問題山積、ですね」
スウィネフェルド並びにブラナタスは薙の故郷なので、ラティエナに追随の意思を伝えてきている。元議長軍の再編も、この5年の間に完了している。
「吹雪は上手くやっておる様だな」
「はい」
最終的な薙の目標は、中立地帯【ルイネハンガス】に空戦機甲【シェロ・ガノッサス】を武装した部隊を、送り込む事であった。言わば、外洋国家への橋頭堡である。
「まぁ、柿寄大将が帰還した後、エリッサリアの完全掌握と、同時にだな……」
「御意」
こうして、薙は戦線を拡大していく決意を固めていった。それは、彼女が兵に速さを求める事になる。
「兎角、他国の領土を制圧しなければならない。余は行くところまで行くであろう――」
(引き際を、見極めながら……な)
その後、カシスとの話を終えた薙は、弥生と二人の赤子に対面した。
ヒーロー文庫に投稿するか検討してみたんですが……うーん。
間に合わないです。三月も忙しいので。




