第三章 『日々のいとまに』
久しぶりに投稿。
薙は王城へ帰還した後、今や側近以上となった秋雲若葉の父、秋雲ナタル――
「うむ」
そして、母である秋雲若葉の二人と晩餐をしていた。
「相変わらず、料理が旨いな。専属のコックなど必要ない」
「まぁ、毒見して冷めるよりか、初めから解毒魔法を使うべきだな」
モグモグモグ――
薙とナタルは料理を口へと運んでいた。
「急がなくても、沢山、有りますから……」
そう言われて、薙がフォークとナイフを手元においた。
「最近、若葉の姿を見ていない」
「ふむ。だな」
全大戦の功労者である若葉はラファリナと学生結婚をした後、ミッドランドからステルス迷彩『アトランティス』の外界へと留学へ出ていた。
「不知火の神経パルスの静養も兼ねて、外に出たのは良いが……」
「連絡一つ寄越して来ないのよ」
うーむ……と薙は天を仰ぐ。要は暇なのだ。
「それより、陛下は学校が退屈なのか?」
父親代わりのナタルは、多少、フランクに聞いてみた。
「……私にも色々と考えがあるのだ」
秋雲夫妻からすれば、キチンと学校へ出てほしいのだろう。でなければ、この国を充分に統括できる力が薙に備わらない。シェロ・ガノッサス(空戦機甲)の操縦の腕前だけで、国家は統治できない。
「先帝もそれを望んでいただろうし、学業を疎かにしてはなりません」
薙の父親であるブレンハイム・クライムは、柿寄大将との決闘で落命した。当時、薙は訃報を聞いて感傷に浸る事はなかったが、国家元首となって、改めて実父の凄さを学んだ。最近では、器の違いを感じている。
「それ位、分かって居るわ」
薙はデザートのプリンを食べ終えた。
「明日も早いから今日は早めに寝る」
そういった後、薙は入浴を済ませて、寝床に付いた。
続編と言うのは色々と試行錯誤が必要になりますよね。三文文士の自分でも、そう思います。どのタイミングでどのキャラを出して、何をはじめるか悩みます。
まぁ……『戦記』ですから、戦いを始めるんでしょうね、きっと――