第十七章 『約束の場所へ――』
ヨーグルト食べたらお腹が痛くなった。
新年――
薙は宮中祭祀で初日の出を前に、祝辞を述べた。
『本年も、良い一年と成る様に――』
割と多忙である。やはり、国家元首だった。
『国民一丸となって――』
年末年始は分かってはいたが、受験処ではない。
『以上!』
ここを乗り切っていかなければ成らない。
「ふう……」
「お疲れ様」
メネシスが飲み物を持ってきてくれた。
「ありがとう」
「毎年、忙しいな。陛下も大変だな」
ナタルが煙草を吸いながら登場した。
「うむ……」
雪中行軍はスウィネフェルド時代から慣れている。
「国民の士気を高めねばならん」
政治不信の払拭や、王家への忠誠を高める為には、自分が精力的に動く必要がある。
「なるほど」
「そうでなければ、自責の念で潰れてしまうわ。このプレッシャー……」
霧島薙は戦い続けていた。ここは戦場ではない。しかし、見えない太刀を振るっている。
「全てが自分の責任だとは思わん事です」
カシスがフォローを入れた。
ゴクゴクゴク――
「ふぅ……まぁ、そうだな」
薙は飲み物を一気に飲み干した。
「後で後悔したくないのでな。色々と気が回る」
十五歳の乙女は、日々を邁進していた。
(もう直ぐ受験、か……)
――次回、風雲急を告げるッ!!
今週のサンデーはハヤテ休みなんですね。