第十一章 『10 Years After』
>>1乙 100人分を頂く。わっはっは!
二週間後――
「あうあう、受験勉強なのです」
「黙れ、気が散る」
葉月が薙を訪ねて来た。その時、薙は自室で勉強中だった。
「そもそも……何故、貴様がラティエナに居るのだ?」
「一応、法王様から親書を貰ってきたのです」
葉月がUSBメモリを薙に渡した。
「――ふむ」
薙は之を自室のデバイスに繋ぎ、中身に目を通した。
「なるほどな」
大したことは書かれていない。大陸を如何に維持していくか――
つまり、クックルーン教国がこれをどう管理運営していくかという内容だった。偽りの代理戦争を終わらせた今、外洋国家と渡り合うために、何が必要なのか――
「用が済んだのなら、部屋を出て行け」
中々の檄文が書かれていた。
「あうあう、もう一つ、大事な用があるのです」
薙は眉毛をピクンッと上げた。
「何だ?要件を言ってみるがよい」
「それは――」
バサッ――
「むぅ、これは……」
葉月が霊体化すると同時に、その背中に翼が生えた。
「ギガレッセリウスとの融合を解いた瞬間、翼が生えていたのです」
「ふーむ……」
(人型・高機能演算回路【アリス】……)
薙にはスフィネフェルドに伝わる伝承の中に、心当たりが合った。
「多分、聖機兵に封印を施し、モビルドール化した為であろう」
「なる程なのです」
葉月は御神体に降りてくる大陸の守り神となった。
「まぁ――精々、法王と仲良く暮らしておるが良い」
「天啓があればラティエナに使者を送る事になるのです」
こうして、薙の行う国造りは横へ横へと広がっていく。
数日後――
大聖堂の神官達に忠誠を誓わせる事ができるようになった。
燃え燃え燃え。