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ココアのおいしい冬の出会いは。  作者: 御歳 逢生
1杯目 2年目の春
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4 初めての友達


昨日はめちゃくちゃ泣いてしまった。


顔合わせるのはずかしー!!


「あ、おはよー!平岡っち!」


「おはよう。え、平岡っち??」


いつの間に平岡っちになったんだ。

急に距離を詰めてくる感じ、さすが入野さん。


「い、入野さん。昨日は、その、なんというか、ありがとう。」


「いいよ!それに、」

耳元で、

「平岡っちのかわいいとこ、見られて嬉しかったし、昨日はあたしらの秘密ね!」


な、なんだーー!!

よ、弱みを握られた??嬉しかったってどういう意味だーーーー!!



「今日の昼休みもいつものとこ、行くんでしょー?一緒にいこーよ?」



「え、あ、うん。いいよ。」



か、顔が合わせられないーーー!!

絶対赤くなってる!!


「良かった!また、平岡っちの弁当食べれる!!ラッキー!」


と言うと、入野さんはいつものギャルグループのところに行った。

弁当目当てか!?そうなのか!?


授業中、集中集中と思いながらも、どこか昨日のお昼休みのことを考えてしまう。

なぜ、僕はあんなにも泣いたんだろ。


寂しかったから?初めての友達ができたから?

それもあると思う。けど、たぶん。

彼女の前だと素を出してもいいんだという、安心感。


僕は助けて欲しかった、のか。



いろいろ考えているうちにお昼休みに。


「平岡っち!いつものとこ!行こ!」


「あ、うん。」


一緒にいつものベンチに行った。


「今日も焼きそばパンなの?」



「そーだよー!これおいしいもん!」



「親は弁当作ってくれないの?」



「あー、うち、母親しかいなくて、仕事で朝早いから負担、減らしてあげたいんだよね。」


やばい。込み入ったことを聞いてしまった。

よその家庭のことなんて聞くものじゃない、けど。


「それじゃ、僕が作ってあげようか?お弁当一つも二つも変わらないし。」


「えー!いいの??まじ?ほんとにー??」


「それくらいなら。それに、昨日のお礼。お弁当でよければ、だけど・・・」


「めっちゃ嬉しい!!毎日平岡っちの弁当食べれるんだ!!」

「サイコーじゃん!!なんかカップルみたい!!」


「カ、カップル??」


「あ、じょ、冗談だよー!!へへ。」


なんで自分で言って照れてるんだ。僕の方が照れてるんだから。

顔がまた見れないじゃないか。


「好きなの、取っていいよ。」


「まじ!?今日はどれにしよーかなー!」

「よし!卵焼きとウインナーとそれからそれからー!」


「あ、あのさ、その、交換する?お弁当と焼きそばパン。」


「平岡っち、神じゃん!ほんとにいいの??」


「いいよ。いつも作りすぎて困ってたから。それに焼きそばパンもいいなって思ってたし。」


「にひひ!やったー!!それじゃ交換ね!!」

「うんまっ!やっぱ平岡っちの弁当サイコー!!」


久々にこんなに人と喋った。

入野さんといると自然と話せる。

入野さんのようなきれいな女性と僕、不釣り合いでしかない。


けど、この時間だけは一緒にいて、



ー楽しい!!



初めて学校を楽しいと思えた。

入野さんと出会って、ほんとによかった。



今日も春の日差しが心地いい。


お読みいただきありがとうございます。


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