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1 氷のような時間


物心付いた時から両親は家にいなかった。

両親は夜遅くにしか帰ってこず、ハウスキーパーの人が世話をしてくれていた。


小学校に入ると、だんだんとハウスキーパーは来なくなり、自分でご飯を作るようになっていた。


最初はゴミのようなご飯だったがだんだん上達していった。


学校は、無口だからか、友達と呼べる人は一人もいなかった。


両親の転勤が2年ごとに訪れ、転校しては馴染めず、知らない土地を転々とするばかり。


友達などできるわけもなく中学校にあがった。


初めての知らない土地で中学校に入学、知らない顔ばかり。


よかったのか悪かったのかはわからないが、中学の間は転勤はなかった。



母親が久々に話しかけてきた。


周祥(ちかよし)、学校終わったら暇でしょう。塾に行きなさい。」



「わかりました。母さん。」



久々の会話はこれだけ。僕に興味がないのだろう。



言われた通り、学校が終わった後、近くの塾に入れられ、中学3年間を勉強に費やした。



高校は受験をし、進学校へ入学することになった。

しかし、家からは遠すぎたため、久々に父親に話しかけた。



「父さん、高校が少し遠いから一人暮らしをさせてほしいんだけど・・・。」



僕は恐る恐る聞いた。父親とも小学校以来、会話をしていない。



「おう。いいぞ。部屋は適当に決めておくからそこに入りなさい。」



「ありがとうございます。」



あっさり決まった。部屋の選択肢など今の僕にはなかったし、口答えもできなかった。



ー冷めきった家族。



ようやくこの家から出ていけることになった。


お読みいただきありがとうございます。


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