弟陸章
この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ございません。
2025年10月8日(水曜日)
読書新聞本社 政治部
キャップ『おーい、皆集合ぅー』
キャップの周りに5~7人ほど集まる。
キャップ『ちょっと音大きくするぞ。これ』
天井からぶら下がっているテレビ。流れているのは所謂、情報バラエティー番組とかワイドショーとかそういった類。下らない内容が大半だ。専門家風が尺(時間)を稼ぎながら、どうでもいいような事をどうでもいいように答えたり持論を展開したり。視聴者を怒らせたり笑わせたりするのが主な目的だ。
だが、たまには役に立つ情報もある。1ヵ月に一度だけ、時間にして僅か3分前後ぐらいの真実や真相を混ぜたり当てたりする。そういう意味では完全に不要な番組とも言い難い。
MC『・・でしたが、これ本当なんですかね?ねー、いやぁ・・これがね?もし事実ならとんでもない背任行為ですよ』
コメンテーター『いやー私もそう思いますよ。だってね?日自党だから入れたって人もいるわけですよ。まだまだ頑張れよ!って。で~これってね。比例代表は移れないんでしょ?党に入れた票だからって。だけど小選挙区は人に入れたって話だから鞍替えしても良いんだって。そんな事言い出したら何を信用すりゃあいいんですかって。』
MC『落語界では師匠の鞍替えってあるんですか?』
コメンテーター『無いよ。そんな非常識なこと。師匠と弟子ってのはどっちかっていうと、師匠の所有物だからね。弟子が真打になる前に師匠を欠いたら、そりゃーもぅ廃業ですよ。破門です。そんな事に成ったら落語家ではなくなるし、芸能界からも出ざる得ない。』
MC『はぁ~・・・厳しい世界なんですね』
コメンテーター『それでもね真打になろうって。気持ちが大事ですよ。そりゃね』
キャップ『見ての通りだ。日自党の大泉進一郎がしびれを切らしたらしい』
女性記者『でも、これって今年の7月末付近に参議院選挙やったばかりですよ?その前の年に衆議院選挙やったばかりで、立進党は本当に勝てる見込みがあるって言うんですかね?』
男性記者『普通はさ、内閣不信任決議案を可決させて10日以内に衆議院解散させるんでしょ?また選挙ってやるよりも内閣総辞職の方が日自党からしたら負担が少ないしこれ以上議席減らす訳にはいかないから7条の専権事項使うんじゃないの?』
和義『いや、どっちにしても7条は使えない可能性が高いよ。どうせ選挙に持っていくはずだ。大泉を始めとして大勢の日自党の議員が鞍替えするんだよ。参議院議員の造反から離党の選挙。次は衆議院選挙に持って行って完全に政権交代。勿論今こうして根回しで国民を納得させようとしてる。次は離党だよ。大物議員も動いてるし。』
女性記者『えぇ・・・それはちょっと節操なさすぎじゃない?』
男性記者『そんな事してどうする気なんだろ?』
和義『狙いは山破総理の牙城崩しだよ。もっと言うと、俺の指示に従って高井に入れなかった奴は全員一緒に沈めるって。本当は新しい政党を作って野党と連立を組むって出来たはずなんだけど、それだとまとまりが無いから鞍替えが簡単って事なんだろ。新しい公約を作るだとか何を訴えるかとか考えるつもりも無い連中だよ。地に落ちるとこまで落ちてんだよ。こいつら69条を利用して無理矢理解散に追い込んで野党を乗っ取り与党に返り咲くつもりだよ。自社サの見せかけ連立よりも狡猾になってるんだよ』
キャップ『田嶋ぁ~、おまえこれ追ってくれ。中西と今川はサポートね。・・・・古林ぃ~・・おまえは休め。』
和義『・・・・・え?』
キャップ『・・・目の下のクマァ・・・酷いぞ。記事の前に体ボロボロにしてどーすんのよ。有給あったろ。消化して元気に戻ってこい。まだまだ若いんだからさ』
和義『あ・・・はい』
2025年10月20日
東京都庁 第一本庁舎 5階 記者クラブ
国連食糧農業機関(FAO)【世界の食料安全保障と栄養の現状(SOFI)】
報告及び標記会見 主賓マッシ・モトレーロ チーフエコノミスト
幹事社 産市新聞社
幹事記者『それでは、これより時間になりましたので始めたいと思います。まずはモトレーロ様よりお言葉を頂戴し挨拶とさせて頂きます』
モトレーロ『"Hello everyone. My name is Massi Motrero, Chief Economist at the FAO. I deeply apologize for not being able to visit Japan last year. This year, I have managed to come to Japan, and I am truly grateful for the opportunity to hold this press conference and raise awareness about』
訳『皆さま初めまして。FAOのチーフエコノミストのマッシ・モトレーロです。昨年は来日出来ず、誠に申し訳ございませんでした。今年は何とか来日でき、また皆さまに食の危機への関心を持ってもらいたく、この場で会見が出来る事に深く感謝しています。』
会場の外で話をしている記者達がいた。多分、他の取材で来たのだろう。
和義も有給消化してる最中だったが、暇つぶしにうろうろとしていた。
記者A『なぁ・・・聞いた?』
記者B『・・・・・え?何を?』
記者A『あ・お・は・た。青旗のアレ』
記者B『あぁ・・・・都市伝説だろソレ』
記者A『かなぁ・・でもさ、大泉のボンボンの話』
記者B『まぁ・・確かに変だったよな。タイミング的にもぅさ、誰に相談したのか知らないけど同席してたんかってぐらいのタイミングだったよな』
記者A『ま、記事にするのがさ、どんなに早くても書くわ刷るわで普通は早くても1日か半日遅れだしな』
記者B『壁に耳あり障子に目あり。背後に青旗ってか?キモチワリィ』
少し離れたところで聞いていた和義。斎藤先輩が関わっているのか?または関わって無いのか。直接聞きたかったが、電話をかける勇気も、会いに行く度胸も出なかった。
羽衣会のメンバーにSNSで斎藤先輩は出席できないとだけ伝えて、あとは居酒屋で聞いてみるしかない。もしかしたら平野さんか加地さんが知ってるかもしれないし・・・なるべく新しい情報よりも的を絞って・・・議員会館内とか事務所内だけが盗聴されてるって事にしたほうが良さそうだな。
あと造反や離党とかも出さない方が良いか・・・適当に収賄や斡旋・・・斡旋?
何を思いついたのか記者クラブを後にし自宅に戻る。
自宅に帰るとすぐさまタブレットを出し、斎藤先輩から受け取ったデータを確認した。
和義『確か・・・そうだ。これだ。このデータだけフォルダに入ってない。最初は気が付かなかったけど写真と音声データ・・・』
タッ タタッ 再生
写真は日自党の総裁である山破総理がどこかの料亭に入っていく所。次の写真はスーツ姿のやや年配のおじいさん。多分金持ちだ。総理よりもボディガード?が取り囲んでいる数が多い。
?『すいませんね。山破さん。こうでもしないと中々会えなんだ』
山破『いえ、とんでもない。私こそ無理を言ってすいません。さ、どうぞ』ザザッ・・・ギシッ
?『ところでどうかな。木蓮会は。上手くやってるかな』
山破『はい。・・・皆さまのおかげで、しっかりと支えられています』
?『それについてなんだけど、電気自動車ってのはどうなのかな。わたしゃ今すぐって言われても困っちゃうから、何事にも準備が必要でしょ?』
山破『えぇ、大丈夫ですよ。電気スタンドの法案も今すぐって言う訳ではないので』
?『始める時は最初に声を掛けてくれたら助かるよ』
山破『勿論です。』
和義『何の・・・話をしてるんだ・・・・・・・斡旋・・・・・・・じゃないのか?』
?『そういえば八王子の事故は可哀想だったねぇ。羽生田君のところだろ?』
山破『彼はそれでも上手くやってるんじゃないかと思います』
?『そうか。それなら良い。あそこの工事うちも噛んでるから、まぁ下手こいたのは仕方ないけどね』
山破『そうですね。こちらも先手を打てたので』
?『先手って山破さん。ただの尻尾切りでしょ?切る尻尾が多いと見栄えが悪くなる。だからね、増やさないといけないよ?』
山破『はい。それは大丈夫だと思います』
和義『いや・・・・逆に尻尾多いともぅそれは遠目で見たら何かの花だろ』
?『あ、そうだ。電気スタンド設置の法案ね。ほら助成金の。あれは引き続きお願いして料金はこっちでそれなりに決めさせて欲しいんだよ。代わりにガソリンはもぅ良いでしょって事だから』
山破『エネルギー関連はまだ彼らが握ってるんで早めに原発稼働させなければならないですね』
?『うかうかしてられないって事だね。だけどようやくエネルギー関連の実権が握れるかもしれないって事だね。そうなったら山破さん。日本を支えるために老体に鞭打ってさ、屋台骨にならせてもらうよ』
山破『何をおっしゃいます。まだまだ十分若いですよ』
?『はっはっは。年よりの冷や水にならんよう気を付けないとね』
和義『・・・・なんか分からんけど、ガソリンかぶるの間違いじゃないのか?』