第3章
この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ございません。
2025年7月29日(火曜日)
フロアディレクター『本番15秒前でーす。オープニングタイトル入ります。』
フロアディレクター『オープニング入りました。本番10秒前。8・・7・・6・・5秒前3・・・・』スタジオにカメラのコードがペチペチと鳴り、カメラマンがキャスターの後ろを通り、そのカメラマンの後ろでカメラアシスタントがケーブルの長さを調整しながらついて行き、時折後ろに引いてカメラマンを後ろへ誘導している。
男性アナウンサー『こんばんわ。』
女性アナウンサー『こんばんわ。報道newsステーションです。5年ぶりに寒い冷夏でしたが、厳しい中での参議院選挙でした。一夜明けての結果から政府与党の参議院議席が過半数割れとなりました。国民の怒りの声というのが大きかった、という事でしょうか。』
男性アナウンサー『そうですね。やはり政治と金、裏金問題からの衆議院選挙大敗。そこからの野党を巻き込んだ形の総理大臣指名選挙での決選投票。この結果に国民が納得出来なかったというのが、今回の参議院選挙に大きく影響を与えたのだと思います。』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2025年9月5日(金曜日)
?『なー、ちょっと寄り道していこうぜー』
??『えー、めんどくさいよ。だって朝だよ?カニメガネが怒るよー』
?『だってさーだってさー、昨日はひみつきちにお菓子のゴミ置いてったじゃん。でさー、そのまま帰ったらさー、おねーちゃんが虫が集まるって』
??『えー、ゴミひろってどこに捨てるんだよ』
?『がっこー前のコンビニでよくない?』
??『あー、それならすぐか。タケシングとボイコットもつれていこうぜ』
タケシング『おー、だんだだーん』
みなきち『なー。なぁなぁ、きのーひみつきち行ったじゃんか、ゆーじがゴミをさ、コンビニに捨てたいんだって』
ボイコット『わー、せーそーかつどーか。えらいんだな!』
ゆーじ『えらいの?だってねーちゃんが集まるって』
タケシング・みなきち・ボイコット『ねーちゃんが集まるの!?あっはっはっはどんだけねーちゃんいるんだよ。はっはっは ゲラゲラ』
ゆーじ『あ、あれさ。きんちゃんじゃね?』
みなきち『おーい!きんちゃーーーん!』
きんちゃん『ん・・・・はよー』
ボイコット『いまから例の場所いって、ねーちゃん集めるからてつだってくれー』
ゆーじ『たのーむーーー』
きんちゃん『何言ってんだ・・・』
13分後・・・
みなきち『こんな網あったっけ?』
タケシング『んー、いいから入ろうぜ・・・遅刻したらかーちゃんこええんだよ』
ゆーじ『ささっといけばいいじゃん。どーせバレないって』
ボイコット『大冒険の匂いがする』
きんちゃん『そこから入れるんじゃね。そこ』
更に30分後
ピピーピピーピピー
消防士長『はい119番です。火事ですか?救急車ですか?』
男性『き救急です。子供が瓦礫の下敷きになってます。いそ急いで下さい』
消防士長『はい。分かりました。住所を教えて下さい。』
アナウンス 緊急指令 緊急指令 けが人
男性『えーっと、八王子で、えーっと、浅川59号線と46号線がぶつかっているところで、近くに甘里まちの広場っていうのがあります!陵南大橋のところです!』
消防士長『わかりました。八王子市甘里11ー1付近ですね。瓦礫の下敷きになっているのは子供で一人ですか?複数人ですか?』
男性『えーっと、多分3人。手足とか見えて多分3人。』
消防士長『3人ですね。子供はお子さんですか?』
男性『違います!多分通学中だったんだと思う。早く助けてあげてよ!』
消防士長『もぅ向かっているので安心してくださいね。えー、子供は意識がありますか?』
男性『えーっと、分からないです。血が出てる。』
消防士長『出血があるんですね。』
2025年9月8日(月曜日)
フロアディレクター『本番15秒前でーす。オープニングタイトル入ります。』
フロアディレクター『オープニング入りました。本番10秒前。8・・7・・6・・5秒前3・・・・』スタジオのクレーンカメラがゆっくりと下がり、ニュースキャスターとフロアの全体が見える。
男性アナウンサー『こんばんわ。』
女性アナウンサー『こんばんわ。報道newsステーションです。早速ですが先週末の崩落事故のニュースからお伝えします。』
映像が切り替わり慌ただしい騒然とした現場の映像。消防車や救急車やパトカー等、人だかりも若干あり重機で大きなコンクリ片を砕く様子やクレーンで持ち上げる様子が伺える。
女性アナウンサー『通学中の児童5人が工事現場にあるブロック片の下敷きになり、一時騒然となる出来事が起こりました。』
現場の映像
テレビ夕日アナウンサー
『こちら現場では消防隊員の懸命な活動により、3人目の児童の救助に成功しています。2人は意識不明で1人は意識があり、まだ他にも下敷きになっている児童がいるようです。』
映像はスタジオに戻り
女性アナウンサー『崩落現場付近の地元住民の方々にも話を聞いてきましたので、そちらの映像もご覧ください。』
別の映像 どこか一軒家の玄関先 カメラに写っているのはシャツを着たおじいさんのドアップ
地元住民『ドーンって大きな音がしたのよ。はじめはトラックがひっくり返ったのかなって。それで暫くしたらさ、背広着た兄ちゃんが慌てた様子でウチに来て、ここの住所はって。何があったんかなぁって。』
テレビ夕日アナウンサー『非常に大きな音がしたんですね。』
2025年9月9日(火曜日)
午後13時頃
彩音『それじゃ、倉持さんは入札の案内しただけですか?』
倉持『そうなんですよ。ていうか彩音ちゃん、そういう話なら直接聞いてよ。市長から詰められたら心象悪いよ』
彩音『サーセン!』
東京都八王子市役所 都市計画部 計画課 6階
彩音と倉持は部屋の隅っこでヒソヒソと話し込んでいた。
倉持『ていうかさ、ずっと追っかけてんの?それ。てか、さっきの話マジ?』
彩音『え?どの話?』
倉持『いや、ほら例の社長さんがさぁ、羽生田議員の高校の先輩って』
彩音『事故現場で聞き込みして、住民から元々不安だったって。それでその日のうちに調べて出て来たのがまぁ~偶然というか、不慮の事故?』
倉持『事故って言わないでよ。うちだって迷惑しちゃったんだから・・・というか、入札時の査定ってそういや俺見てないな』
彩音『え?それじゃ、本当に査定して選んだかどうか分からなくないですか?』
倉持『ん~・・・それは信用問題かなぁ』
彩音『信用ねぇ・・・あ、こんな時間か。じゃ!そろそろお暇するんで!失礼しましたっ!』
倉持『はいはい、今度八王子市のPR作ってよ。桑都物語の特集とかさ』
彩音『はいはい!』
足早に通路を渡りエレベーターで降りながらボイスレコーダーを止め携帯をいじり本社に連絡する彩音。
彩音『キャップ、裏とれたんで明日の朝刊押さえておいてください』
中島『おーう、分かった。ただしお手柔らかに頼むよ。もぅさぁ~うちだってそりゃ機関紙じゃないから何の義理も無いっちゃ無いが、上の連中が散々お世話に・・』ブツッ
彩音『長い長い。年よりの顔色伺ってたらこっちまで老けるぞ。全く・・・』
2025年9月17日(水曜日)
夕日新聞本社 政治部
中島『おーい、ちょーっと集まってくれー』
ラフな格好した5~6人が中島を囲むように集まる。
中島『読書は読んだよな~?』 若い記者『はい』
中島は少し険しい顔をして紙面を広げながら指をさし話を続ける。
中島『えー、これ。八王子市長の工事の入札査定内容の開示請求に監査事務局が応じなかった事から問題が明らかになったようだ』
気怠そうな女性が首をかしげながら話す
女性記者『えーっと、これって。八王子市の都市開発の発注先が決まった理由が分からないまま工事だけが進んで行ったって事ですよね』
中島『そーう』
男性記者『ていうか、入札で決まるのに中身が分からないブラックボックス化したままじゃ入札の意味って無いですよね?なんでこんな訳の分からないまま進めちゃったんだろ』
彩音『普通に考えたら身内の会社だからお願いするんじゃない』
男性記者『え?』
彩音は新聞記事を指さしながら
彩音『高校の時の先輩なんだから』