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彼女と友達  作者: 言話
4/4

No.4 彼女に秘密

起きて体を起こすといつもと変わらない自分の部屋がある

そのまま時計に目をやるといつもより早い時間を指している

久しぶりに時間に余裕を持って家を出れそうだ

リビングに行くと母さんが家を出るところだった


母「おはよう そこにご飯あるから食べて」

そう言って返事も待たず行ってしまった

机の上には納豆とご飯 インスタントの味噌汁が置かれていた

スマホをいじりながら朝ご飯を食べているとメッセージアプリに写真が送られて来ていることに気づく


箸を片手に持ちながらもう片方の手でメッセージアプリを開くと

俺が奢ったスイーツと波華の写った写真が数枚送られてきていた

スクロールするとメッセージが出てくる


波『奢ってもらったスイーツ美味しすぎ!!』

まだ頭が働いておらず返しの文章が出てこない 考えることを諦め

猫のキャラクターが親指を立てているスタンプを送る


昨日のあの子からメッセージが来ていないか一応確認するが

メッセージは送られてきていない


「送ることないしそりゃ 送らないよな…」

なぜか期待してしまう自分に悲しくなってくるが気を取り直す

ご飯を味噌汁で流し込み家を出る準備をする


いつも通りに制服に袖を通し黙々と準備を進める

寝癖がないか確認しようと鏡の前に立つと微かに自分の頬が緩んでいるのがわかる

時計を見るとまだ余裕があったため いつもはしない髪のセットをする

波華がこれを見て驚く顔を想像しながら手を動かすと楽しみでしょうがなかった


髪をセットし終え、時計を見るとまだ余裕があったがやることがないので家を出る

いつもより少し早い時間の空気は少しひんやりしていて澄んでおり

空も雲ひとつないような天気で心地が良く足はかろやかに進む

この髪を見たらどう思うだろうかなど色々考えながら歩けば駅はすぐだった

メッセージで波華と未来にもう駅に着いたと伝え、自販機で温かい飲み物を買う

昨日奢り過ぎたせいで二人分しか買えなかったが今の俺には些細なことだ

飲み物で温まっているとメッセージが送られてきた


波『うちももうすぐ着くよ』


『ベンチで待ってる』

そう送ってベンチの方を見ると背を向けて座っている未来がいた

未来の後ろに立つが気づく様子はないため肩を叩く


未「はい? あぁ なんだ」


「冷たいな〜 はい飲み物」


未「今日は早いんだね 何かあった?」


「いや 何も? それよりどう?いい感じ?」


未「波華と? いい感じなんじゃない?」


「いや 髪 セットしたんだけど」


未「セットしたっていうの?それ」


「これでも頑張ったんだけどな… 悲しい」


未「昨日もかっk」

波「何話してるの?」

波華がそう言いながら現れる


波「髪セットしたの? うわ 変わんな〜」


「頑張ったのに二人ともひどい」


未「ほら その飲み物彼女さんに渡してあげなよ」


「はい 波華 俺の最後のお金を使った飲み物だから大事に飲んで」


波「喉乾いてたからありがたい」

そう言って波華は一気に全部飲んでしまった 最後のなのに…


未「まぁまぁ とりあえずホームに行きましょ」


波「ほら正宗行くよ」

波華に手を引かれながらホームまで行き電車を待っていると

メッセージが送られてきた すぐにスマホを見て確認する


響『時間に遅れるかもしれないです。 ごめんなさい

  誘ったのはこちらなのに…』

その文章を見てすぐに手が動いて文章を作っていく

『全然大丈夫です! 待ってますから』

今から楽しみでしょうがない


未「今日はずいぶんとご機嫌なんだね」


波「はいはい 2人とも電車乗るよ」

気づけばホームには電車が来ていた それに気付かないほど集中してしまっていたらしい


そのまま電車に乗り込んでまた最寄りの駅まで揺られていく

いつも通り流れて行く景色が今日は明るく綺麗に見える


スマホをいじっているうちに駅まで着き一気に人が流れていく

波華と未来から離れてしまわないように気をつけながら進んでいく



昇降口で未来と別れて自分たちの教室へ行く

未来が俺たちから離れるとすぐに見えなくなってしまった



そのまま教室に入ろうとすると急に後ろから袖を引っ張られ

よろけてあとずさりしてしまった その時耳元で囁かれる


「今日 彼女に秘密でデートでしょ?」


驚いて振り返ると後ろには未来がイタズラな笑みを浮かべていた。

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