No.3 どきどき
恵んでもらった卵焼きを大事に少しずつ食べながら、メッセージをもう一度見る
夢じゃない本当にある 嬉しさが込み上げるがそれと同時にデートのお誘いにどう返事するか悩む「お礼がしたい」と言っているのにそれを断るのは申し訳ないし、彼女がいるのに秘密で女子と2人で会う約束をするのも…
横を見れば未来と波華は二人で楽しそうに話していて少し居心地が悪い
「ごめん 先教室戻ってるわ 卵焼きまじでありがとう」
波「帰り楽しみにしとく〜」
教室に逃げ帰るとすぐにメッセージを開き、数分間考え込んでメッセージを打つ
『ぜひ! 大体どこでもいけると思います!』
……行くことにした メッセージを何度も確認して送信ボタンに指を乗せる
大丈夫 少し会うだけ デートじゃない
その三つの言葉が頭を埋め尽くす そして呼吸を整え指を離す。
波「あ いた〜正宗早くない? どしたの?体調悪い?」
未「やましいことでもあるのかな〜?」
「いや そういうわけじゃ」
言い終わる前に波華が俺の手からスマホを取る
波「メッセージアプリ開いてる」
未「この響って子が朝助けたって子?」
波「まぁ詳しくは聞かないけど はいどうぞ」
波華はそう言ってスマホを返す 未来は中身を見たそうにしていたが諦めたようだ
ガラガラ
「はいはい みんな座れもう授業始めるぞ」
先生が来て授業が始まる
今度は授業が難しすぎて授業の内容が何も入ってこなく、ノートには簡単な図と
大事そうな部分を書いて授業が終わるまで寝た。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
放課後 コンビニにて
未「今日は何を奢ってあげるのかな〜?」
波「正宗 これどう?」
波華が指さす先には期間限定と書かれた小さなケーキがあった
それぐらいならと了承し未来の方を見る
「未来は何買う? って多っ」
未来はおにぎりやらスイーツやらをいくつも抱えていた
未「これ全部夜食〜 これも奢りね」
言われるまま波華と未来の分のお金を払いコンビニを出てすぐにスマホが振動した
しかし両手にレジ袋を持たされているためスマホがうまく取れない
「ごめん波華 これ持ってて」
波「突然なに? まぁ良いけどさ」
レジ袋を片方預けるとスマホを見る 思った通りあの子からのメッセージだった
『明日とかどうですか? 17時くらいに駅に来れますか?』
嬉しさですぐに返信をする
『わかりました! 絶対行きます!』
どんな服を着て行こうかとあれこれ考え スマホで色々調べてみる
未「そういえば波華って毎日のように甘いもの食べてるけど大丈夫なの?」
波「いや未来の方が食べてるでしょ〜? そっちこそ大丈夫なの?」
未「私は頭たくさん使ってるから大丈夫だもーん」
波「でも成績下の方じゃん って正宗あぶない!」
前を見ると目の前には柱が
ガーン
柱が大きな音をたて、頭に衝撃が走る
「いったぁ」
波「あーあ 歩きスマホするから」
未「大丈夫? 頭冷やさなきゃ」
未来はすぐに自販機に走って行き、水を差し出してくる
「え? ペットボトルで? 無理があるでしょ」
そう言うと未来が無言で圧をかけてくる
波「ちょっと休めば? 電車には間に合わないかもしれないけど」
「いや先2人帰ってて良いよ 前見てなかった俺が悪いし」
未「どうする? 帰る?」
波「んー 私は正宗と帰ろうかな 帰っちゃって良いよ はい未来の買ったやつ」
未「わかった 邪魔者は先に帰りまーす まったね〜」
そう言って未来がホームへ行き、完全に見えなくなったのを確認すると波華が俺の手を引いて一緒にベンチに座る
波「まだ頭痛い?」
「少しね でももう歩けるよ」
波「じゃあちょっと早いけど駅に行こっか」
そう言って波華は俺と手を繋ぐ しかし俺は驚いて思わず手を離してしまう
波「ご、、ごめん 急に、、嫌、、、だった?」
「いや そうだよねごめん、、恋人なのに手を繋いだりしてないよね は、はい」
手をよく拭いて差し出すと波華もそこに手を重ねる
緊張やら手を繋いでいるというドキドキで顔が赤くなる
横を見れば波華も少し顔が赤くなって見える
波「な、、なに? ほ、、、ほら前向いて歩きなよ またどこかにぶつかるよ?」
その顔を見て頬が緩んでしょうがない
「かわいい//」
波「なっ からかわないで!」
そんなやりとりをしているとホームに着いていた
そして手を繋いだまま二人とも何も話さずに待っていると電車がやってくる
いつのまにか数分が経ってしまっていたようだ
電車に乗り、最寄り駅までしばらく揺られる
「まもなく〜 〇〇駅 〇〇駅〜」
あっという間に最寄駅に着いた ここからは道が違うので別れる
「ありがとね また明日」
波「またね」
そうしてお互いに背を向けお互いの帰路に着く、手にはまだ波華の手の感触が残っている
やっと恋人らしいことができた喜びとこれまでできなかった申し訳なさが同時に襲いかかる
すると急に後ろから腕を引っ張られた 何かと思い振り向くと波華がいた
頬に柔らかいものが当たる なにが起きたのかわからず立ち尽くしていると
波「さっき からかってきたお返し!」
波華が顔を赤くしながら走っていってしまった 途端に顔があつくなる
その後のことは覚えていなかった 気づいたらもう眠る直前だった
思い出すとまた顔が熱くなる 早く寝よう そして眠りについた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
正宗が寝てすぐ
スマホの画面が光り メッセージが来たことを知らせる。
続くと思う…多分