No.1 出会い
今日もまたスマホのアラームが鳴る 二度寝することも考えたがやめた。
昨日充電したっけ なんてことを思いつつ手を適当に動かしてスマホを探す。
体を起こすと親が買ったであろう大量の参考書が目に入った。
起きて早速気分は最悪に振り切れたが学校に行く準備をする。
季節に合わない夏服に袖を通しつつ、朝ごはんの準備をすると
スマホが振動し画面に彼女の波華からのメッセージが来た。
『今日は一緒に学校行こっ!』
数ヶ月前に付き合ったばかりだがそれから毎日メッセージが送られて来る。
勉強ばかりの自分にとっては心が休まる数少ない瞬間だ。
『いつも一緒に学校行ってるだろ 駅のホームで待ってるから』
そうメッセージを送信しながら味噌汁を数口飲んで家を出る。
駅までそこまで離れてはいないが余裕を持って着けるように走った。
少し寒いとは言え駅まで走ると額に汗が浮かんだ。
しかし走ってきたおかげで喉が渇いてしょうがない
飲み物を取り出そうとカバンの中を漁るが飲み物はない
朝急ぎすぎたと反省しながら自販機へ歩く
自販機には別の学校の女子達が数人集まって何か話している
女1「響〜私たちお金ないからさぁ おごってよ」
「え 私もうお金ないよ、、 昨日も奢ったじゃん」
女1「うっそだぁ〜 お金まだ持ってるよね?」
女2「隠しちゃダメだよ〜?」
そう言いながら響と呼ばれている女子を突き飛ばしてカバンを無理やり取る
女2「あ 財布あった 中身見ちゃえ〜!」
女1「見せて見せて」
女3「かわいそw やめたげなよwww」
そう言ってカバンから財布を取り出し開こうとしている
待ち合わせの時間まで余裕はあるが面倒ごととは関わりたくない。
女1「やっぱ飲み物いらないから 財布の中身もらうね」
女2「どんぐらい入ってる?」
女3「ちゃんと分けろよ〜?」
このままではあの子はお金を取られてしまう
気づけば財布とカバンを取り上げて声をあげていた
「君たち最低だね」
女2「なに? 邪魔しないでくれる? あと最低って何」
女1「そんなこと言われる筋合いないけど」
女3「この子がお金くれるって言ったから借りてるんだけど」
そう言いながら突き飛ばされた女子を指差すが
その指の先の女子は涙を浮かべながら首を横に振る
「そんな感じじゃないけど?」
小さく舌打ちが聞こえた
女1「違うよね?優しい優しい響ちゃん?」
女3「嫌じゃないもんね?」
ただでさえ気分は最悪なのにその態度と言葉遣いに苛立ちが増す
「何言ってんだお前ら!」
そう言いかけた時 周りに声が響く
「 やめて! 」
周りを歩いていた人たちの視線がこちらを向いた
そしてその視線に女子達が気づいた
女2「あーはいはいごめんなさい」
女1「行こ」
引き止めようとしたがあまりの逃げ足の速さに諦める
振り返るとまだ地面に座り込んでいたので手を差し伸べて立たせる
「大丈夫? ごめん あの子達行っちゃった、、」
ずっと手に持ったままだったカバンと財布、ついでに自販機で水を買って渡す
「いえ、、大丈夫です ありがとうございます、、」
「なにか、、お礼をしたい、、、です 連絡先交換しても、、、」
思わず頷き、そのまま連絡先の交換をした。
スマホの時間を見れば待ち合わせの時間まであと少しだけだった。
そのまま別れ、駅のホームに向かった。