第5話 作戦
バトルロワイヤル。これは戦略勝負だ。もちろん強い能力を持っていれば生き残りやすいが、上位まで残るのは無理だ。よって俺は、完全に隠れることにした。相手に索敵持ちがいない限り完全に隠れた俺たちを見つけるのは困難なはずだ。それにキル数も関係するらしいから遠距離射撃のできるであろうあいつを選んだ。今取れる能力は限られているからな。
「ねぇ、聞いてる?」
「あ、聞いてるよ。えーと、東雲さん。」
こういうときにこの能力は便利だな。名前を忘れてもすぐに見れる。
「昨日君が早く帰ったせいで僕と君がペアで確定しちゃったんだけど。」
一人称僕でこの見た目なら男に間違えられてもおかしくないな。俺は鑑定で女だとわかっていたが。
「それになんで僕だけ能力を知られてるのかなぁ、フェアじゃないよね?」
「あとで教えるからそう怒るなって。それにほら、バトルロワイヤルで上位に残ればいいことがあるんだろ?俺には策がある。」
「ほんとかなぁ。てかよく僕が女だってわかったね。
初めての人はほぼ男だと勘違いするんだけどね。」
「ホームルーム始めるぞ。」
話の途中で先生が入ってきた。若干怪しまれてたからちょうどいい。
「バトルロワイヤルの件だが詳細はあとで一斉メールで送られるが私からも簡単に説明しておこう。まず日時はちょうど10日後だ。場所はここから少し離れた島。そこでは大きく都市フィールドと森林フィールドに分かれている。次にルールについてだが、島に入ると各プレイヤーにHPが表示される。これは自分しか見えない。そしてダメージをくらうとHPが減る。0になったら脱落だ。だが痛みは感じないから安心して欲しい。それとフィールドにはアイテムが落ちている。何があるかはまだ言えないがそれらも活用してくれ。あとフィールドは何を持ち込んでもいい。なにせ3日間もあるからな、食料は現地調達では厳しい。とまぁそんな感じだな。」
なるほどな。Aランクのやつの攻撃を受けると一撃でHPがとぶ可能性もあるな。まぁやって見なきゃわからんか。
「それじゃあ授業を始めるぞ。前回の続きからだが..」
「あのさ、作戦はどうするの?森川くんはみんなでか
たまった方がいいって言ってたけど。」
「そうか、俺には俺の作戦があるからな。帰るぞ。」
「ちょっと、一応交流の意味もあると思うから残った方がいいんじゃない?僕たちも、いや、僕も君のこと知らないし。君は色々知ってるみたいだけど。」
「そうだな、じゃあ週末に遊びに行くか?」
「え、どうして急に。」
引かれてしまったか?最近人と話してないから距離感がわからない。
「君は遊びに行けるほどポイントに余裕があるんだね。」
そういうことか。しまったな、あの活動がばれるわけにはいかない。どうしようか。
「まぁいいよ。僕も少しはポイント持ってるし。」
じゃあさっきのなんだったんだよ。まぁ怪しまれなかっただけいいか。
そうして東雲さんと予定を立ててその日は帰った。
家につくと俺は地下室のモニターとにらめっこしていた。前回の依頼をこなしたことによって意外と広まってしまい、そこから10件ほど依頼が来ていた。うちの学園の生徒の情報はほとんど持ってたからその場でできる依頼は完了した。それのおかげでそこそこポイントは稼げた。バトルロワイヤルのために能力をゲットしたいが、必要なのは移動系、近接攻撃系、索敵系、そして物資を運べる能力だ。1番最後のに関してはアイテムボックスという能力があるが、これはCランク能力のために必要ポイントが多い。今ある全ポイントを消費すればゲットできるから早くゲットして熟練度をあげたいが、やはり移動系の方がいいか?とまぁこんな具合で悩んでいる。まぁまだ依頼も残っているし、バトルロワイヤルが近づくにつれて依頼も増えるはず。なら移動系の能力をとって依頼を効率よくこなせる方がいいか。移動系の能力は、空中歩行か瞬足、瞬間移動くらいか。俺が取れるのは、Eランクの瞬足か。ここまで能力一覧を眺めていると気づくことがある。やはり戦闘系の能力はランクが高い傾向がある。だから鑑定なんて言う情報を守ることになんの意味もなくなるぶっ壊れ能力がFランクなのか。とりあえず瞬足をとることにした。あとは魔力俊敏の成長速度をあげといた。
佐伯広正 15歳 男性
ランクF
筋力 19
防御 15
俊敏 22
体力 20
知力 45
魔力 20
能力 鑑定 熟練度3
システム干渉 熟練度1
隠密 熟練度2
瞬足 熟練度1
体力と魔力が結構上がったな。それに鑑定の熟練度が3になっている。そういえば初日に浮遊という能力を持った生徒がいたな。そいつは浮遊 熟練度3だった。だが能力一覧に浮遊という能力はない。それに2年生と今の俺の熟練度が同じなのも違和感だ。そこから俺はひとつの仮説を立てた。能力は進化するのではないかと。条件はわからないが、そうすると辻褄が合う。今まで見たきた2年生はほとんど熟練度4や5だった。3年生は人によってバラバラだったが。こんなに早く熟練度があがるならもっと使っていこう。そういえば鑑定が熟練度3になって何が変わったのだろう。色々試してみると、複数のものを同時に鑑定できるようのなっている。これは便利だが、その分一度に入ってくる情報が増えたから俺の情報処理が追いつかない可能性がある。鍛えないとな。それから隠密だが、これは俺一人じゃ何ができるようになったかわからないな。あと疑問だった能力のランクと所持者のランクの関係だが、よくわからないな。魔剣はCランクで狙撃はDランクだった。EランクだからEランクの能力を持っているわけでもない。まぁいいか。
気づいたらもう夜だったのでその日は寝ることにした。
昨日新しい能力を取ったせいでポイントがあんまりないな。俺は学校に向かって歩きながら考えていた。依頼はまだ残っているからそれでポイントを稼いでもいいが、俺は今プロキオン学園の生徒しか情報を渡せない。そのせいでプロキオン学園の生徒だとバレる可能性がある。だから明日中心街へ行って他の学園の生徒の情報を集める。それまでは依頼は一旦スルーだ。それでは早速昨日手に入れた能力を使うか。俺は瞬足を発動した。それから早歩きしてみたり、ジョギング、全力疾走など試してみた。
いつもなら学校まで1時間近くかかるはずだが今日は20分程で着いた。だが魔力消費が激しいな。おそらく魔力を使えば使うほど足が速くなるのだろう、ただ最大で全力疾走の2倍ほどまでしか速くならない。これも鍛えないといけないな。
その日は特に何もなく放課後になった。クラスではまたバトルロワイヤルに向けて作戦立てているらしい。俺はまた隠密を使って教室から出ようとすると、手を掴まれた。
「今日も帰るつもりなの?このままだとクラスで浮くよ。」
うっ、それは小中と友達のいなかった俺に効く。
「わかった、今日は残るよ。」
東雲さんに言われ今日は残ることにした。
聞いてる感じクラスで固まって動くらしい。能力によって作業を分担してやるらしいが、
「そもそも合流できるのか?」
俺は疑問に思ってたことをを東雲さんに聞いた。
「なんかスタートはクラス一緒の場所らしいよ。」
「上手くいくといいな。」
そのまま話し合いは進行していった。俺は話し合いには何も参加していないがな。
話し合いも終わり帰ろうとすると、
「明日、遅れないでよね。君いつも学校にギリギリに来るから。」
「大丈夫だよ。多分。」




