第3話 地下室
「(鑑定)を認証しました。」
その機械音声とともに床が開いた。
俺はその下にこの家がSランクたる所以があるのだろうと期待を寄せながら下へと階段を降りていった。
そこにあったのは大きなモニターだった。
「ようこそ居住者様」
そこにはそう表示されていた。
「なんだこれ」
気がついたらそうつぶやいていた。部屋全体を見回すと、部屋の隅にメモ書きが落ちていた。
それを見ると、
「これを読んでいる君に頼みたいことがある。」
一番最初にそんなことが書かれていた。
「私は今この学園都市に囚われている。私を助けて欲しい。具体的な方法だが、君が3年生になり卒業する時点でスターリー順位1位でいることだ。そうすれば望みを1つ学園側に叶えてもらえる。だからお願いだ、君に力を提供する代わりに私を助けて欲しい。」
俺はどうしようかなんて悩まない、Fランクの時点で詰んでいたのだ。そんなところに、このメモ書きを見る限りではこの学園都市でトップになれる可能性がほんの少しでも出るのだ。受けない理由なんてない。
「ここからは君がこの頼みを見てくれている前提で話す。まずこの家についてだ。この家は君が許可をしない限り誰も入れないし破壊もできない、その他干渉も何も出来ない。絶対防御とはこの事だ。次にこの地下室についてだ。この地下室はスキル(鑑定)に反応して開く。この学園に鑑定持ちは1人しか居ないから君しか開けない。次はこのメモを見ながらモニターを操作して欲しい。」
俺はモニターの確認ボタンを押した。
「居住者 佐伯広正を確認。」
もう一度メモ書きに目をやる。
「ボタンを押したらステータスを確認して欲しい。」
佐伯広正 15歳 男性
ランクF
筋力 18
防御 15
俊敏 20
体力 12
知力 45
魔力 0
能力 鑑定 熟練度2
システム干渉 熟練度1
「今君が手にしたのはシステム干渉という能力だ。これは君の身を守るための能力だ。」
メモ書きはそこで終わっていた。相当走り書きだったし時間がなかったのだろう。ひとまずこのパソコンを操作してみよう。モニターには(システム干渉)というタブが開かれていた。おそらくこの能力はこのパソコンで操作したものを俺に適用させるものなのだろう。画面には、システム、能力、成長、の3つの項目があった。そこから1時間ほどいじってみた。
まずこれはポイントを支払って色んなことができるものらしい。能力の項目ではポイントを支払ってその能力を手に入れられる。だが高ランク帯の能力は必要ポイントが高すぎて現時点では使えない。次に成長の項目だが、これは単純に成長速度をあげられるというものらしい。最後にシステム、これは学園都市全体のシステムに干渉できるものだ。これも必要ポイントが極端に高い。
「俺の所持ポイントでは何もできないな。バイトしないといけないのかな。」
と、なげいていると、机の右側に小さい穴があった。端末お同じくらいの大きさだったから入れてみると、
「佐伯広正の端末を確認しました。初期能力を解放します。」
そう画面に表示された。もう一度タブを開くと、システム欄には(パソコン及び端末の監視からの解放)が追加されていた。説明を見ると、学園の管理下から端末とこのパソコンが外れるらしい。つまりこの俺のステータスは学園も確認できないし、このパソコンで学園都市外にアクセスしてもバレないということだろう。これで学園にバレることはないだろう。能力欄を開くと、好きな能力を1つ貰えるようになっていた。俺が選んだのはCランク能力(隠密)。なぜこれを選んだのか、それは俺にはある考えがあったからだ。それにSランク能力をもらっても使えるほど魔力を持っていないからな。最後に成長欄だが、魔力の成長速度が0から10になっていた。他の筋力の2とかに比べると高いな。ていうか0だったから魔力も0だったのか。これだけ色々なものを手に入れたらできることの幅も広がるな。それに得たものは能力だけではない。あくまで仮説の話だが、能力はおそらく被りがない。あったとしても(鑑定)を他の人が持っている可能性は限りなく低い。というのも、能力欄を見た感じ数が多すぎる。それに加えて(鑑定)はFランク能力だから、新たに能力が手に入ったとしても(鑑定)を手に入れることはないだろう。今日は情報量が多すぎて疲れたな。最後にステータスだけ確認して寝よう。
佐伯広正 15歳 男性
ランクF
筋力 18
防御 15
俊敏 20
体力 12
知力 45
魔力 5
能力 鑑定 熟練度2
システム干渉 熟練度1
隠密 熟練度1
そして俺はまた固い床に寝るのだった。




