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第17話 フラッグ戦に向けて

予選2日目。

今日の勝負は2戦、これで64人まで絞られる。

昨日の試合でだいぶ目立ってしまっている。

これは優勝を狙う以上仕方ないことではあるな。

だから、目標はできるだけ手札を見せずに優勝することだ。


「さぁ!予選2日目!今日も張り切って実況していくぞ!第2レーン初戦は、1日目を難なく勝ち上がったプロキオン学園の佐伯広正!対するは、


--------


今日も難なく終わった。

1日目のように初撃でやられるやつはいなかったから、確かに相手の実力自体は上がってきているな。

だが、問題は本戦で相手にするだろうSランクや、2年の上位層だ。

俺でも余裕で勝てる相手ではない。


「今日はこれで終わりなの?」


控え室から出ると碧が待っていた。


「ああ、それより、今週にもうチーム戦の予選があるが大丈夫か?」


「んー、大丈夫ではないかな。やっぱり僕だけ実力不足すぎてさ。広正に特訓はしてもらってるけど、やっぱり難しいのかな。」


狙撃は遠距離戦に特化しているから近距離戦ではほとんど無力だ。

それに魔力弾を発射できるようにはなったが、防がれればそれで終わりだ。

だから狙撃だけでは力が足りないのは事実だ。ならば、


「この後予定はないか?」


「ないけど。」


「じゃあうちに来てくれ。」


「え?」


--------


「お、お邪魔します。」


「そしたらそこでなんかしててくれ。」


「え?どういうこと?ってあれ?どこいった?」


碧の目を盗んで地下室へ入った。

碧の狙撃の能力だけでは足手まといになってしまう。なら、能力を増やせばいい。

さっき碧からこっそり盗んだ端末をセットする。


「東雲碧の端末を確認しました。」


低ランクの能力でも複数持っていればその組み合わせで相当強力になる。

ひとまず、Eランク能力の空間認識、Cランクの隠密、Bランクの爆破を与えておいた。

痛い出費だが、これで優勝できるなら安いもんだ。


東雲碧 15歳 女性

ランクE

筋力 30

防御 25

俊敏 34

体力 50

知力 58

魔力 70

能力 狙撃 熟練度 3

空間認識 熟練度 1

隠密 熟練度 1

爆破 熟練度 1


これならある程度戦えるだろう。

あと、表示は戻しておくか、いつの間にか能力が増えてたら混乱するからな。


「すまない、待たせたな。」


「うわっ、どっから現れた?」


おばけを見たみたいな反応するな。


「それで何してたの?」


「お前の能力について少し考えてた。明日も練習があるだろ?今から説明することを頭に叩き込んで、明日の練習で実践してみてくれ。まず、お前の弾丸には、


--------


「いよいよ予選は明日!今日も練習頑張っていくよ!」


由紀が元気よく声をあげる。


「作戦の流れをもう一度確認しておくと、






練習を一旦中断して、昼休憩をすることになった。

彩芽さんと由紀はご飯を食べに練習場から離れた。

僕も行きたかったけど、他にやるべきことがあったから行かなかった。


「あの、神谷、さん?」


「私も呼び捨てでいいよ。」


「えっと、じゃあ、凛さん。」


由紀はなんか親しみやすかったから呼び捨てできたけど、彩芽さんとこの子はなんか呼び捨てできないな。


「能力についてあなたから教われって、広正が。」


なんか急に家に呼び出されたと思ったら、なんか待たされて説明だけされた、あれなんだったんだろ。結構緊張したのに。


「わかった。じゃあ説明を受けた通りに能力を使ってみて。」


あんまり喋ってるところ見たことないけど、なんか喋り方が少し女の子っぽくない?

見た目は可愛いし、声もちゃんと女の子なんだけど、なんかイントネーションっていうか、なんかどことなく広正に似てるような。


「早く。」


「わかりました。」


広正が言うにはなんか、身を隠したり、弾丸を爆発させたりできる?みたい。

とりあえずやってみる。


「違う。魔力を全身にまとう感じでやってみて。」






「おっ!もう練習してるの?やる気あるねぇー。」


由紀たちが戻ってきた。


「じゃあ午後は1VS1で戦ってみよっか。」


この頃よくやってる練習。

2人が戦い、残り2人がその戦いを見て、お互いの弱点を分析したり、戦い方の癖を見て作戦を立てたりしている。


「じゃあ、練習してたみたいだし、碧ちゃんと凛ちゃんで戦ってみて。」


お互いに向き合う。


「じゃあ、スタートー。」


魔力を全身にまとうようにして、隠れる。

こうすればある程度認識されなくなる。

僕の能力は長距離向きだけど、拳銃型の銃を使えば近距離でもある程度戦える。

凛さんも素早くこっちを狙ってくる。

だけど、練習のおかげか、どんなに早く動いても、認識ができる。

凛さんに向かって弾丸を放つ。

避けられたが、狙撃の能力で追尾はできる。


ドォン!


凛さんに弾丸が近づいたタイミングで爆発させた。

だけど、相変わらずの無傷。

そのタイミングで距離を詰められる。

凛さんの能力は対象を遅らせる能力。

触れられたら確実に終わりだ。

近づかれないように弾丸を放ち、追尾する。

そこに2発、3発続けて弾丸を放つ。

弾の数が増えると、追尾の精度が落ちるけど、それでいい。ライフルを取り出し、逃げ回る凛さんを狙う。

弾丸を1つ爆破させ、その避ける先に弾丸を放つ。


ドォン!ドォン!


爆風が起き、視界が塞がれる。

やった、?と思ったのも束の間、何かが高速でこちらに近づいてくる。

気がつくと、私の肩に手が置かれていた。


「いやー、いい戦いだったよ!碧ちゃん確実に強くなってるよ!」


「いや、そんなことは。」


「確かにまだ甘いところはあるわ。凛の避ける先を狙ったあと、気が緩んでしまったでしょう?自分の狙った攻撃が終わったらすぐに次の攻撃の体勢に入らないとダメよ。でも、謙遜しすぎも良くないわ。凛も割とちゃんと動いていたし、成長はしているわ。」


「ありがとうございます!」


自分よりも遥かに強い人に褒められて嬉しくなってしまった。

でもダメだ、これで満足しちゃダメ、大会で優勝するためにはまだ足りない。


「じゃあ次は私たちがやりましょうか?凛。」


「はい。」


すごい、僕のときとはレベルが違う。

凛さんも目で追えないくらい速く動いて彩芽さんの見えない攻撃を避けている。





練習が終わると、彩芽さんと凛さんは残り、僕と由紀は駅まで歩いた。


「碧ちゃんさ、あんまり自分のこと責めちゃダメだよー。Aランクには届かないまでも、B,Cランクの上澄みくらいには成長してるし。」


「でも、それだと優勝できない。それに凛さんに手も足も出なかったし。」


「あぁー、それはまぁ、あんま気にしなくていんじゃない?ほら、ウチとはそこそこ戦えてるし?」


由紀がフォローしてくれても、実力付属なことには変わらない。


「まぁほら、今日はもう帰って休みな?」


「あれ?由紀ってこっち方向だったっけ?」


「いや?ちょっとこっちに用事があってね。それよりさ、碧ちゃんはなんでトーナメントに参加しようと思ったの?」


なんで、か。

そういえば広正に頼まれた以外の理由がないな。


「頼まれたから?」


「なんで疑問形なのさ、広くんに頼まれたってだけでそんなに頑張れるの?」


「うーん、なんだろな。特にやりたいことがなかったっていうのもあるし、それに、広正に迷惑かけちゃった時もあるから。」


バトルロワイヤルのときは広正から一方的にチーム組まされたけど、迷惑かけたことには変わりない。


「ふーん。まっいっか。それで話変わるけど、ゲームとかってやる?」


--------


「ねぇ凛、またあの男と会ったのでしょう?」


俺は碧たちが帰ったあと、彩芽に詰め寄られていた。


「えっと、」


「別にあなたの交友関係に口を出すつもりはないわ、でもね、あの男は何を企んでるかわからない。気をつけなさい。」


「はい。」


呼び止められたのはこれを言うためか、ならもう帰っていいか。


「ではこれで失礼します。」


「いや、待ちなさい。せっかく来たんだし、夜ご飯でも食べていきなさい。」


「えっ、」





やっと開放された。

夜飯食ってけって言われて食ったらなんかその後も引き止められたし、しまいには泊まってけとまで言ってきた。

俺はそれを振り切って帰ってきた訳だが、


「なんでお前がいるんだ。」


家に帰ると、由紀がいた。


「ん?別にいいじゃんかさぁー。」


「そもそもどうやって入った。」


「鍵かかってなかったよ?ちゃんと閉めな?」


いや、鍵かかってなくてもこの家の特性上入れないはずなんだが、いや、前に許可したままにしていたのか。


「はぁ、それでどういう要件だ。」


「碧ちゃんさ、そこそこ思い詰めてたからさ、ちゃんとケアしてやんな?広くんに頼まれてやってるんでしょ?」


「あいつなら強いから大丈夫だろ。」


「ああー、ダメだね。ほら、碧ちゃんと も女の子なんだからちゃんと気遣ってあげないと。」


「それを言いに来ただけか?」


「本題はタッグチームトーナメントの話。」


「そうか、別にいいが、その光ってる眼をどうにかしてから話すんだな。二度は効かないぞ。」


「ちぇ、ダメかぁ。まぁいいや、それでさ、碧ちゃんが強くなったの、あれは広くんがなんかしたでしょ?確かにAランクには及ばないかもしれないけど、下のランクだった碧ちゃんがこの短期間であそこまで成長するはずがない。」


「低ランクだからってバカにできないぞ?俺の経験だが、低ランクだとしても強い能力はいくらでもある。」


「まっ、言いたくないならいいや。こういうのはいずれわかるもんだし。じゃ、今日は帰るね。」


「泊まっていくとかは言わないんだな。ほれ、忘れ物だ。」


俺は由紀に隠しカメラを投げ渡す。


「これもバレてたかぁ。敵わないなぁ。」


--------


フラッグ戦予選。

森林、都市、洞窟の3つのフィールドのどれかで戦う。

先に相手のフラッグを取るか、全滅させれば勝ちだ。

予選は2日間で6回勝てば突破できるわけだが、1日目は俺と彩芽が特攻して、相手蹴散らし、フラッグを取って終わった。

1回敵を取りこぼしたことがあったが、それは碧と由紀が倒してくれた。

2日目もそれで終わるかと思っていたが、第6戦目、


「さぁ!フラッグ戦トーナメント予選ラストの試合は!?Sランク柊彩芽を筆頭に、ベガ学園トップの実力をもつ黒山由紀などを含むチームに対して!こちらもSランク姫咲歩美と中山康介がいるチームだ!」


「あらあら、予選で当たってしまうなんて残念ですこと、柊彩芽さん?」


「私と凛でその言葉遣いが崩れるまで叩きのめしてやるわ、姫咲歩美。」


「2人ともバチバチっすねぇ、でも、今回は俺も張り切ってやってくっすよ。」


こっちの予選もすんなりいくかと思ったが、そう上手くは行かないようだな。

Sランクが2人。

この前はSランク1人にだいぶ苦戦したが、やってやるさ。









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