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最底辺な俺だけの地下システム  作者: 料亭カニ味噌
12/12

第12話 もう1つの姿

「私たちプロキオン学園Eクラスの順位は、全50クラス中18位だ。そして学園ごとの順位は3位だった。よく頑張ったな。」


先生のその言葉でクラスには微妙な空気がながれた。

AからEクラスが5クラスずつある中、Eクラス、底辺の俺たちが18位は快挙だ。喜ぶのが普通なはずだ。だが序盤にほぼ全滅したためか、喜びの声はあまりあがらなかった。後から知ったのだがクラス内で生き残ったのは俺と碧だけでなく、クラスの中心人物、森川悠斗もだった。そのため賞賛は俺たちではなく森川に向けられた。


「なんか納得いかないな。このクラスで最後まで生き残ってたのは僕達なのに。森川君だけチヤホヤされてて。」


「俺は目立ちたくないからこのままの方がいい。それに注目されれば能力がバレて不利に働く可能性があるからな。」


俺も承認欲求がないと言えば嘘にはなるが、注目される不利益の方が大きい。


「ところで、毎年このバトルロワイヤルが終わったタイミングで告げていることがある。1年が終わるタイミングでEクラスはなくなる。簡単に言えばEクラスにいるやつは基本的に全員この学園都市から去ってもらう。」


2年生や3年生の数が1年生と比べて少ないから何となく察してはいたが、教師の口から告げられるとやはり現実を突きつけられる感じがするな。周りの奴らを見ても全員言葉が出ないと言った感じだ。


「お前らはEクラスだから実際、1番退学の可能性があるのはお前らだ。だが、今回のバトルロワイヤルでの結果もある。来月にはテストもある。結果次第ではEクラスから脱することもできるから諦めることはない。まぁこれからの過ごし方を考えた方がいいやつもいるが、とにかく励んでくれ。ホームルームは以上だ。」





「ねぇ、あの話どう思う?」


「ああ、森川も生き残ってたって話か。」


「それはさっき終わったよ。Eクラスは全員退学って話だよ。」


「その話か。」


「その話かって、当事者意識なさすぎない?」


「そんな先の話をしてもしょうがない。他の奴らも焦った素振りを見せているが1ヶ月も経てば普段通りになる。それに順当に功績を立てていけば退学はまずない。」


「ちょっとは焦るくらいした方がいいと思うけど。」


俺と碧が話していると声をかけられた、それもそこそこ怒気のこもった声で。


「あのさ、ちょっといいかなぁ。」


そこにはクラスメイトの、名前はなんだったっけな、まぁ男女5人くらいが立っていた。


「バトルロワイヤルのとき、森川くん以外にあんたらも生き残ってたよね。爆破されてほとんど全員が脱落して教室に転送された。でもあんたらと森川くんの3人だけがいなかった。森川くんが言うには敵の気配がして少し離れたら爆発したって。そしたら敵数人もそれに巻き込まれたてたって言ってた。」


「そうか。」


「ここまで言ってもわからないの?敵も巻き込まれてたってことは敵の仕業じゃない。それに残ってた敵と戦った森川くんによれば敵の能力は爆発じゃなかったから、爆弾が仕掛けられててそれが爆発したってこと。つまり仕掛けたやつがいるってこと。それであんたらは爆発に巻き込まれない場所にいた。もうわかるよね?」


森川が気づかなかった敵の可能性もあるだろ。でも今のこいつらに何を言っても聞かないな。


「俺は碧の指示を聞いてただけだ。詳しくはこいつに聞いてくれ。」


「え?ちょ、ちょっと、」


そうして俺は教室を出た。

廊下をウロウロしていると声をかけられた。


「佐伯、ちょっと話があるからいいか?」







先生の呼び出しから教室に戻ってくると、


「広正ぁ?なんで僕に押し付けたのかなぁ?」


碧に詰め寄られていた。


「用事があったからな、しかたない。」


「絶対嘘じゃん。」


実際その後先生に呼ばれたから嘘ではない。決して。


「はぁ、まあいいか。一応、あの時は奥から物音がして気になったから見に行ったらあの惨状だったって言っておいたから。貸1ね。」


「貸1は置いといて、碧は上のクラスに行けるってなったらどうする?」


「え、それはもちろん行きたいけど。」


先生に呼ばれたのは、個人のクラス昇格の話だった。最初に全体で聞いた話では上のランクのクラスに上がる時はクラス全員が上がるという話だったが、今回のバトルロワイヤルで俺と同じだけがいい成績を納めたからか、2人だけで上のクラスに上がることができるらしい。俺だけ呼び出された理由はわからない、だが俺が上がれば碧も上がる、俺が上がらなければ碧も上がらないということだろう。上がれるのは1つ上のDクラスらしい、だが俺の答えはNOだ。ここで上がって変に注目されても面倒だ、Aクラスとかに上がれるならまだしも1つ上のなら得られるメリットも少ない。碧には悪いがこの話は辞退させてもらうしかないな。高ランククラスの恩恵を得るだけなら他に方法もあるしな。









学校から帰ってきた俺は地下室のパソコンを眺めていた。この前システム干渉の新たな機能を解放したのだが、それがそれぞれの学園の情報を見れるというもの。だが見れるのは所属生徒とそのクラスくらいだ。それともう1つ、この情報をある程度勝手に書き換えるとことができた。とは言ってもさすがに昨日まで平然と投稿してたやつが勝手に名簿から消えたり勝手にクラスが変わってたりしたらさすがにおかしい事に気づくだろう。しかし、"1人知らない生徒"が増えていたところで、名簿を頻繁に確認しない限り気づかないだろう。

俺には変身の能力を使っている時の女の姿がある。今はそれを情報屋の時の姿として使っているが、それだけではもったいない。俺はもう1人の自分のデータを作っていく


神谷凛 15歳 女性 所属 ベガ学園

ランクA

筋力 40

防御 40

俊敏 65

体力 55

知力 70

魔力 120

能力 ディレイ 熟練度 2


まぁこんなもんか。パラメーターは適当に決めた。能力も適当なAランクのやつを選んだ、後で入手しとかないとな。あとはベガ学園に学生情報を書き加えとかないと。やることは山積みだな、もうすぐテストもあるって言うのに。






今日は女の姿に慣れるために出かける予定だ。

これから女の姿の方で高ランク帯の世界のやつらと戦っていくことになるんだ。慣れておかないと戦うなんて無理に決まっているからな。ただ、出かけるにしてもまず着る服がないな。下着は男物でいいとして、さすがにブラはしないといけないよなぁ。でもよくわからん!まぁそれを買いに行くのも出かける目的ではあるが。服はパーカーと適当なズボンでいいだろう。

よし、では外に出るか。そうして俺は扉を開けると、


「確かこの部屋、あら?住所はここで合ってるはずなのだけれど。」


すぐに扉を閉める。

今何か知ってる顔がいた気がするが気のせいだろう。

もう一度扉を開ける。


「なぜ今閉めたのかしら。ここは佐伯広正の家のはずなのだけれど、あなたは誰なのかしら。」


いる。鑑定を使って見ても間違いなくあいつだった。スターリー順位4位柊彩芽。なぜここに。


「あいつの彼女?朝から連れ込んでお盛んね。」


んなわけないだろ。


「いえ、お..私は広正の友人で今日は泊めてもらってただけです。」


「ふぅん、そうなのね。ところであなた、今から出かけるところだったのでしょう?良かったら私もついて行っていいかしら。」


「いや、あの、広正に用事があったのでは?」


「もうそれはいいわ。それで、ついて行っていいかしら。」


「お断りします。」








どうしてこうなった。


「あなた、そのパーカーもズボンも男物よね?佐伯広正から借りたのかしら。」


「そ、そうです。服をそんなに持ってきていなくて。」


「あと、あなた下着つけてる?」


女の姿の俺はそこまで胸が大きいわけではないから厚めのパーカーを着ればバレないと思ったが、気づかれたか。このままだと痴女だと思われる。


「いや、その。」


言い訳が思いつかなかった。


「それで男の家にいたの?もっとちゃんと身は守りなさいね。あなた可愛いのだから。」


可愛い、、か。たしかに女の姿は容姿は整っている。だが自分の姿だからか不思議と可愛いとは思わなかった。


「あとちゃんと女性物の服を着た方がいいわ。付き合っていないのなら勘違いされるわよ。私が服を買ってあげるから来なさい。」




ということで連行されたわけだが。

今俺は、胸のサイズを測られている。


「あのー、これって店員さんにやってもらうやつなんじゃ。」


「私でもできるから大丈夫よ。」


いや、、そういう問題じゃない気がするんだけど。

それになんか少し息が荒いような。


「Cカップね。それでタイプはどうする?結構運動とかするならスポブラとかがいいのだけれど。」


「じゃあ、それでお願いします。」


その後服をあれこれ聞かれたが俺は服に興味はないため全部選んでもらった。というかなんで俺は先日のバトルロワイヤルでトドメを刺されたやつと買い物をしているのだろう。

服を買った(買ってもらった)後俺らはカフェに入っていた。


「そういえば名前を聞いていなかったわね。」


「神谷凛っていいます。」


「私は柊彩芽よ。それであなた、あの男と本当に付き合っていないのよね。」


「そ、そうです。ただの友人です。」


そんなに気にすることか?でもたしかに男の部屋から男物の服を着た下着のつけてない女子が出てきたら疑うか。この際付き合っていることにした方が楽か?


「そう、なら良かったわ。」


「良かった?」


「ええ、あなた、私の彼女になりなさい。」


ん?落ち着け、聞き間違いだろう。


「えっと、今なんて言いました?」


「私の彼女になって欲しいと言ったのよ。」


うーん、間違いであって欲しかったな。どうやら俺は女の姿だとさっき初めて会った(女の姿では)人に告白されるくらいモテモテなようだ。


「どう?自分で言うのもなんだけれども、美人だし、あなたを幸せにできる力を持っているわよ。」


「ええっと、私女ですよ?」


「そうね。だから?」


そうね?いや、まぁ、、多様性か。


「それになんでさっき会ったばかりの私なんですか?」


「そうね、一目惚れね。あなたの肩まで伸びたサラサラの銀髪、透き通るような水色の瞳、可愛らしい声。あなたの要素全てが好きだわ。」


「いや、でも中身を知らないですよね。」


「中身はこれから知っていけばいいわ。あとあなたに拒否権は無いわよ。断ろうものなら力になってしまうわ。言っておくけど私は確実にあなたよりも強いと言えるわ。だから戦おうなんて発想はやめなさい。」


めんどくせぇ、どうしたもんかなぁ、今戦っても勝てる可能性は低いし一旦従っておくか。飽きたらどうせ捨てるだろ。


「わ、わかりました。」


「あなたの家は私の家の近くに用意するのだけれど、あなた学校はどこへ通っているの?」


「えっと、、ベガ学園です。」


「わかったわ近くに私も住むことにするからベガ学園の近くに家を用意しておくわ。」


「いや、でも、柊さんの学校もありますし。」


「私は速く移動できるから問題ないわ。あと安心して、いきなり同棲とかは言わないわ、あなたのペースもあるでしょうしゆっくり慣れていきましょう。」


そこは気遣うのかよ。


「じゃあ今日はこれくらいにしときましょうか。これから彼女としてよろしくね。」


はぁ、とてもめんどくさいことになった。

これからどうなる事やら。




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