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愛する人のために

 お料理、お料理♪ 

 今日も私は、彼のために食事を作る。

 けれど、まだ若い私の作る料理の出来といえば。


「何だ、今日も()げた料理なのか」

「ごめんなさーい。料理なんて、今までしたことがなかったし。あなたのために頑張ってるんだけど、ね」

 そう言うと彼は、相好(そうごう)(くず)した。(しわ)だらけの顔で。


「まあ、いい。おまえが(わし)のために作ってくれたんだ。有難(ありがた)くいただくよ」

 そう言って、食事を始める彼。

 焦げた上に、老齢(ろうれい)の彼にとっては重い食事だけど、彼はいつも完食してくれる。

 仕込んだ薬には、焦げの味で気づくこともなく。

 私も料理を口に運びながら、さっき彼に言った言葉の続きを、胸の内で(つぶや)く。

 

 そう。頑張っているのよ? 

 あなたが、早く()ってくれるように。

 そうすれば私には、莫大(ばくだい)遺産(いさん)が転がり込んでくる。

 そしたら私は、もっと幸せになれる。


 愛する妻が幸せになれば、あなたも幸せでしょう? 

 だから早く、私を幸せにしてね。

 ね? あなた。 

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