第6話 お姫様とお泊まり
「ふー。結構ゲームしたな」
「そうね。今何時?」
「えっとー⋯⋯。2時半」
「どするー? もうちょいやる?」
「まあ明日土曜だしやってもいいけど眠いんだよなぁ」
「じゃあ寝て明日やります?」
「それあり。姫さんにしては頭いい」
「もう日付変わったから姫さんなしだよ」
「あそうだった。ふあぁー。ねみぃ」
「分かりみが深い」
「歯磨いてくるわ」
「うぃーす。私歯もう磨いたしパソコン片付けとくわ」
「あざす」
初めて向井さんとゲームをした。相性はそんな⋯⋯結構よくなかったけど、めっちゃ楽しかったな。
「はぁー。ねむ。パソコンありが⋯⋯?」
部屋に戻ってくるとパソコンの上に寝ている向井さんがいた。
「疲れたんだな」
でも寝ている向井さんの表情は嬉しそうだった。
「可愛いな」
思わずそう呟いてしまった。それから向井さんをベットに運んで、俺はそこにあったソファで寝た。布団ないから寒っ。
「んんー」
「あ、友沢くん起きた。はよ」
えまって誰かいるんですけど。
「ふしんひゃ?」
「ぶっ。いや違います。水吹き出しそうでした」
「えっと。なんで向井さんが⋯⋯。あー。何となく思い出した。寝顔可愛かったですね」
「あ?」
「あっはい。すいません」
「友沢くんが私をベットに運んで自分はソファで寝てくれたことを加味しな買った場合殴ってた。おはよ」
「ん。はよ。今何時?」
「11時半す」
「お前何時から起きてたんだ?」
「10時」
「早起きだな」
「いやあそれほどでも。なんか飲む?」
「お茶飲みたい」
「麦茶でいい?」
「あざす」
「はい。どーぞー」
「普通に俺ここにいるけど今日なんかやるの?」
「なんかって?」
「ゲームとか」
「あー。やります?」
「俺は昨日負けまくったからやりたい」
「昨日5勝7敗だからね」
「じゃあとりま準備するわ」
「お昼ご飯どーする? 適当に作っちゃえばいい?」
「え、ご飯作れんの?」
「簡単なものだけだけどね」
「すげーな。一人暮らししてる訳じゃないのに」
「え? 一人暮らしだよ?」
「えそーなの?」
「うん。この家ゲーム用なだけじゃないから。東京で暮らすためのものでもある」
「じゃあ俺と同じ感じなんだな」
「というか友沢くん一人暮らししてる癖にご飯作れないの?」
「⋯⋯痛いとこをつかれたな」
「毎日何食べてるのよ」
「コンビニ弁当とか」
「体に悪いし高いでしょ。うち住む?」
「え??? 住むとは」
「そのまんまの意味。そしたら一緒にゲームも出来るし良いでしょ」
「いやいやいや。俺男ですよ?」
「襲う度胸ないでしょ」
「⋯⋯それはそうかも知んないけとそーゆー問題⋯⋯?」
「結構名案だと思うけどなぁ。私ゲーム一生にする人居ないし⋯⋯」
「だとしても⋯⋯。ベッドもないしご飯も毎回作ってもらう訳にはいかないし⋯⋯」
「んーじゃあわかった。家事をご飯以外手伝うってのはどう? お金取るのは違う気がするし⋯⋯」
「そんなんでほんとにいいのか? 一人暮らしだしそんくらいなら出来るけど⋯⋯。いくらなんでも俺にとって美味しすぎる話っていうか」
「ほんとに大丈夫だって。ごはん1人分も2人分もそんな変わんないし。逆に買い物とか一緒に行ってくれるなら有難いし」
「一緒にいくのかよ⋯⋯」
「え? なんか変?」
「他の人からみたら夫婦だぞそれ」
「あっ⋯⋯。まあうん。大丈夫だよバレないばれない」
「ほんとにいいのか?」
「いいんだって。私にとってゲームの話をしたりできるってのは貴重なんだし」
「じゃあ有難くそうさせてもらうわ」
「よろしい」
「それじゃあ俺ん家からに荷物とか持ってこないとな⋯⋯」
「なんなら家解約しちゃえば⋯⋯?」
「親になんて言うんだよ⋯⋯」
「でも住まないのに勿体なくない?」
「そうかもしんないけど⋯⋯」
「あまって! いいこと思いついた!」
「プロチームの一部の人って事務所に部屋借りて寝泊まりしてるよね?」
「あ⋯⋯なるほど?」
「そこに泊まれば⋯⋯!」
「それならすぐみんなとゲーム出来るな」
「うんうん! 私天才かも」
「じゃあ⋯⋯。どうやってそれやるんだ?」
「わからん」
俺は何故か学校のお姫様と同じ所に住もうとしていた。