第5話 学校のお姫様とゲーム
俺は今向井さんのゲームハウスに来ている。ゲームハウスってえぐいな⋯⋯。
「さてさて友沢くん。ゲームする前にとりま風呂でも入ってきてくださいな」
「お前絶対サメパジャマ着させたいだけだろ」
「そうとも言う。脱いだやつ後で洗濯しとくからそこ入れといて」
「えまじ?ありがたき幸せ」
「あと必要なもんはさっき買ってきたし大丈夫だよね」
「ありがたき幸せ無視すんな」
「いいから風呂はいってきなせぇ。というかシャワーだけだけどいいよね?」
「ん」
なんか流れで泊まることになったけど本当にいいんだろうか。まあいっか! 楽しくなりそうだし。
シャワーを浴びてスッキリした俺はサメパジャマを見て⋯⋯。うん、まだ着なくても怒られないだろ
「いやー。まじ感謝感謝」
「サメパジャマは?」
「⋯⋯。後で着ます。そんなみたい?」
「みたい、そして写真撮って人質にする」
「写真だけはやめてくだしあ」
「それはどうかな⋯⋯?んじゃ。私風呂入ってくるからパソコン選んでログインしといて」
「え!? この4台からどれ選んでもいいの!?」
「ごほん⋯⋯。その白の可愛いキーボードのやつはワシが使うのじゃ。その3匹のパソコンから1匹選ぶのじゃ」
「うおー全部すげぇ」
「あいつ私の渾身のオーキト声真似聞いてねーな」
ん?なんか向井さん言ったか? つーかそれにしても全部すげぇ。俺ん家にあるパソコンより、3倍くらいスペックいいやつだぞこれ多分。事務所にあるのと同じかそれ以上のやつだわ。
「ふー。ただいまー」
俺がパソコン選びに夢中になっていると向井さんが戻ってきた。お風呂上がりの向井さんはだいぶラフな格好で⋯⋯。えっと⋯⋯透けてますよ?何がとは言わないっすけど。
「あついねー。ここ」
「その状況でサメパジャマ着させるお前は鬼か」
「あもう着てるの。ちょっとこっち向いてよ⋯⋯⋯⋯。ぶふっ!まってやっぱこっち向か⋯⋯ぶふっ。にあ⋯⋯ふふ。似合ってるよ⋯⋯ふふ」
「こいつ⋯⋯⋯⋯。というかマジで暑い。熱中症なりそう。脱いでいい?」
「大丈夫だよクーラー付けるから」
「く⋯⋯。その手があったか⋯⋯。でもその格好でクーラー付けたら寒くないか?」
「大丈夫上に服着るから」
「じゃあなぜ最初から着ない」
「ちょっと透けてた方がテンション上がるでしょ?」
「自覚してんのかよ!!!」
「ふふふ。合計で目が胸にいったのは4回でしたー」
「くそ⋯⋯。こいつ⋯⋯」
「パソコン決まった?」
「うん。これにするわ」
俺が選んだのはゲームでのサウンドに優れたパソコンだ。結構足音が聞こえるかというのは大事である。
「んじゃ。早速やりますかぁ」
「まずフレンドだな。俺名前Folder」
「すぺるぷりーず」
「これみろこれ」
「地味に座りながら見るの辛い距離」
「立って見に来いよ」
「それはめんどい。えーっとf⋯⋯あっ!!!」
「あぶないっ!」
「だ、大丈夫?」
「うんまあ⋯⋯。友沢くんが胸を抑えてるおかげで」
「すいませんでしたっっ!!」
見た感じ大きいとは思っていたが柔らかかった。うん。すごかったよ、うん。
「いやいや、助けてくれたことですしラッキースケベは許しましょう」
そう言いながら向井さんはもう一度座りながら頑張ってこちらのパソコンを覗いては、文字を打っていた
「おい懲りねーなお前! 1個ずつ見るくらいなら読みあげるわ」
「あ全部一気にみて記憶すればいいのか!」
「お前なんでその脳みそでゲーム上手いんだよ⋯⋯」
「よし無事にフレンドになれたことですしおすし。ランク行きますかぁ! 31位の友沢くん」
「30位も大して変わんないだろ」
「変わりますー!」
「じゃあ今シーズン今んとこランクどこだよ」
「420位」
「はい俺66ー」
「いやいやいや、私ランクサボってただけなんで」
「あれれれれ?400位くらい差がついてますねぇ」
「くそがぁぁぁ。そんなことより早くマッチング初めてよ」
「雑魚と一緒だと負けちゃうかもなぁ」
「誰が雑魚だよ!」
「足引っ張らないでね姫さん」
「なに姫さんって」
「今何となく思いついた。お姫様だから姫さん」
「向井さん呼びから脱却してそこにいくんだ。まあいいけど」
「いいんだ。姫さんで」
「まあ、お姫様ってずっと言われてるからね」
「さっきから口調とかお姫様のむの字もないからな」
「むはもともとないでしょ!」
「よく気づいた。ナイスツッコミ」
「でしょ」
というかさっきからこんな雑談をしているど、すらすら会話がすすむ。初対面?の女子とこんなに喋れるとか向井さんどんだけコミュ力あんだよ⋯⋯。
「あ、マッチングしたっすよ」
「ほんとだ。王子様は何使うの?」
「誰だよ王子様って」
「だって私がお姫様だったら友沢くんが王子様ってことでしょ」
「⋯⋯。まあ俺から呼び出したんだしいっかもうそれで⋯⋯。今日でその呼び方終了な」
「了解しました王子様」
「適応力はや」
「というか早く何使うか言ってよ。キャラ合わせらんないでしょ」
「えなに相性いいキャラピックしてくれんの?」
「私全キャラ使えるんで」
「なにそれ普通にすご」
「でしょでしょ」
「じゃあ俺はこれで」
俺が選んだのは銃を打ってチャージショットが打てるキャラ、ソゾーンだ。
「じゃあ私キャスデイ使おー」
向井さんが選んだのは単発の玉を打つタイプのキャラである。
「せっかく声が届くんだから俺と姫さんタイミング合わせて同じ敵狙うぞ」
「りょーかい」
「あ! あいつ狙えあいつ!」
「は? どいつだよどいつ」
「私が打ってるやつ!」
「そこ射線通んないから無理」
「あー王子様のせいで死んだぁ」
「知らんがな俺悪くない」
「よし復活ー」
「次は一緒にうってよ王子様」
「まかせろり」
「ん!ん!」
「おいお前一緒に打てやてめぇ」
「は?姫さんがコールすればうったっての」
「は?コールしたわ! あの学校の隣の耳鼻科でもいってこい」
「あのん!って言ったのコールだったのか?」
「そーですよ! 変なコールで悪かったわね!」
「いや子犬みたいで可愛くていいと思うぞ」
「馬鹿にすんな」
「タンクうつぞ。3.2.1」
「私しんだわ」
「おいー!!!姫さん」
負け。そう俺たちの画面には表示された。
「ふー⋯⋯。もしかしなくても私たち相性悪い?」
「俺もそう思う」
こんなんで世界大会に出れるのだろうか