第9話 「キノコ鍋~♪」
愛して貰えない公爵夫人ルイミア様、クビは治ったけど薬湯へ。
脱力して貰えると嬉しい超短編コメディー 第9話です。すっごくお暇な方、是非。
第9話 「キノコ鍋~♪」
…薬湯来ちゃった!
東洋の温泉を模して、木材で作った薬湯。すっげー。
連れて来てくれたのは、勿論、マキアス様。夫。愛してくれないくせに優しい夫。
クビは殆ど治ってるんだけど、連れて来てくれた。
…わかってますとも。攻めます。攻撃ターンですとも。
…薬湯の、ほのかなカホリ…いつもと違うアタシ…。で、どうでしょう?
まぁとにかく薬湯だ。お肌磨かねば。
ざぷーん。食後のお風呂。露天の薬湯。
は~~~~空が見える解放感。壁はあるから外からは見えないのよ?
アルカリ薬湯~またーりしたお湯~。サイコー。
「ルイミア様って、スタイルいいですねえ~。」
侍女のフランが褒めてくれた。
「そう?お世辞~??でもありがと、えへへ。」
あたしのお付き、良くお喋りする侍女5人と一緒。だから、今日は謎のジェスチャーも無し。
薬湯はアタシ達で貸し切り~。他に誰も居ないので、つい口が動いちゃう~。
「あ~なた~だけを~あたしは~♪」(ルイミア作)
「ガツンと蹴り飛ばして~♪」(侍女フラン作)
「すべてを~かけて~♪」(ルイミア作)
「すっからかんになっても~♪」(侍女フラン作)
「待っているの~♪」(ルイミア作)
「例え無駄でも~♪」(侍女フラン作)
「やめてええー!!」
「えー。」
「妙につながる歌入れんなー!!」
「えー。じゃぁ、さらに一人加えると訳わかんなくなって大丈夫です!」
なんだそれは?
まあいいや、やってみよう。
「あ~なた~だけを~あたしは~♪」(ルイミア作)
「旅立つほどに~♪」(侍女エメルダ作)
「ガツンと蹴り飛ばして~♪」(侍女フラン作)
「すべてを~かけて~♪」(ルイミア作~)
「心壊れて~♪」(エメルダ作)
「すっからかんになっても~♪」(フラン作)
「例え無駄でも~♪」(フラン作)
「待っているの~♪」(ルイミア作)
「キノコ鍋~♪」(エメルダ作)
「どっから来たキノコ―!!」
「いやなんとなく…。」
「しかも旅立つほど蹴るんじゃねー!!」
「わかりました!ルイミア様の歌詞に合わせて即興します!」
「えーマジ?できるう?」
「やってみます!らぶらぶになれば良いんですよね!」
「うん…。」
「では!!」
「あ~なた~だけを~あたしは~♪」(ルイミア作)
「捕まえて~♪」(エメルダ作)
「焼き尽くして~♪」(フラン作)
「殺してどうする!!」
「判りました!ルイミア様だけで歌ってください!盛り上げます!」
「えーまじー?(やりたい)」
「どうぞ!」
「こほん♪」
「あ~なた~だけを~あたしは~♪」(ルイミア作)
「はぁ~どっこい♪」(侍女フラン作)
「合いの手入れんなー!」
「じゃ~この際、テンポ変えましょうー!ガツンと行きましょう!」
よし!こうなりゃやってやるう!
「待っているの~!でも♪」(yeah!yeah!yeah!)
「誤字脱字誤植に誤解~♪肝心なトコははぐらかす~♪」(yeah!yeah!yeah!)
「愛さないって言ったくせに~♪」(く・せ・に!)
「愛さないって言ったくせに~♪」(く・せ・に!)
「漢字1000回書かせるぞ!コ~ラぁ~♪」(きゃ~!ルイミア様~!索敵~!!)
同時刻。男性露天薬湯。マキアス公爵様。
「…なんか、嫌な歌が聞こえてくる…。」