第8話 「お昼ご飯はサカナDEATH]」
悪役令嬢転生、公爵様系?のコメディーです。
ようやく、クビが治って来たルイミア様に侍女の怪しい企みが。
超短編。お暇な方、脱力したい方、お気楽に読んでいただければ。
第8話 「お昼ご飯はサカナDEATH」
完全かいふくまであと少し―!!
全治1週間!1週間たてば治るという事だ!(ポジティブ)
結構クビは動く!上向くとまだ痛い!
ってことで。マキアス様も仕事出たし。
お風呂入ろう。
…ちゃぽーん。
大きな湯舟。まったり。よみがえるクビ。
扉の空く音がして、すりガラス越しに侍女のシルエット。
…なんだろう。気のせい?目の錯覚?
すりガラス越しのシルエットが、おもろいダンスしてる。
左手を真上にあげて、右手90度横…だんだん右手が上がってって~。
両手がピタッと重なって~。
横向いた。口から何か飛び出してる…。3回くらい。
茶碗を持つ手…なにそのピチピチ…あ、ばたっと倒れた。
という1セットを激しく繰り返している!既に狂気!!
「あ!これジェスチャーか!!」
…なにそのピンポーンってポーズ。
時計…ハト?…茶碗…ごはん…さかな…ぱったり…パッタリ…しんだ…
「お昼ご飯はサカナDEATH!?」
「ピンポーン。か。」
「なんかムカつくー!」
何か下に落下中…除夜の鐘…?ゴーン?
「…落ち、突いて…落ち着いて!?」
「ピンポーン、と。」
「うは~!首絞めてぇ~!」
指3つ。「第3問?」
腰にホーキ…すたすた歩いて…剣か。あ、これ夫かな?
「夫?」
ピンポン。
今度は鍋のような…!
「鍋?」 ちっちっち、と。
「茹でる?」 ちっちっち。
「煮る?」 三角。
「煮?」 ピンポーン、と。
「…指2本でいいじゃん!!」
今度は自分に指差し?
私?私全体?体?ん?体?
「体!?」
ふー、ふー、って息…。
「吹いて…!拭いて!」
あ、なんかギューって抱きしめるジェスチャーだ…。
「夫にか、か、からだを拭いて貰え!それでらぶらぶゲットだ!?」
親指立てやがったー!
ふ、風呂に入れてないことにして、夫に体を拭いて貰えと言うのか!?
なんて怖ろイイ事を考えるんだ侍女よ!!
そして何でアタシたちの事知っている!?
湯船に半分顔を沈めブクブクしながら、アタシは考えに考える。
もわーーーん。ムリだ―!無理―!そんなん出来るくらいなら毎晩チャンスあるわ!!
でも…大勝負…いや、やっぱ無理―!!
――――のぼせた。おのれ、侍女。
「今帰った。」
愛してくれない夫、帰宅。 今日からはちゃんとお出迎え可能。
「お帰りなさいませ。マキアス様」
「今日は土産がある。東洋の髪飾りだ…キ、キミのような契約婚妻でも着飾りたいだろうからな!」
「け、契約破棄だなんて!」
「ボ、ボケ返されるとは!流水ルイミア!」
「…我が拳は流水…!」
「おおお…」
「<流石>は石な!水じゃなくて石な!」
「そうだった…」
「久しぶりに100回書け…そして誰が契約婚妻じゃい……お土産ありがと…。」
やべ…昼間の恥ずかしい話を思い出して錯乱している!!
「ルイミア?どうした?今日はやけにしおれている。」
「しおれてねえよ!!」
「し、シオシオらしい?」
「アタシのお肌はシオシオかー!?ああぁん!?」
「るら~歌うから~許して~♪」
「歌が入れば世界観温まるとか思うなよ!?」
「最近~胸やけ~ひどい~♪」
「…嫌な歌詞キター!!」
アホのお蔭でペース戻ったわ!
い、いかん!最近、夫の評価がイケメン枠からアホ枠に傾きつつある!
まったく!だれもアタシの物語がR15になることを期待してないっての!!侍女め!
あーでも、いつかアタシも「だめ!こんなところで!」を……。
ボッ!(顔の発火音)