第7話 「アタシをSKYにテレレッテー!」
転生悪役令嬢、公爵様系?のコメディーです。超短編。
首がおなくなりになったルイミア、闘病開始。
第7話です。脱力してお読みいただければ幸いです。
「アタシをSKYにテレレッテー!」
「…まったく、キミはドジだな。まぁ安静にしていろ。では、行ってくる。」
「ハイ…いってらっさいませえ…」
とりあえず首固定。ギブス。下見えん。トイレ行きにくい。今日はベッドでひたすら寝よう。
「治ったら、お祝いにど、どこか連れてってやってもいいんだがな!?」
ツンデレかー!!
「演劇でも魔物退治でもセミ取りでもお笑いでも落研でもキミの好きな所だ。」
アナタ、アタシをどういう目でミテマスカー!?
夫は城へ出かけて行った。
代わりに、侍女のエメルダが部屋にきた。
年齢40歳。主婦。やや丸め。小動物っぽくてカワイイ。主に家人のお世話担当。
「―――奥様、汚職事の時間です。」
「それは秘書に任せてある!」
銀色の丸っこい蓋を優雅に取り、アタシの方へ差し出す。
「…お食事おもちにしました。」
「<に>要らんから!」
「はい。おもちどうぞ…。」
「ホントだったー!?」
小さなお皿におもち。きなこ。ストロー付きミルク。
あまり手元見なくても食べれるからいいのかも知れない。あ、けっこう美味しい…。
「―――奥様、お食事の後は…置くスリの痴漢です。」
「そいつは捕まった方がいい!」
「…お薬なんて飾りですよ…」
「やめろ燃えるから!!」
「…お飾りでも必要とされたい…。」
「…重い!!」
…その後、30分ほど、愚痴を聞かされたアタシ。
良い上司になれそうな気がしてきた…。
「さて、スッキリしたのでお薬飲んでくださいませ」
アンタだけな!スッキリ!
「ん~、しかし…色合いといい、でろりんとしてヤダなぁ…。」
「奥様…文句言わず飲まないと旦那様にしかられますよ?」
「…えーでもスライムっぽい…」
「ルイミア、大丈夫だ。オレを信じろ…」
「ハイ♡ …ダンナの真似すんな!!」
「ちっ…」
やっぱこの国はアホしか居ない!この薬も大丈夫か!?
の、飲むけどさぁ…!
「奥様、お医者様のボラン様がいらっしゃいました。」
ノック。
「ど、どうぞ、ボラン様。」
全面的に四角い感じの、背の小さな初老男性。医者。ヒゲ立派。
「あー、首。どうだね首。回ってる?首?」
クビ多いんですけど…。
「おかげ様で、下向けないけど喋れます。あはは…。」
「うん、回復だね。宜しい回復。回復。」
必ず3回か!!
「薬は飲んだかね?薬。うん、薬。」
わかった。3回星人ナンダネ。付き合おうじゃないの。
「ええ、飲みました。飲みましたったら飲みました。」
「飲んだか、怪しい薬。怪しいの。怪しい。」
「自分で怪しいって言ったー!言ったったら言ったー!」
「よくわかんないけど、効くのね。効く。効くね。」
「ボランせんせい!安全性がほしいです。安全性。安全!」
「諦めたら?試合。終了ですよ?」
「その言い方だともう終わってる!!」
「じゃー安静ねー。安静。安静。」ボラン様は帰って行った。
すごく疲れた…。アレが掛かりつけ医とは公爵家すげえ…。
でも、薬は自分で調合した漢方だそうで…腕は良いらしい。知らんけど。
「今帰った。ルイミア。調子はどうだ?」
旦那様、帰宅。
「お帰りなさい…心配してくれるの?」
「キ、キモのような女でも妻だからな!」
「鰻か!?」
「す、すまん!キミはキモ…」
「言いかけた!今、キモいって言いかけたー!」
「違う!ぜえったいキモくなんかない!綺麗!美人!図に乗るなよ。キャーステキ!」
「…心の闇、見えたー!?」
「…で、ルイミア、行きたいところは決まったか?」
すがすがしい程に話題ずらしやがったな!?
ま-でも。言っちゃおうかな。チャンスだな!甘えチャーンス!洗剤一隅!
「アタシを…SKYにテレレッテー!」
照れ臭くてレベルアップ音にしちまった…。
「空かー!?それは…どうかなー!!」
「…やっちまったぁぁぁーーー!!」
書け…アタシ… SKI、200回…。