第42話 「バカんス島、猛レース」
公爵様系、聖女系短編コメディーです。
お時間ある方、脱力好きな方、苦笑いで許せる方、ぜひ。
うっはー!サーフィン楽しかったぁ~!
すきゅーば楽しかったぁあ!
海あくてぃびてぃいをエンジョイしたアタシらは、内陸に移ったのだった。
「公爵様~奥様~、こちらが本格的バギー(チャリオット)ですね~。」
こちらは、南国バカンス島ツアーガイドのおっさんだー。
なんと、こちらのバギーは魔法による自走式だそうな。便利な世の中になったもんだ。
「エントリーしときました。」
「勝手にすんなー!」
「奥様だけ。」
「なんでだよ!」
「いいんじゃないですかぁー?マルセル様はアタシ達が見てますよ~?」
「まぁ、せっかくだ。俺も応援しよう。」
「公爵様、実はコレ公営ギャンブルでして…身内でも賭けられます。」
「頑張れー!ルイミア様らぶ!」(侍女軍団
「ルイミア―頑張れー!聖女パワーで勝ってこいー!」(夫
「ゲンキンな奴らめ!」
にやり。とオッサンが笑う。オッサンも賭けたらしい。アタシの聖女パワーで狙ってたな!?
…はぁ。ヤレヤレだぜ。
―――――――――――
第二のコース!ファンベルト公国、公爵夫人、聖女ルイミア様―!ついにこのレースに参戦だー!
何故、優美に生活できるはずのアタシは修羅に巻き込まれ続けるのか!
目の前をレースクイーンがせくしいに通り過ぎていく。
本来アタシはそっちの方が…けふんけふん。
ぽ。ぽ。ぽ。ぽーん!
うぎゃあ、始まっちまった!
真横にさっそくつけてくるバカが居る―!最初から削り合う意味あんのか―!
…見覚えある顔。やっぱメルティーだったー!元腹黒ヒロイン!
「何で旅先まで突っかかってくるんだよ!ヒマか!?」
「ルイミア!ここから先は行かせないわ!ついでに言うとヒマよ!」(ゴリゴリ
「認めてどうする!伯爵の夫どうした!」
「勿論あたしに賭けてるわ!そう!此処が正念場!」
「まだスタートだコラァ!」
「スタート!?そんな言葉に騙されないわ!」(ガリガリ
「早速アタシらだけ遅れてるじゃねーか!」
メルティは、アタシに向け、水鉄砲を構えた!
「ふふふ!初手でドレススケスケになって、いやーんってやれば良いわ!」
「…メルティい、最初の障害物キター!離れろー!」
「生涯仏?そんな有難いものがあるわけないわ!」
どーん。メルティは最初の障害物…巨大スライムに弾かれて散った。
アディオス。
遅れを取り戻すよ!頑張れアタシのマッスィーン!
目の前に、ゼッケン3が見えて来た。
「おお、来たわね聖女!あたしは通りすがりの占い師!」
「占い師がなんでチャリオッツレース出てるんだよー!」
「アンタの次のセリフは、占い師がなんでチャリオッツレース出てるんだよー!だ!!」
「うわぁ!なんでそれを…さっきのセリフだコラァ!」
「アンタの敗北を占ってアゲル!」
「作為的だー!」
もぞもぞ、「はんぐどまん何処だっけ…」
「選んでんじゃねえ!」
謎の占い師に並ぶアタシ。
「ふふふ!<吊るされた男>よ!」
「アタシは女だー!」
「…素直に、自由に決めて良いのよ!?」
「とっくに選んどるわー!」
「検査受けた?ANA?」
「Dだコラァー!」
アタシは、フランに教わったカードナイフを取り出す。
「喰らえ!」
「肉とか!?」
ヤツの手元のカードを吹き飛ばし、代わりに、アタシが選んだカードを持たせた。
我ながらかっくいー!
「!!なんて事!カードを入れ替えるとは!」
「まいったか!」
「このカード…永〇園!?」
しまった間違えた。
「ありがとう!集めてたの!無かったのこれだけ!」
ん?まぁいい。ヤツは感動して止まっている。アディオス!
ついに先頭に追い付く!頑張れマッスィーン!
「つ、ついに来たわね聖女!あたしは前年度チャンピオン!」
「なにー!本職か!?」
「何故かと言うとあたしのだけ、特殊な性能アリ!」
「ズルじゃねーか!」
「昔のレースアニメでジャンプしたり!でっかいドリルでたり!欲しかっただろ~!?」
「認める!」
「ホラ来た!謎巨大生物のホネのトンネル!」
「あああ~見覚えあるー!通ると崩れるヤツ!」
「ははは、アタシのマッチャ号の、驚異の加速性能を見るがいい!」
「くっ!こういう時に聖女パワーとか働かないのか!?」
「はは!ポチッとな!」
ヤツのマッスィーンは、火を噴いて急加速した。真っすぐに。
「あああああ!曲がれな…い!」
ヤツは、一足先に骨トンネルに激突し、ドミノのように全部倒した…。
そして、動かなくなった後も火を噴き続け、爆発…。
こっちに飛んできた。ぴゅー。
哀れなので、アタシは助手席に奴が落下するように操縦する。ぼと。ナイス。
「せ、聖女…アンタ、アタシを助けたのかい!?」
「ふ、レースに怪我人は出したくないからね。」
「く、負けだよ、聖女…。優勝はアンタのモンだ…。」
「…キタ!誰だ!!ああ!あれは聖女様!!」
夕日を背に、蜃気楼の如く揺れるマシンのシルエット!
アタシはル〇ンのエンディングの様に疾走する!
「優勝は、聖女様だぁあああー!!」
ぶーーーーーーー。
「…いや待て!審議だ!審議ランプだ!!」
ナンダヨー。アタシは近づいて行った。
「アタシ違反してねーぞー。」
3人の、マッシブな男達が現れる。片目にだけゴーグル。
「…500万聖女パワーか…。」
なんだそれは!筋肉な方か!?ドラゴンな方か!?
「俺たちを差し置いて優勝など認められん!」
真ん中の男が言った。「聖女・ブラックガイ!」
左の男が言った。「聖女・ビッグメン!」
真ん中の男が言った。「聖女・ザ・キング!」
「単語的に聖女じゃねえだろうが!コラぁ!?」
「聖女じゃねえだと!?クリ〇ンの事かー!?」
「そりゃク〇リンは聖女じゃねえだろうよ!」
「ぐ!」
男らは悔しそうに言った!
「ち、ちくのう!」
「鼻の病気かー!」
「聖女!次に会ったときが俺の最後だ。」
「お前のかー!」
「ふ…俺たちはこうして、世間に瓜跡を残して去って行くぜ…。」
アタシは立ち去ろうとした3人の前に、瞬時に立ちふさがる。
「爪はこう!瓜はこう!ウリ跡って何だコラァ!」
アタシは棒で地面に100回漢字を書かせた…。
「…優勝は、公爵夫人ルイミア様だぁ~!」
ようやく、喝采を浴びるアタシ。まぁいいや。
公爵家、旅行小遣いゲットだぜえ!!




