第37話 「公爵夫人猫変化」
切れ芸・公爵夫人ルイミア。仮眠から起きたら猫になっていた。
公爵様系?聖女系?悪女転生系?コメディーです。超短編。
本当にくだらなくても許せる方、苦笑いが好きな方、脱力したい方、お時間あればぜひ。
第37話。
アタシは、公爵夫人のルイミア。
今日は、朝からマキアス様が城へ出勤。
ミルクをあげた後、侍女に少しの時間マルセルをお願いする。
赤ちゃんは何時間かおきに起きたりするし、ミルクを欲しがるのだ。
ママの体力は削れるのよ~。
なので、こうして面倒を見てくれる侍女が居るのはホントに助かるぅ。
―――――――――
あれ、1時間くらい仮眠した?
ああ、マルセルんとこ行かなきゃ。おっと、その前に髪をちょい整えるか。
…なんだ。鏡の前に、おすましした白い猫が居るなぁ。
ん~、アタシ何処いった。
…アタシやん!!
うぎゃー。
朝起きたら猫になっていた。的なー!
しかしやべえ!なんとかもとに戻る方法を探さなければ!
アタシは駆け出した。みゃーん。
ちら!マルセルはまだ寝てる。まだ起きないでね赤ちゃん!
ちくしょー!誰だこんなイタズラ魔法を掛けたのは!
…だめだ思い当たる奴が人外含めて多すぎる。
わーん、こんな時は夫に頼るしかないよ~!
マキアス様ぁん!!へるぷみいー!
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公爵家を飛び出し、城へ向かうアタシにゃ!
だだだだだだ!
目の前に、なんかオスの黒猫が来た。
「HEY!そこのおしょうさん!」
「僧侶じゃねえ!」
アタシはナンパ猫を吹き飛ばして走り抜けた。
目の前に、今度は2ブロックの黒猫が来た。
「オレ、ポストやってんだけどさぁ!」
「好きなだけ片足で立ってろ!」
「店のトッポになるためにさぁ~」
「頑張って四角くなれ!」
コイツも吹き飛ばしてアタシは駆け抜ける。
今度は片目眼帯のオヤジ猫が並走してきた。
「いいパンツだった!」
「変質者は消えろ!」
アタシは猫パンチでオッサンを吹き飛ばした。
「…いいパンチだと胃痛かったの。」
「内科行け!」
「内科に行きたければ、チャンピオンになれ。」
「アンタがなれよー!」
「は!コーチの俺自身に世界を取る可能性が!?」
「内科の方が近いけど、ある!」
「おおお、俺を目覚めさせたアンタ、まさか、聖ジョー!?」
「ん?」
「SAYジョ―、あんたの毛並みの色は?」
「真っ白だ…」
「ジョー!!」
アタシは寸劇に付き合ったのち、おっさんにアッパーを食らわせて走り去った。
やた!城だ!
なんだ!?城門の前で、剣を横抜きに構えるオッサンが居る。
「そこの猫!我が間合いに入れば、切る!」
「居合か!」
「かかって来い!」
そんなんで止まれるか―!早く元に戻って赤ちゃんの所へ!
じゃーんプ!!
「ぬう!高い!!」
オッサンの居合が弧を描く。
すた。
「自慢の毛並みが一本切れちまった。」
「ただ者ではない!よかろう!投資てやる!」
「それは良く調べてからやれ!」
門を超えたー!
マキアス様あああ!
居たー!!
おお、まきあす様ん、剣士を並ばせて演舞!「形」かな!?
「いいか、動きに意味を持たせろ!でなければただのポーズにすぎん!」
「おお、マキアス様んカッコいい!にゃ!」(猫語
「ハイ、此処で両手を広げる!」
「さー!いえっさー!」
「強く間合いに踏み込め!切れ!それから!」
「さー!いえっさー!」
「天翔十●鳳のポーズ!大きくなったな、小象!」
「大きくなったな、小象!」
「ほのぼのアニマル系かー!?」(猫語
「ハイ!右手の剣を大きく上に掲げて~!」
「さー!いえっさー!」
「我が人生に、一回も勝ちな―し!」
「一回も勝ちなーし!」
「悲しいー!」(猫語
「ココでポーズの応用だ!両足を広げて~!」
「さー!いえっさー!」
「らすとシューティ~ング!」
「らすとシューティ~ング!!」
「ハイ!後は滑らか~に倒れる!」
「何で相打ちの練習してんの!」(猫語
「ん?誰だ、猫を連れて来たのは。」
「アタシ―!アタシー!マキアス様ぁん!アタシー!(にゃーん!にゃーん!にゃにゃああん!にゃー!)」
「はは、綺麗な猫だな。白くて。気が強そうで。澄んでいて。」
マキアス様ん…。
「ルイミアみたいだな。ちゅ。」
マキアス様のちゅーで!
アタシはポン!っと人間に戻った!!
「ありがとー!マキアス様ん!!」(ぎゅー!)
「る、ルイミアどうして!此処に!」
答えずにアタシはダッシュ!急いで帰らなきゃ!
だだだだっだだ!
入口!城門!再び門を守る居合オヤジ!
「まかり通るにゃん!」
「貴様!猫!?いや!公爵夫人!勝負!!」
何故だ?とにかく!
「じゃーんプ!」
今度は空中でひねりを入れて、着地。
拍手が湧いた。
「見事!さすがは公爵夫人!人ではない!」
「人と認めてぇ!」
「行け。迎えの馬車が来ている。」
すぐ前に、公爵家の馬車!中から、侍女のフランが手を振ってる。
「マルセル様も乗ってますよ、ルイミア様―!」
「良かった、泣いてない!ありがとう、さすがプリキュジョ!」
「いえいえ…」
…まぁ、誰のイタズラだったとか、どうでもイイや。
アタシは赤ちゃんを抱きしめながら思う。
マキアス様ん!猫がアタシだって気が付いたもんねー!
てへー!!




