第35話 「秘密の地下通路」
切れ芸公爵夫人ルイミア、地下の書庫で秘密の通路発見。今日の敵は、ヒゲだ。
公爵様系?コメディー。聖女入り。超短編。
お時間ある方、本当にくだらなくても微笑んでくれる方、ぜひ。
第35話 「秘密の地下通路」
地下の書庫に来ました。
ここはユーレイゾーンです。
ぎぃぃ。
「うわっち!何いきなり!ノックしなさい!」
「…ハイ、あれがご先祖様のユーレイですよ~。こわくないでしゅね~」
ちなみに、相変わらず若くて可憐なおぜうさん姿。
「おおお!我がイヒヒヒヒ孫!」
「キモ!」
「だから、ご先祖にキモいとか言うなってんだ祝うぞコラ。」
「はーい、マルセルちゃん、ご先祖様はいつも執筆活動してるのよ~」
「うはああ!カワイイ~!いつも陰ながら応援していた甲斐が在ったわ~!」
「どういう意味だコラァ!?」
「あ~カワイイ~この子も大きくなったらどんな男性と恋に落ちるのかしらぁ」
「BL道を勧めんなや!」
「あー、もう何かあげたいわん!ハイ、同人死!災新作!」
「ふざけんな!アタシがちょい見てやる!…わぁ前よりリアル…」
「ふふん、近くでいい死霊がいつも見れたからな…」
「やっぱ成仏しろ!すぐ消えろ!先祖だろうが消えろ!」(塩まき
「ぎゃー!やめろー!やめろー!清らかになってしまうー!!」
「…懲りたかノゾキ先祖!」
「…あらウチったら何を…まぁ!我がウヒヒヒ孫!」
「…戻っただけか…」
「ああ、ウチ重要なことを伝えて無かったわぁ。マキアスも連れて来てね。ここから通じてるヒミツの脱出地下道を教えとくわん」
「何だと!」
「驚いた…?」
「…驚いた…BL先祖が意外にも少し清らかになったー!」
「BLてなに」
アタシは机に山積みの同人死を指さす。
で、マキアス様を呼びに出た。
扉からは、「きゃー!なんてはしたない!こんな本!…こんな本…中を確認してから捨ててやるー!」
ああ、絶対捨てないヤツだ…。
――――――――――
「いい?マキアス。奥の書架、右から3つ目の赤い表紙の同人死…を丁寧に丁寧に外すと、ボタンがあるでしょ。」
ああ、すっかり戻ったらしい。先祖。
「こうですか?」
ゴゴゴゴ、と書架が右へ動く。すげえ。
「その扉の前で、公爵家の血を引く人間が扉に話しかける!」
「お!ダンジョンっぽい!」
「内容は?ひいひいひいばあ様。」
「マレンティス家に栄光あれ!って言いなさいヒヒヒひ孫よ!」
「…マレンティス毛に…」
「なんかイヤ!」
「何だっけウチの苗字」
「落ち着け!?」
「マレンティス家に影響あれ!」
「何の!」
「先祖。マルセル頼む。ちょっと来い。マキアス様ちょっと来い。」
「えー。」
「栄光はこう!影響はこう!久しぶりに100回書け!」
「ぐはああ!久しぶりだから毛首が痛い!」
「毛にこだわるな!」
…まぁとにかく。
「我がマレンティス家にえいこうあれぇー!」
…!何故か扉が開いた!!
良し!中に進むぜ!!
――――――――――
細いけど、しっかりしたつくりの通路。
両側の壁には、石に彫り込まれた歴史の碑文らしき…古くて読めん。
暗いけど、ジメジメはしていない。
10m位進んで、少し開けた空間。両開きの豪華な石扉。
扉の横には、台座がある。台座の上には、石像がある。丸っこい、もさもさした感じの小さな石像だ。
「ふふふ、ついにこの通路を通るものが現れようとはな!」
「しゃべったー!石像しゃべった!」
石像だったはずの丸いものは、フワフワした生き物に変わった!
立派な髭の生えた丸い物だった!
「ひ、ヒゲ辞意?」
「違う!そのような立派な方ではない!」
「そうだぞルイミア!あの方ほど、堂々とカマせる人は居ない…!」
「真似すんなよ!?憧れるなよ!?」
「さて、通路を通りたいと言うのだな?」
「そうだ。オレは現公爵のマキアス。こちらは妻のルイミア。そして公爵家の跡継ぎたる我が子、マルセルだ。」(誤字なし。キリッ。
「ふはは、通りたければ何とかしろ!」
「投げ出した―!」
「そうだぞ!お前何のために居るんだー!」
「そんな哲学を振るでない若者よ!」
「哲学じゃねえ!」
「まて、今、回想するから待つのじゃ!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「…うむ。判らないと思うが、昔のワシ可愛かった。」
「みんなそう言うー!」
「で、ここで門番をしろとご先祖にいわれ!」
「ほうほう!」
「だから何者も通さん!!」
「意味ねえー!秘密の脱出通路の意味ねえー!!」
「うおお!言われてみればその通り!誰を通せばいいんだぁ!」
「あたしらに決まってんだろおおー!」
「そんなこと言われても区別なんてつくかー!」
「開き直るなコラァ!」
「うわああ!こんなんだから割りばし要らないのに貰っちゃうんだワシー!」
「店員に謝れ!」
「お前に割れたハシの何が判る!」
がし。ぎゅううううううう。
「いいか。ヒゲ。聞け。」
「ぼ、暴力はいかんな若者よ…」
「箸はまるっっっきり関係ないが聞け…。箸は、割れてなきゃ使えねえんだよお。ああん?」
「…そうか!つまりワシにもまだ意味はあるってことだな!」
「ふふ、わかればいいのさ。」
「よし!今日から誰でも通す!」
ぎゅうううううううううううううううう。
―――――――――――
さて、今日から、新しい合言葉が決まりました。
合言葉を言わなければ、通路は通れません。
「マルセルちゃん、ガチ天使―!」です。
まぁ
オトナになったら変えてあげよう…。




