第32話 「ママデビュー!」
聖女疑惑、転生侯爵令嬢、切れ芸ルイミア、ついにベイビー誕生!ハッピーモード突入も、ついに魔王の魔の手がアホっぽく迫る。
超短編、公爵様系?コメディーです。お時間ある方、苦笑いで許してくれる方、是非。
第32話 「ママデビュー!」
アタシはついに、ママになったのだったー!
女の子だったら“クラリス”と決めていたんだけど~。
男の子だったー!
名前は、マルセル!
マキアス様の子、マルセル!
きゃわいいー!
とまぁ、そんなこんなで2か月ほど。
ある日の、市場へ向かう馬車の中。
アタシとマルセル、侍女の乗る馬車を、突然羽の生えた怪物たちが包囲した。
なんてリアルに緊迫した展開だ!
人目で見て、イメージは悪魔。
子守の羽…じゃなくて天使の羽…はランドセルで、だからコーモリの羽だ。うん。
そして2本の角。槍を持っている。
一番大きくて中ボスっぽいヤツが、馬車の前に来て話しかけて来た。
「お迎えにきちゃったぞ。どうしよう聖女?」
「アタシに聞くな!」
「むむむ、悪魔に囲まれて尚、そのドードーっぽい顔。まさに聖女。」
「アタシは絶滅していなーい!」
「そんなこと言っても無駄だ。おいら悪魔だもんねー。」
「いや、会話しろ!言葉のキャッチボールしろ!」
「魔王様が及びます」
「ぱーどぅん?」
「魔王様がお呼ばれします?」
「ぱーどぅん?」
「素直について来いこのガ…キではないが色々言いにくい年齢のオンナー!」
「あぁん? アタシの年齢がどうかしたかコラ?あん?」
「いえーすみませんっでしたぁ!」
あ、マルセルが泣き始めたー!
「あー!やべえ!泣かした!やべえ!これはマナー違反か!すまぬう!」
「…お前らもジョブチェンしろ!」
「やっぱ俺ら虫歯菌のほうが向いてるかな?」
「それは凶悪だからやめろ!」
「取り合えず泣き止ませろよママ!」
「お前にママ呼ばわりされる筋合いはない!」
アタシは、首にかけていた、上半身すっぽり隠せるポンチョみたいのを降ろす。
この世界のママさん御用達。
「…お前ら、あっち向け。この子におっぱいあげるんだから、あっち向け。」
「何!それは悪魔として聞けないな!」
「何だとコラ!?」
「七つの大罪!色欲!わっふう!」
「うわエロイ!」
「…なんて罪深いんだ俺たちは…」
「出家しろ!とにかく向こう向けコラ!」
「くっ!悪魔に命令するとは…!」
悪魔たちは渋々後ろを向いた。
「ふふ、マルセル。たくさん飲んで大きくなるんだよ~。」
あ!ちらっとこっちを見やがった。
「うおおお、恐るべし聖女!いい意味でも悪い意味でも眩しい!!」
「前向けやコラァ!」
「うう、悪魔に拷問とは悪魔め!」
「で、なんで魔王がアタシに用在るんだ!」
「いつか出会うんだから。会っておこうかな、なんて。」
「タイムリープ系少女か!」
「貴様!何で魔王様の正体を!?」
あ、振り返りやがったコイツラ!
「しまった!色々な意味で眩しいー!!」
ここでアタシの名誉のため言っておくが、布で覆ってるから見えてない。はず。
「と、溶けるうー!」
ザコ悪魔たちも同じく叫んだ!
「しまった!色々な意味で貧しいー!」
「うるせえ!そんなに小さくねえ!!」
「溶けるー!恐るべし、せいじょー!」
なんか消えていく。あれ? やっつけた?
「うおお、生まれ変わったら虫歯になりたいー!」
「虫歯になってどおする!!」
じゅう。
…何だったんだ。
悪魔たちは勝手に消えて行った。
「ルイミア様、さすがですねえ。」(侍女フラン
「いつも通りアホな敵で良かった。じゃ、オムツ買いに行くよ~!」
マルセルがきゃっきゃと笑っている。
あれー、もしかして、この子を見て溶けたんだったり?
勇者ん母!?
なんてなー!!




