第25話 「手に札3枚」
<切れ芸>公爵夫人、ルイミア様。 次の冒険?は本の中。 手には札3枚!
超短編コメディーです。だらりとしたい方、脱力したい方、下らねー、と言いたい方。お時間ありましたらぜひ~。
第25話 「手に札3枚」
ひゅいん、っと、本の中に吸い込まれたマキアス様とアタシ。
うわー。本当に吸い込まれた。
この本、表紙で選んじゃったけど。子供が手に札3枚もってニッコリしてんの。
後ろに優しそうなお婆さん。
なんか、当たったんじゃね?
てわけで、この本選んだわけ。で、ひゅいん、と。
明るい、森の中だった。
マシアス様、手になんか持ってる。
あー、謎のチケット。願い叶うんじゃね?わっふう。
オラ―!待て~!!
突如、しわがれた大きな声。
背後から、包丁を振り回した、大きなお婆さんが迫ってくる!
ひゃー!!
スタートから緊張感マックスだぜえー!
「マキアス様ぁ!剣は!魔剣は!?」
「…置いてきちゃった!」
「ひゃー!逃げよう!!」
スタコラ逃げ出すアタシ達。妊婦に走らせんな!
やべー、追いつかれるウ!
「マキアス様、札!札でしのぐ!」
「よ、よし。最初はこれだ!」
「札よ!大きな!州になれ~!」
「川だろコラぁ!」
地割れがビシビシと走った。
アタシ達とやまんば?サンの間がぐい――――――ん、と伸びて、大きな州が出来たらしい。
地平線の果てまで向こうに行ってしまった。
「…ナイス、マキアス様…」
「惚れ直すか?」
「それはそうとして、<州>はこう!<川>はこう!」
「点無くなれば良いのになぁ」
「それじゃ同じになるじゃん!書け!100回書け大地に書けすぐ書け!」
「やまんばさん来ない?」
「…50でいい!」
かきかきかき…川川川川川…てんてんてんてんてん…
「そのパターンかコラァ!」
「しまった!奴めもう来たぞ!遠くに人影が見える!」
あ、止まった。膝に手を当ててぜえぜえしてる。
あ、倒れた。天を仰いでる。あ、拳を突きあげた。熱い!
「マキアス様逃げるよ~!」
「48回だけどいい?」
「いい!!」
再び熱くダッシュしてくる、やまんばサン。
うわあ~追いつかれるウ!!
「マキアス様ぁん!札!!」
「よ、よし!今度は!」
「山だぞ山!間違うなよ!山だぞ!パパになるのに<山>間違えると悲しいぞ!」
「任せろい!」
「誰!?」
「札よ!大きな!山場になれ!!」
「あほー!!」
やまんばサンの前に、大きなモニターが現れた。
悲し気なBGM。
ナレーション:別れを選んだキムラ。ついに、秘密を話す…。
「…なぜ別れるなんて言うの!あたしは心から…!」
「ウメカ。俺は…俺は本当は、キムチなんだ!」
「…知ってたわ。」
「それだけじゃない!大根のキムチなんだ!」
「…カクテキで良くない?」
「え!?」
やまんばサン、食いいるように観てる。
あ、なんか泣いてる。あれ、意外と良い人だったんじゃね?
しまった…みんなで一緒になって観てしまった。逃げよう。
スタコラ。
―――やはりばれた~!
追いつかれるウ~!
「マキアス様ぁああ!無駄無駄無駄~!」
「札ではー!?」
「ごめええん!札札札ぁ!!」
「任せろ!任せろおお!キミを守る!」
「きゅん~!」
「札よ!ラスチオ1枚!」
「何注文してんだー!?」
「この1枚にクックるん!」
「落ち着け―!!」
「この1枚で出してやる!」
「財布ラストの1万ツッコむみたいに言うな~!」
「財布よ!」
「財布じゃねえ!!」
「お札よ!」
「今、オサツ!って言ったろ!!」
「札よ!和尚さんを出せえー!!」
「うはー!ここで和尚さん登場!!」
どろん!札は和尚さんになった。
デカかった。3m位。
やまんばサン?、と、にらみ合い。
ガシ!!っと手のひら組み合わせ、力比べが始まった。
熱い!なんて熱いんだ!和尚、頑張れ!
「ふふふ、ばあさん、やるじゃねえか?」
「ひひ、お前もやるのう…」
「よかろう、次は化け比べだ。」
おー!キター!定番キター!
「ばあさん、パンダになれるのか?」
「なれるさ。どろん。」
「やっべ!かわいい!」
3にんでもふもふして楽しんだ。
はっ。
「ばあさん、豆にもなれるんか?」
「なれるさ。どろん」
見事な、豆になった。大豆かなぁ。
和尚、「ワシ、ピスタチオが好きなのに。」
といいつつ、豆を口にぱくん。
あー!食べた!なんて酷い事?を!
と思ったら。いつの間にか、和尚のとなりにカゴ。
和尚がふたを開けると、BGMと共に、中からやまんばサン出て来た。
2人でお辞儀。
アタシとマキアス様、拍手。
「見事な手品だ…!」
2人があちらっです、と腕を向ける。
大きく、地面に<GOOOOAALLLLLL>って書いてあった。
アタシ達は手を振って、ゴールに入った。
ひゅいいいいいい~~~ん!
ぱ。元のお店へ帰って来た!
「如何でしたか!本の中探検は!!安全!痛快!東洋魔法ブックシリーズ!」
…東洋魔法BOOKシリーズは、現在公爵邸に3冊ある。
今度は別なの行ってみよう。
次は、侍女たちも連れて入ってみようかな!
この、桃ガラ着物サムライ?が表紙の本に。




