第21話 「おむすびころりん」
マキアス様の上司、皇太子から無理難題が。何とかなるのか!頑張れ、切れ芸公爵夫人ルイミア!
超短編コメディーシリーズです。脱力モノです。お時間のある方、くだらなくても許せる方、ぜひ。
第21話 「おむすびころりん」
この日、マキアス様がお城でお仕事をしていると、王様の息子がやって来た。
王様はマキアス様の父親、マーカス様の兄。
てわけで、この皇太子様は従兄にあたり、年も上。30歳。
次期、王様となる、皇太子キンベル様。
「マキアス、ちょっといいか。」
「皇太子、何か?」
「オマエ―、最近貰った嫁の事で調子に乗っているそうだな…?」
「いえいえ、そのような事は。ちょっと英人なだけで。」
「英語できそうだな…」
「とてもやらしくて。」
「…ちょっとうらやましいな。」
「ぜくしいで…」
「推してるのか?」
「吸いだしそうな瞳で…」
「オマエの仕事不安になって来た。」
「タン的に言えば…」
「塩か?」
「掘れてます。」
「化石なのか嫁?」
「うむ…まぁ、いい女なのは判った…」
「……ポッ」
「オマエじゃない。」
「ハイ。ボス。」
「しかも聖女疑惑だそうだな。」
「聖女疑惑って単語初めて聞きましたが。」
「…オマエに言われるとは…」
「でもそれはデマです。アイツは不通のオンナですよ。」
「電話出ないのか。」
「まぁとにかく、いい女なのは判った…」
「いいだろー。」
「落ち着け?」
「ハイボス。」
「で、試して見ようかと。此処に、王家の埋蔵金らしい地図がある。」
「ほう、MYぞうきん。」
「埋めっぱなしで良さそうだな。」
「オイ。」ぺし。
「なるほどコレが海苔つっこみ」
「嫁と2人で掘り当てたら聖女と認めよう。個人的に。」
―――――――――
―という訳で、アタシはマキアス様と今、城の裏山に居る。
ボディーガードの侍女たちも居る。
「城の裏の三角形…山 大きな栗の絵が描いてある。此処だと思わないか?」
「うーん。マキアス様、この地図、妙に新しいと思わなーい?」
「むむ…たしかに、このシミなどまだ匂いが…クンクン。」
「きっと、からかってるだけだから、普通にピクニックしましょ?」
アタシは日当たりの良い所で、お弁当を広げる。侍女たちの分も作ったんだ。
みんな、食べよう!
並んでオニギリを食べようとしたら、マキアス様がおにぎりを!
<おむすびころりん>してしまった。
「あ、ごめんよ、ちゃんとオレが食う。」
「いいのー。あたしが~。」
「るいみあ…」
「まきあすう…」
「コホン。あーコホン」
しまった周りに侍女たち居た。
あれ?
なんか、そこ盛り上がってるなぁ。土が。
アタシは、指さして。
「マキアス様、盛り上がってない?」
「いええええい♪」
「そうじゃねえ!!」
「あれ見て!」
「むむ…?」
アタシはもっかい地図を見る。
「マキアス様…まさかこの三角、栗…」
「ああ、多分、甘栗だ…」
「関係ねえんだよお~あぁあん?」
「スミマセンスミマセン!栗書く?粟で書く?」
「書かんでいいから聞けー!」
「ハイ!」
「この栗!実はおにぎりでは!?」
「何だとー!?」
「皇太子さま、ここでただ、オニギリ食べたのでは!?」
「何味をだー!?」
「味気にすんなー!!」
「なんてことだ!取り合えず掘ろう!」
ザクザクザク…。
なんか、出て来た。
「この黄色い棒は…金塊!?」
「違う!ぬまい棒!食いもん埋めんな!」
「む…これはまさか…本物の真珠!?」
「まっさかあ…げ…本物? あ、手紙ある。」
「どれどれ…」
<よくぞこの宝を見つけたな!!
なーんて書いてみたけど、見つかるわけねえなー
どうせ誰も見ない手紙書くって、バカじゃね?俺?
インク無駄じゃね? 俺の労力、無駄じゃね?
いえーい 王様のバーカバーカ 早よ引退しろ老害~。>
「………」
「………」
アタシ達は、王家の秘密を知ってしまった。くす。
――――――――――
翌日。
「皇太子、コレを。」
「あ!その真珠は!」
「返しますか?」
「まぁやるよ。発掘記念に。」
「…で、手紙ですが。」
皇太子は、マキアスの手を取った。
「心の友よ!手紙は燃やしてくれ!頼むぞ!お前は手紙など知らない!な!?」
「さらに!お前の嫁はもしや本物の聖女かも知れん!まさか適当に書いた地図を見破るとは!」
皇太子は、マキアスにプレゼントボックスを渡した。
「ふん、嫁にやるといい。俺の遊びに付き合ってくれた礼だ。」
―――マキアス様~、何を貰ったの~?
「ルイミア、お前にだ。何だろうな、アクセかな?」
ワクワク。
「オープン!」
中には、大きなロケットがあった。
金と銀で編み込まれた鎖、小さなダイヤで縁取られるロケット。
マジもんの宝じゃん!!
アタシ達はビックリして見つめ合った!
…多分、口封じ代だネ。
さらに、ロケットの中には手作り感あふれる楕円のカード。
<聖女> って書いてあった。
…こっちは、公爵家の裏庭に埋めとこう。




