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第16話 「ルイミア、受している(満たされる日、その②)」

悪役令嬢・公爵様系?の短編パロディーです。

ジャンル恋愛であることをたまに思い出す第16話。

切れ芸ルイミア、苦節15話、ついに、その日が。

第一部ラスト的なお話。お暇な方、お気楽が好きな方是非…。


第16話 「ルイミア、受している(満たされる日、その②)」



始まりわすわね!


今日は公爵家の館で、侍女たちが演劇を自主公演。


ホールで遊び演劇をやってた侍女たちに「やってみるう?」と声を掛けたら乗り気だったので実現した。客はマキアス様とアタシ、メイドに給仕たち。


ほぼ学芸会。しかし、彼女たちは戦闘力において超一流…。

…演劇には関係ないか…。



演目。「侯爵様に婚約破棄された転生中年スナイパー!チート弾丸で世界最強の俺、チトtuee!」


色々言いたいことはある。耐えろアタシ…。


ブザーの音。(仮)


「始まりますね!マキアス様!」

「スヤァー」

「起きろコラァ!」

「しーーーーーーーーーーーー。」

しまたゴメンナサイ。


幕が開いた。この瞬間イイヨネ。

…起きろコラ。


麗しいカンジのドレスを着たシルエット…。エメルダかなぁ。

「此処はどこだ!侯爵の婚約者に転生した俺様の銃が火を噴くぜ!」

説明すげえー!


豪華な紋章つきの礼服を着た侯爵サマ。きっとフランだ。


「お前が、婚約者だと!オヤジじゃねえか!?」


転生してもオヤジだったのかよ!!


スポットがあたる。くるっと此方を向く、ヒゲ付きのエメルダ。

ぶふっ!!

やべ拭いた。コメディーだったのか。


幕が下りた。「――完――」


終わったー!?



幕が再び開く。あん?オムニバスだったのコレ?


演目。「俺だけに無双してくる幼馴染が、真実のオレを知ったら急に優しくなった券」


…誤字じゃね?


ぶーーー。ブザー。


「阿羅阿羅阿羅阿羅阿羅阿羅―!!」

制服姿の女子が、男子にオラオラしていた。


男の子のポケットから何かがヒラヒラ落ちてくる。

「ああ?何だこれ?」


オラオラ女子はそれを見て驚いた。

「アタシが最近バイト始めたメイドカフェの回数券!?」

「す、すみませんー!」

「…ち、客じゃぁマズイ…別のカモ探すか…」


「こうして、彼女はオレに優しくなった…。」


「―――完―――」


「…報われてねええ!!只の悲しい子だ!!」


「スヤァー」

「いい加減起きろ!」


第3幕

演目…。「君を愛するつもりはない!と言われたので首100回締めた」


「…只の殺人自白だろコラぁ!!」

「―――完―――」

「読まれたからって閉めんなー!」


第4幕

「人形劇。愛されないペンギン」

おお、なぜこれだけ人形劇?


ナレーション(エメルダ)

「2匹のペンギンが居ました。女の子ペンギンと男の子ペンギンです。」


「女の子は男の子が大好きで、毎日好きって言いました。遊びに誘いました」

リボンのついたペンギンが、男の子ペンギンの近くに寄っていく。


「しかし、素直になれない男の子ペンギンは、気持ちと裏腹にいつも冷たくしました。」

あ、男の子ペンギンが無視してる…。女の子可哀そう…。


「そんな日が毎日続きましたが、女の子ペンギンはある日から来なくなりました。」

男の子ペンギンが何やら必死に探してる。バカだねチミ。


「女の子ペンギンは、悲しくて死んでいました。男の子は泣き叫んで、やっぱり悲しくて死んじゃいました。」

無表情なペンギン縫いぐるみが、唐突にばったり倒れた。


「――完――」


うはー!いきなり終わったー!ナニコレ―!!

あはは、なにこれー!


ぽろぽろぽろぽろ…。


アタシは両手で顔を覆った。

判ってるよー、あの女の子ペンギンはアタシだよねー。

この人形劇はアタシの為だよねー。頑張れって言いたいんでしょう?


でも、ちょっと痛い。痛いなー!


そんなアタシを、後ろから優しく抱きしめる人が居た。

「ルイミア。中無くてていい。中無くていいんだ。」

こんなエモい所で誤字るアホは一人しか居ない!

しかしツッコみたくてもツッコめない!


「キミを離したりしない。キミを1人にさせたり姉妹。」

うわーん、またまた台無しだー!!


「侍女たちよ!素晴らしい公園だった!存分に褒美を取らす!いや…」


「…心から感謝する!!オレに、チャンスをくれて!」


マキアス様は、泣いているアタシの両手を取って立たせた。


「ルイミア!オレの貝けなんだ!」

貝けとは?

「初めて会った時から、オレの貝けなんだ!」

負けで良いのかな!?


「ルイミア、受している!」

うん。誤字だけど。


「受している!」

「うん!!」

誤字だけどいい!!


マキアス様がアタシを抱きしめる。


アタシ達を、即席舞台ホールにいる仲間たちの拍手が包む―――。


演者だった侍女たちが泣いて喜んでくれてる―――。

 <あー、これでハラハラしないで済みますね~>

 <敵も恋も、我らプリキュジョにお任せあれw>



涙で、ぐしゃぐしゃ アタシ。


でも、今日から目指すよ。 出来あい系。



…違うって?




らしくない展開の第16話。

良かったね、ルイミア。


多分まだ続くのです。

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