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第13話 「バレンタイン・デスロール」

バレンタイン!愛してほしいルイミアにもバレンタイン!


超短編コメディ第13話です…。

第13話 「バレンタイン・デスロール」


 「ルイミア様、世間ではバレンタインというモノが。」


「ええ、判っていますとも。」


「すると、お屋敷に充満するこの匂いは?」



  キッチン隣の部屋で転げる3人の侍女。


全員、お腹を押さえ転がっている。勿論、アタシのチョコの犠牲者だ。


言っておくけど、悪役令嬢たるもの、基本すべてにハイスペ。


決して、お料理下手じゃないのよ?



 しかし、マキアス様が当然本命であるアタシ。マキアス様の本命になりたいアタシの求めるインパクト絶大なチョコがほしい!!


ので、ひたすら味見をしていた侍女たちが転がっている。


死屍累々というのかこう言うのを…すまぬ。



 結局、ピザLサイズの♡チョコにドライフルーツ盛りで落ち着いた。


…アタシにしてはフツーだって?うん、そうなのよ…。


「みんな。意見を頂戴シクシク。」


「ハイ。R15を目指してルイミア様、自分にリボンを。」


「昔のエロいゲームぽいけど(偏見)実際やったらゲームのミイラじゃんか~!」


「<一部>だけにしたらいいんデスヨー」


「絶対ムリー!」


「もう~じゃぁ、ポッキーゲームで行きましょう!」


「この大皿サイズを!?」


「いや、マキアス様絶対モテるから山ほど持ってくるんじゃないですかね?この際、しょっぱい系でせめては?」


「塩チョコ?」


「塩辛とか…」


「大人過ぎる!」



 ピンポーン。


やべええええ!かえってきたああ!!


「ルイミア様!ファイ!!」


うう、愛されない妻の出すべきチョコとは何だ!?


「おおおお帰りなさいませエ」


「ただいま。ルイミア。」



 寝室へ。


「そわ そわ そわ。」


「どうした?そんなにギャンブルしたいのか?」


「ざわざわじゃねえ!」


「ん?どうした?その長いリボン?」


「え!?こ、これはマキアス様を巻くために!」


「どしてー!?」


「きょ、今日は2月14日ですね!」


「そ、そうだな!バレンタインだな!?」


マキアス様、机に鞄を置く。意外と薄っぺらかった…。


「でも、いっぱい貰ったんでしょ?」


「いや?全部断った。」


「え!?」



 夫、照れくさそうに…。


「一応、オレも機関車だからな…。」


「…もう一度とーます?」


「オレも帰還者だからな…?」


「もう一度さヴぁーいぶ?」


がし。(右手)


「機関車はこう!とーますはこう!」


「なんでとーます描かす!?」


「さらに帰還者はこう!既婚者はこう!!」


「それ奥様お絵描きタイムでも難易度高い!!」


「描け…100回とーます描け!」


「うおおお!やばい段々上手くなるオレ!今なら、じぇいむずでも描けそう!」


「更に帰還兵も描け…!」


「うおお、某有名映画しか思いつかん!マッスルな人!」


………


「…ぜえぜえ、やったぞルイミア。」


………


「何を赤くなって、でっかい皿くわえている!?」


「皿じゃねえ!チョコだい!ですわ!」


「だから何でくわえている!?」


「ぽ、ぽぽぽぽきーゲームしましょしょしょ!?」


うっひゃー!はずかすい~!


「じゃ、じゃあ。かぶ。」


……。


なんで直径45cmの皿の両端を私たちはくわえているのか。


だれか説明してくれ。


ここから、どうやってドキドキちゅーの展開になると言うのあ。



 「このあほおうすへはほいのは?」


(この後どうすれば良いのだ?)


「あほほははんらほはぁ!」


(アホとは何だコラァ!)


「あはっは、ほひらはほほふはへふははふんはは?」


(判った、どちらが多くとれるか、割るんだな?)


「はふんひはう!」(多分違う!)


「*訳)必殺!マキアス・デスロール!!」


夫がワニの様にクルクル回転する!!


頼むから人間でいて~!!


バキ!割れた…ハートのチョコが…。


圧倒的にアタシの方が大きい…。


「*訳)く!ルイミアの方が太かったからだぁ!!」


「*訳)子供かー!?」



 夫、チョコを眺め。


「オレに…?」


「ハイ、マキアス様…。」


「ありがとう。」


「は…はい…頑張って作りました…」


がぶ。


「旨いな。すごく美味しい。」


本当に、他の子のチョコは断ったのかな。だとしたら、やっぱ惚れてね?


アタシ、両思いでいい?いい?どうなん?



 「ルイミア、あの塩辛はなんだ?」


「え、あ、う?あれもポッキーゲーム…」


口から出まかせの塩辛をくわえてみた。


でろんと下がってあごにくっついた。しくしくしく。



 「あはは!アホ!」


夫マキアス様は暫く、悲しく立ち尽くすアタシを尻目に笑った後。


ぱく。反対側をくわえた。


勿論、ほぼ0距離。唇まで。



…てへ。これが大人の味のちゅーかー!?


そういうことにしとこ!バレンタインくらい!


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