第12話 「ちょっと持ったー!」
転生悪役令嬢、公爵様系?のコメディーです。
愛して貰えない公爵夫人、切れ芸ルイミアVS転生腹黒ヒロイン、メルティー再び。
超短編です。お暇な方…脱力したい方…ぜひ。
第12話 「ちょっと持ったー!」
ケホ。風邪ひいた。
微熱~ちょい咳~喉いってえ~鼻水とまんなーい。
ま、すぐ治るでしょ。
例の主治医もまたまた来て、「薬3種類。3種ね~3。治るね~治る。治る。」って言って帰って行った。
ケホ。
寝よう。マキアス様~早く帰って来て~病人だから優しくして良いんだよ~♪
コンコン。
ん、マキアス様にしては早すぎる。いや、アタシの為に早上りなのね?いやもう困っちゃう。
「ルイミア~。風邪ですってねえ~(笑)」
「病人に(笑)つける極悪人はどなた~?」
「それはもう、アンタより素敵なレディーのあたし(照)」
「照れるなら付けんな!ケホ!」
メルティーだった。勿論、常に腹黒い。
「あら…をお見舞いしに来たのよ?(消)」
「まず、何をお見舞いしに来たのか言え!次に(消す)という心の声を辞めろ!」
「あらルイミア。真害だわぁ(焼)」
「人を人害扱いするのやめろ!オマエのセリフからは悪意しか見えてこない!野盗の黒幕めケホ!」
「ほらほら無理しないでえ、ハイ、これ、お悔やみ。」
「お悔やむのか!」
「…差し入れ。頑張れ!ウイルス!」
「オマエもう帰れ!!」
「くっくっく、弱い…弱すぎるぞルイミア!」
「だから誰よアンタ!」
「そんなことで我がライバルは務まらぬわ!」
「……メルティー?」
メルティーはプイと横を向きつつ、自分が持ってきた箱を開けて、中の菓子を取り出す。
「ふん、食べやすい栄養よ…!(償)!」
「プリン…?ふふ、良いわね。昔それ巡って戦ったっけ。」
「そうよ。懐かしいわ。頂きます。パク。」
「食いやがったー!!」
「もぐもぐ。グッ!(勝)」
「フツー食べるフリまでで食べないだろー!!」
「あたしに普通が通じると思うなよ悪役風情がモグモグ。」
ちりーん。鈴。
「ハイ、ルイミア様。何なりと。」
忍びのようにアタシの背後に立つフラン。
「この腹黒、追い出して。井戸辺りに放り込んで。」
「ハイ。キラン。(消)」
「ちょっと待ったー!待ったー!」
「何よお!?」
「このプリンは3個入り!ふふ、流石のあたしも残りは置いて行く。」
「…旦那と食べなさいよ。」
「………ケホ。」
「あ、この赤マッキーで×ついてる方がアンタね。」
「毒入りかコラァー!?」
「フラン、おつまみ出して。」
サッ。「はい。函館のイカ。」
「ありがとう…準備良すぎる…美味しい…。訂正ね。あのアホつまみ出して。」
「ちょっと持ったー!」
「何を持つよにょ!?ケホ!」
「もう1つ!ホラ!退屈だろうからコレあげる!」
「…本?」
「あたしの自叙伝!」
ポイっ。
「あー!!」
「フラン。リサイクル出して。本とコイツ。」
「ハイ。木曜まで縛っておきます。」
「ちょっとまっ茶―!」
「…飲めば!?」
「帰るから!ハイ!このメモ受け取って!!」
「…何のメモ?」
部屋から追い立てられながら、メルティーが叫ぶ。
「あたしの裏アカだからー!!」
「アホかー!!」
「見といて~!!アンタの悪口がいっぱ…ぎゃー!」
あぁ、ようやく世の中が平和になった…。
無駄な体力使ったな…。寝よ。
かちゃ。
「ルイミア。寝てるのか?大丈夫か?」
ZZZ…おっとかな…
「早上がりしてきた。起きたら一緒にプリン食べよう。」
アタシの手に口付け…マキアス様、大好き。
「ん?なんだこのプリン…かぶったか。まぁいい。貰ってくか。」
………がば!!
「ちょっと持ったああああああ!!」