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スペルランカー2  作者: 六青ゆーせー
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デュエル

タッカーが一瞬、悩んだので、すかさずチェコは岩のゴーレムを使った。


が、タッカーは落ち着いて、


「破壊」


ゴーレムを砕いた。


「むー、やられたか…」


チェコは悔しがるが、しかしタッカーの破壊を一つ使えたのは大きかった。


破壊のようなカードは、たぶん五枚インしているとは考えにくい。

入れて二枚か三枚か、ゼロだとアイテムに暴れまくられたら負けてしまうが、相手がアイテムメインというので無ければ、他に攻撃スペルなり、自分のメインの戦いのスペルを入れたいのが本音だろう。


そして、チェコの戦いのメインはエルミターレの岩石なのだ。

破壊してくれたのは、ありがたいぐらいだった。


そー考えると、自分も岩のゴーレムの除去には、破壊よりは召喚獣除去スペルを使うべきだった。


「以上!」


チェコのフィールドにはウサギと、ウサギの巣穴が出ている。

だが、霧が張ってあるので、霧を見渡せる特殊能力を持たない召喚獣には攻撃ができない。


「声マネキ」


この状況なら、ウサギよりメインを出してしまう方が早かった。


「うわぁ、これ、あのときのか!」


タッカーが感心したので、


「それだけじゃないんだよ」


とチェコは、忘れられた地平線の力を持っていることを明かした。


「えー、なに、そのメチャクチャな召喚獣は!」


と、タッカーは驚いた。


「偶然、出来ちゃったんだよ!」


チェコ自身も驚愕したのだ。


付加の実験過程で生まれたのだ、とチェコは話した。


「えー、なに、凄すぎる…」


と、言いながらタッカーは、


「石化」


と、声マネキを狙う。


「忘れられた地平線の効果により、スペルの標的はウサギの巣穴に変更」


チェコは冷静に除去スペルを避けた。


「以上」


「じゃあ僕は」


と呟いて、タッカーは、


「オルラレンの雄牛!」


と五/五の召喚獣を出した。


む、とチェコは唸ったが、除去は控えた。

霧の影響下では、これも攻撃はできないからだ。


ただ、状況が変わると、四/八の声マネキでブロックした場合、巨人のエキスを使われると声マネキが壊れてしまうので、注意が必要だ。


「以上」


石化や岩のゴーレムが思うほど通用しないなら、やはり別の除去スペルに切り替えるべきかもしれない、とチェコは思った。


だが、それでも岩のゴーレムは必要だった。

味方につけておかないと、自分の陣地に敵が出現してしまうからだ。


「召喚、ハンザキ」


とチェコは主力を召喚した。


「以上」


「じゃあ僕は、仕掛け矢を二つ」


タッカーはアイテムをセットした。


一ダメージの矢を三本打てるアイテムだ。


破壊、を使うほどではないが、しかしうるさい牽制だった。


「以上」


アースを残して、タッカーはターンを終えた。


霧、があるので攻撃はできないのだが、タッカーも霧をかけたまま蛇以外の攻撃があるか、あるいは自ら、霧、を解消するだろう。


そのための仕掛け矢や雄牛だった。


このまま蛇を押さえれば、必ず次の手を打ってくるはずだった。


「多産の女王」


チェコは自分のデッキを展開した。


タッカーの目が、鋭く光った。


「そこで群衆の枷」


「え、なにそれ?」


チェコは見慣れないスペルだった。


「エンチャントだよ。

召喚獣が三体以上いるとき、越えた召喚獣一体につき一のダメージをプレイヤーに与える」


チェコのフィールドには、ウサギ、声マネキ、ハンザキ、そして今、多産の女王が場に出ていた。


「なる…ほど…」


カードを知っていれば、打ち落とせば良かったが、知らなかったので場に出してしまった。


「さー、一ダメージだ」


タッカーは言うが、


「それでは忘れられた地平線の効果で、ウサギの巣穴にダメージを移す」


と、チェコは応じた。


「以上」


タッカーは、ため息混じりに宣言した。


「それじゃあ、浄化ウサギ。

霧、を破壊。

そしてハンザキと多産の女王でアタック!」


しまった、という顔をタッカーはしたが、


「大いなる幻想」


ああっ、と叫んだのはチェコだった。


チェコの攻撃は、大いなる幻想によって消滅した。


「以上!」


チェコは叫んだ。


前からの繰り越しアースと合わせてチェコは六アース、持っていたが、タッカーの攻撃に備えなければマズい。


「さて、それではオルラレンの雄牛でアタック!」


五の雄牛が攻撃してくる。


「声マネキとウサギでブロック!」


「そこで二つ頭!」


「スペル無効化!」


オルラレンの雄牛が死んだ。


と、タッカーは、


「焼却!

オルラレンの雄牛をアースに戻し、召喚、カタルニアの竜兵!」


どん、と九/九の怪物が現れた。


カタルニアの竜兵は飛行を持っているので、このターンでも攻撃ができる。


「闇の消去!」


現れかけたカタルニアの竜兵は、かき消えた。



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