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スペルランカー2  作者: 六青ゆーせー
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デュエル

チェコは自室で、数時間頭を絞り上げ、デッキを考えた。


ウサギは全て付加をつける。

緑一アースの飛行ウサギを三枚にし、雷ウサギ、取り替えウサギ、軍旗ウサギ、浄化ウサギ、破壊ウサギを一枚づつ、計八枚だ。


ウサギの巣穴二枚、エルミターレの岩石二枚、多産の女王二枚、ハンザキ二枚で計八枚。


声マネキ。

呪いの石像、金神、月齢、補食を一枚づつで五枚。


ウサギの兜、ウサギの鎧、ウサギの鉄爪の三点セット。


これで二四が、動かさないカード、と今のところ考えた。


そこに加える残り二六枚は可動で、黄金蝶、スペル無効化、闇の消去、キノコになーれ、二つ頭、巨人のエキス、雷。


そこに、石化と石のゴーレムをどう使うものか、が考えどころだった。


あえて石化を外したとしても、岩のゴーレムは持つ必要が高い。


だったら十枚入れる、となると、残りは十六枚だ。


声マネキには忘れられた地平線が内蔵されているから、防御的目的での二つ頭や巨人のエキスの使用は少なくなるかも知れないが、やはり全くないのは使い勝手が悪いし、勝ち筋が減る。


元々、ウサギを中心に守るのがキモなので、できればスペル無効化や闇の消去はフルで入れたいところだ。


雷は、元々赤のカードなので外してもいいのかもしれない。


だが、プレイヤーにも召喚獣にもダメージが与えられるのは、とても希少で取り替えは効かない。


この枠でチェコは迷いに迷った。





学校兵士行くと、リース・コートルタールはチェコを無視した。


興味を失ったらしい。


チェコもそれどころではなかった。


「今日から公用語を教えるマキシミリアンだ。

プロヴァンヌから来たラクサクは、自在に操れるはずだな」


真っ黒い髪の毛を油でベタベタに固めたマキシミリアンが、チェコにメチャ振りしてきたのだ。


まずい…。


チェコは、リコ村からでたこともなかったので、公用語など、知るよしもなかった。


「えー…」


と青ざめながら席を立つと、マキシミリアンは、


「レ、ブァンタ、ホンアルビテッラ」


と鋭く語りかけてきた。


チェコが困ると、


「シ、カンテァラ、ヴッテ」


とエクメルが囁くので、その通りに返した。


「よし、合格だ。

だが、気を抜かぬよう勉強しろ」


と、マキシミリアンは脅かした。


「なんて意味だったんだ?」


と、隣でアドスが聞いてきた。


「あー、」


とチェコが返答に困っていると、パトスが、


「…何が好物か、と聞いたから、チェコはバター風味のパスタが好みだ、と答えた…」


と教えた。


「おー、パトスもやるな」


と、アドスが驚くが、パトスはフン、と鼻を鳴らし、


「…俺は精獣、どんな動物のどんな言葉も理解する…。

…当然、人間も例外ではない…」


と胸を張った。


しかし、公用語は、チェコの新しい脅威に充分になりそうだった。





ヒヨウが老ヴィッキスに上手く話し、ヒヨウが馬車で送り迎えをし、学校の駐車場を借りる、と話したので、チェコは馬車で着替えてバトルシップに乗り込んだ。


「や、チェコ、ヒヨウも一緒か!」


髪をストレートに伸ばしたタッカーが、バトルシップに来ていた。


「今日はデュエルをしたいんだ!」


チェコも、新しいデッキを早く試したかった。


「あ、ちょうどいいな。

ここでやろうよ」


デュエルは、舞台でやるのか、と思っていたチェコだが、舞台の回りに設置されたテーブルでも戦えるらしかった。


「おー、タッカー兄ちゃんとか!」


回りの子供よりは、その方が良さそうだった。


タッカーが先行になった。


「じゃあ、お馴染み、エンチャント、霧…」


実戦ではないので、テーブル上で霧を発生させるだけだ。


「そして、毒蛇」


チェコは今回、石化を入れていた。

まず使ってみなければ、使い勝手も判らない、と考えたのだ。


「石化!」


ニヤリ、とタッカーは笑い、


「岩のゴーレム!」


さっさと自分のゴーレムを作ってしまった。


うーん、この展開になると、あっさり三/三の召喚獣を相手にプレゼント、になるんだよな…。


ただし、タッカーは自分のターンに全てのアースを使い果たしていた。

そのチャンスは生かさなければならなかった。


「召喚、破壊ウサギ!」


「え、チェコ、破壊するウサギなんてあったんだ!」


タッカーが驚いたので、付加の仕組みを話した。


「うーん、さすがに名門校に通うと、色々覚えるんだなぁ…」


タッカーは感心する。


岩のゴーレムを壊して、ウサギの巣穴を張る。


「以上」


二つ頭や巨人のエキスをどんどん投入した方が、チェコらしい戦いができるだろうか?


チェコは五十枚デッキの難しさを感じた。


ふふん、とタッカーは笑い、


「しかし霧が張ってある以上、ここで攻撃できる召喚獣は蛇だけなんだよ!」


と、二枚目の蛇を召喚した。


そうか。

岩のゴーレムじゃあ、霧が張ってある中で攻撃はできないんだ…。


ただし、確か霧を見通すスペルをタッカーが持っていたのは、チェコも覚えていた。


石化ではないほうが良かったが、今はあるカードで戦うしかない。


「石化…」


チェコは、蛇を石にした。


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