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スペルランカー2  作者: 六青ゆーせー
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ヒヨウは、普段あまり見せない、悪い顔で微笑み、


「俺はラクサク家の従者になったんでね。

この学院に入学した。

生徒会長、よろしくな」


タメク・ストロンガ会長は言葉を失うが、


「そうか、それはこちらこそよろしく」


と、うろたえを飲み込んで、


「そうか、チェコ君を呼んだのは生徒会でも事実を確認したかっただけで他意はない。

ブルーは素行の悪い生徒だ。

そういう事なら、チェコ君は、もう帰ってもいい」


笑顔を顔に貼り付けているが、手は微かに震えていた。


チェコは、別に反論する気も無かったので、


「そうですか。

では失礼します」


と、教わったばかりの礼儀作法を気にしながら、退席した。


ヒヨウは残るのか、と思ったら、一緒に部屋を出る。


「ヒヨウ、どこから出てきたの?」


ヒヨウは、ふふんと笑い、


「なに、エルフは、山だけではなく、こういう場所にも、素早く道を作るもんなのさ」


と教えた。


チェコとヒヨウが、庭側からレストランに入ると、アドスが、


「何か言われたのか?」


と、聞いてきた。


「別に。

挨拶しただけだよ」


そうか、とアドスは判然としない顔で。


「うちの生徒会には、なんか悪い生徒が出入りしているって、姉さんが言ってたんだ」


ヒヨウは料理を取りに行っていたので、


「あのブルーとか?」


と聞いてみた。


「ああ。

タメク・ストロンガは美形なので女子受けは良いが、素行は必ずしも良くはない。

ただエルフの王族なので、みな、逆らわないんだ。

エルフって、恐ろしいんだろ?」


チェコは笑って、


「戦場では、それはそれは恐ろしいけど、普段は礼儀正しいよ」


と教えた。


ヒヨウが三つの盆を持ってくる。

チェコの、とパトスのは、内容が別になる。


「ヒヨウ、パトスにゴマすってるね?」


パトスには、ずしりと大きいステーキが乗っていた。


「精獣には好かれたいからな」


とヒヨウは笑った。





帰りの馬車で、チェコはアドスの話をヒヨウに教えた。


「そうか、よく教えてくれた。

同じことはキャサリーンにも教えてやってくれ」


「カラー準爵ですか。

軍人上がりの貴族ですが、ラクサク家とはだいぶ違いますな」


と老ヴィッキスが話した。


「え、どう違うの?」


「ラクサク家は武門の家柄。

しかし、カラー準爵は計りごとで身を立てたのです」


まー、確かに、ちょっと戦いを習っただけのチェコに負けるぐらいだから、あまり強くは無さそうだ。


夕食を終えると、急ぎチェコは部屋に戻ってウサギの強化に取りかかった。


まず、二つ頭をつけてみる。


二アースのウサギになり、出たときに二つ頭を使えるようになった。


「おー、便利かも知れないね」


チェコは喜ぶが。

どうかな、とパトス。


「…二つ頭が必要になるまで出せない…。

ウサギなら、一ターン目に出せた方がいい…」


言われると、そういう気もする。


巨人のエキスをつけると、四/四のウサギになった。


「…デカイだけ…。

意味ない…」


チェコもそんな気がした。


「ちぇこ、コレモ付ケテ」


と、りぃんは雷を出した。


「おー、出たときに雷が打てるウサギ!」


二つ頭と変わらない、はずが、なぜか緑と黒で出せるようだ。


「これ、いい!」


とチェコは気に入った。


色違いも面白そうなので、スペル無効化を付けてみると、


「え、なんで四アースもかかるの?」


「…たぶん魔法式が長いから…」


と、パトス。

確かに、スペル無効化の魔法式は、五行もある。


「飛行はどうだろ?」


と付けてみると、


「お、緑一アースで飛行つきのウサギになった」


一/一のウサギだが、飛行なのはかなり強い。


「そうだ、軍旗もやってみよう!」


味方の召喚獣をプラス一/一にするエンチャントだ。


「おー緑二アースで出来てきた!」


チェコは喜ぶが、


「…よく見ろ、全てのウサギになってる…」


なるほど、味方の全てのウサギがプラス一/一のようだ。


「しかし、チャンプや多産の女王も強くなる、って考えると、アリだよね」


破壊、は緑二アースでアイテムを壊せ、浄化は、緑二アースでエンチャントが壊せた。


「よし、忘れてられた地平線だ!」


作ってみると、十五アースもかかる一/一のウサギになってしまった。


チェコの目から見て成功、と思えるのは飛行ウサギと雷ウサギ、軍旗ウサギと破壊、浄化のウサギだった。


「もー少し色々なカードで試したいね」


チェコたちは、カタログを片っ端から読み漁った。


と。


ごと、とベッドの下から、ちさが出てきた。


ちさは、いつもはチェコの肩に乗っているが、寝室では、ベッドの下の暗いところが落ち着くようだ。


「、、チェコ、こんなものが落ちていた、、」


それは、どうやら、相当に古い、何かの鍵、らしかった。

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