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スペルランカー2  作者: 六青ゆーせー
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地形勝負

チェコは気恥ずかしくステージに登った。


一方のロドニーは堂々としている。

タッカーより背は低いが、多分、年齢はタッカーぐらいだろう。


学年でいえば五年生ぐらいだ。

片耳にピアスをつけている。


「、、チェコ、あれも魔石よ、、」


ちさが教えてくれた。


「よー、お前、貴族なんだってな」


気さくに話しかけてきた。


「うん。

プロヴァンヌの、だけどね」


一瞬、少年の目が鋭くなった気がした。


「ここにプロヴァンヌの王族が来てるって噂を聞いたな」


エズラの事だった。


「さあ。

俺には、王族なんて雲の上の存在だよ」


「まあ、いいさ。

俺は勝ち上がれば、それでいい」


本当に地形カードで勝ち上がれると思っているのか、ロドニーは自信満々だ。


「俺が先攻を取れば、それで終わるぜ」


へへへ、とロドニーは笑った。


「さ、コイントスをして」


テーブルの脇に、専属の審判が立っていて、促した。


「俺でいいか?」


言いながらロドニーはテーブルに置かれたコインを手にする。


「待ちなさい。

コイントスはチェコ君がする」


審判がロドニーを止めた。


「ん、なんだろ?」


チェコは驚くが、エクメルが、


「中には、必ずコイントスに勝つようなアイテムを身に付けている可能性もある」


と語った。


「そんな便利なアイテムあるの?」


「魔石の効果、と言うこともあり、それこそ衣服に魔法陣を縫い付けている可能性もある」


「そういうの、判らないの?」


チェコは突っ込むが、パトスは、


「…スペルをお互い五十枚も持って、アース全開で戦うんだ。

微かなアースは見逃される可能性もある…」


そうか…。

魔法陣のアースは微々たるものだから、判らないこともあるんだ…。


持ち主がアースを使わなくても、魔法陣が動く可能性もあるため、検知は難しい。


チェコはロドニーからコインを渡された。


「、、まって、チェコ、、」


ちさがコインに触れる。


「、、これで魔法的にコインはクリアになったわ、、」


チェコがコインを投げると、チェコの先攻になった。


が、ロドニーは、


「ほい、森地形」


地形カードは瞬間スペルと同じなので、チェコのターンでも張れる。


「黄金虫」


「黄金虫は緑のカードなので森地形の恩恵を受ける。

三攻撃力が上がり、スペルの影響は受けなくなる」


エクメルが語った。


ラッキーだ。


「じゃあ、二つ頭を付けて、アタック」


チェコは言うが、


「…チェコ。

今の黄金虫はスペルは受け付けない…」


パトスに言われて、ああ、と二つ頭を取り消した。


だがロドニーは八ダメージだ。


チェコはウサギの巣穴とウサギを二匹出してターンを終えた。


「へへへ、俺の番だな」


ライフはあと二なのに、ロドニーは余裕で笑った。


「出現、森のこだま!」


五/五の樹木召喚獣トークンが五つ出現する。


これらは地形が森である限り、射程に関係なく、このターンに攻撃が出来る。

ロドニー必殺の攻撃だ。


チェコは、ウサギ二体で二体のトークンをブロックした。


「よーし攻撃!」


歌うようにロドニーは告げた。


「火球を三つ。

それぞれ樹木トークンに」


「でも、タフネスは五だから…」


いいつのるロドニーに。


「森地形なので火の威力は倍になる。

三体の樹木はそれぞれ六のダメージを受ける」


審判が厳正に告げた。


天を仰ぐロドニー。


「攻撃は終わり?」


チェコが聞くと、芝居がかって振り向いたロドニーは、ニイと笑い。


「森のこだま、以上!」


新たに五体の五/五トークンが現れた。


「それじゃあ、黄金虫で攻撃」


「二体の樹木トークンで受ける」


どうやら、森地形の時に限り、飛行召喚獣をブロックできるらしい。


「ダメージは四、四に分散」


ロドニーはトークンを失わず、チェコは黄金虫を、失った。


チェコは、


「地獄の門」


エズラのエンチャント、毎ターン一体、死んだ召喚獣を蘇らせるエンチャントを場に出した。


「地獄の門効果で黄金虫が場に戻る」


「おいおい。

召喚獣がいないときしか出られないんじゃなかったのか?」


ロドニーは抗議するが、審判は、


「スペルの効果で再生するのは問題ない」


と説明した。


「そしてゲルニカを召喚」


巨大な天使が現れた。


「ゲルニカでアタック!」


ロドニーはなすすべなく倒された。


「勝者、チェコ・ラクサス」


チェコはベスト四に進出した。


勝者は八人で、チェコ以外は常連が多いようだ。


「ほら、あの真っ赤な髪の毛の男がサル、去年僕を負かした青使いだよ」


タッカーが教えた。


「風車が並んだら、もう勝ち目はないぜ」


とよくチェコとも戦う少年が教えてくれた。


確かに。

青使いに大量アースなどを与えたら手に追えないだろう。


そのサルは、どうやら次のチェコの対戦相手らしかった。

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