第二章 軌跡のその先へ プロローグ
新章開始しました。こちらはプロローグ的な閑話ですので短めです。。。
次話も投稿していますので、合わせてご覧ください。
この先は女神関連の伏線回収を主に続いていきます。
どうぞ見守っていてください!
――ウェーバー公国某所
「ここまで、か……」
「やはり我々には天罰が下ったということなのかもしれませんね」
「兄上……申し訳、ありません。私がっ……」
「既に起きてしまったことを悔いたところで変わりません。すべきことは、少しでも民を救うことです」
目の前に広がるのは薄黒い霧。ウェーバー公国は大陸の北東に位置し、南に下ればザーナ帝国との国境がある。その国境と公都とのちょうど中間に位置する街には、空気が濁っているのが確認されていた。日常生活に支障が来るくらいにまで広がっている光景は、何度見ても気味が悪い。既に住人たちは避難しているものの、これがウェーバー公国の中心部にまで広がらない保証はない。
「今更私たちが救いを求めるのは違うかもしれません。ですが、民たちに罪はありません。せめて彼らだけでも救ってもらえるか交渉してみる価値はあるはずです」
「ならば私が――」
「君が行ったところで、ルベリア側からすれば敵視されるだけでしょう。当時は王太子だったとはいえ、その身を沈めることに手を貸したのです。ルベリア国民からすれば、憎い相手であるはずですからね」
「そのようなこと承知の上です。この身など朽ちても構いません!」
昨年、マラーナ王国での国葬に参加した時のことは忘れることなどできない。
ウェーバー公国の公王の弟として参加した国葬で起きたこと。意識があって起こしたことではないからと言われたところで、納得などできるわけがない。だが、ルベリア王国王太子であったアルヴィスから処刑をすることだけは止められてしまった以上、別の方法で罪を償う手段を探さなければならなかった。既に死人と扱われても構わない己の身だ。それを惜しむことなどあろうはずもない。
「それでも自国民が罪を犯すことなど、アルヴィス殿は求めていないはずですから」
「では……」
「この状況では私が向かうこともできません。誠意として、使者を向かわせるのであれば彼女に頼む他ないでしょう」
「……まさか、あの子を向かわせるのですか?」
「一人であれば不安ですが、彼と共に向かわせればあるいは……」




