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Mousse chocolat framboise 〜 おじさんのお話 〜  作者: カフェと吟遊詩人
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辛勝のおじさん

拙い文章ですので


批判が有れば是非書いてください


勉強させて貰います

いつもは早めにデスクに付きダラダラと無駄な時間を過ごしているのだが


やはり今日はどうにも気が乗らず、駅からはいつもと違う道で遠回りしながら歩いていた


いつもと違う景色に何となく心は楽しくなり、すれ違う人達の顔や顔を見ていた


『あの子可愛いなぁ』

『あの人疲れてるなぁ』

『あの人、背筋伸ばせばカッコいいのになぁ』


下らない、、、実に下らない。

若者の2人の淡い想いを無視して考えている事は、、、いい歳してこんなものだ


公園というには小さく、ビルの角にベンチ数個と大きめの木が何本か有り


ランチをするにはいい木陰が出来そうな一角に


オフィス街には似合わない、いや違和感を感じてしまう制服姿の女の子がスマホを動かしていた。


シンプルな顔、白い肌で黒くて髪は長い一見すると厳しい学校の真面目な子と思われそうだがスカートは渋谷程では無いが短い。


そこから見える脚は自分の世代には無い真っ直ぐ細く伸びているとても華奢な感じだった。


『まともな運動なんて今の世代の子はした事ないんだろうなぁ』


そんな事を考えながらゆっくり歩いていると


ふと、その制服姿の女の子が顔を上げた


その顔はやはりあくまでシンプルで、、、美しかった。勿論、年相応の顔で有るが、高校生と思われるその顔は魅入ってしまうには十分な魅力が有った。


一瞬、固まりそうになったおじさんだが


目を慌てて逸らし少し足速になりながら横を通り過ぎて行く


なんとなく思ったのだが


『コートを着ていないが寒そうだな』


おじさんは青少年保護条例を頭に浮かべながら、振り返る事なく会社のあるビルに入って行った


〜〜〜〜〜〜


フロアに着くと、ほぼ全ての人が出社済みで自分も慌てて席に着く


「勇輝さん、昨夜引き出しで何度か携帯のバイブが鳴ってましたよ」


『ナイス田中くん、自分で沙都美と亜紗美に昨夜電話に出なかった理由を言わなくて良くなったじゃないか』


逃げ腰のおじさんは田中くんに感謝し、お昼ご飯をご馳走してあけだくなった。勿論、金欠でそれどころでは無いのだが


「有難う、昨日引き出しに忘れちゃってさ」


やや大根役者並みに遠くの沙都美に聞こえるくらいの声量で応える


ためらいながら引き出しをそっと開けスマホの画面に触れる


、、、、、全く反応しない


『やったぞ!電池が切れてる。見る事が出来ないぞ』


いよいよ幼稚になってきたおじさんは、まだ社内メールという手がある事に気付く。


『ここは外出するしか無いな』


まだ座って5分も経ってないが、入って来た時の動きが信じられない程に颯爽と上司の元へと向かう


「早速、昨日の件のお話を伺いに行ってみようと思います」


「そうか!やる気だな。ビシッと決めてこいよ。先方はお前を気に入ってるみたいだからな」


「はい、行ってきます」


引き出しにスマホが入っている事を解ってはいるがわからないふりをして出口に向かう。


まだ、今日は沙都美の姿も亜紗美の姿も見ない様にしている。

だが、ここからが難関だ


沙都美は昨日の様にエレベーターまで着いてくるだろうか


出口付近に座る沙都美の姿が目に入るが気付かないフリをして外に出ようとする。


「勇輝さん、頼まれていた資料出来てますがいつお渡ししますか?戻られてからにしますか?」


心臓が脈打っているのがわかる

もはや中身は小学生だ


「ああ、戻ってからで、、、」


何とか返答したがつぎの瞬間ミスに気付く


「では戻られる時間はわかりますか?まだわからない様でしたら後でご連絡下さい。ご連絡が無い様でしたら、別の仕事が有るので残業して待っていますので」


長文をスラスラと沙都美は話す


『しまった!完全に罠にハマった』


女性に策略で勝てると勘違いしたおじさんが悪いのだが、、、。


「携帯の電池が無くて連絡出来そうに無いので、遅かったらデスクに置いておいてくれるかな」


「充電器、お貸ししましょうか?」


沙都美はパソコンの画面を見ながら振り向かずに充電器とコードをこちらに差し出す


「いや、、、自分でコンビニで買うから大丈夫だよ」


そう言ってデスクにスマホを忘れている事を知りながら慌てて外に出る


本日朝の部

何とか逃げ切りました

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