不携帯のスマホ
今回、とくに深い内容は有りません
サラッと読んで下さい
眠い目を擦りながら
手持ち無沙汰、テレビのリモコンで見もしない画面を変え続ける
『きっと明日は怒られるだろうなぁ』
『でも、それもどうでもいいや』
勇輝のスマホは今もバイブで揺れながら暗闇を照らしている
ただ、それは勇輝の目に触れる事はない
『仕方ないよなぁ、忘れて来たんだから』
どうしても1人になりたかったおじさんは、スマホをデスクの引き出しに忘れるという作戦をとった
簡単に言うと、つまらない方法・原始的な方法で逃げたのだ。
昔も一度、同じ事をした事が有る
その時は最悪の結果だった
勿論、それだけが原因では無かったが原因の1つにはなった。
その後しばらくは勇輝の心は落ち込んだ
『そんな行動を何年振りだろう』
逃げたのだ。本気で。
逃げる事を『ダメだ』と心に決めていたのに
若者の想いは勇輝には眩しくて儚すぎる
想い出は消して呪縛からは離してくれない
勇輝にとって特別な呪縛
きっと本当は誰もが経験している事なのだろう
ただ、勇輝はその後10年位踏み出さないでいるだけだ。。。
金欠の勇輝はストックしてあったカップ麺を食べるべく重たい身体を起こしキッチンへ向かった
お湯を注ぐ音が懐かしく思える位に久々に食べるカップ麺
シブキが机に飛び散る
面倒臭そうにそれをティッシュで拭きながらスマホのタイマー機能を、、、無かった。
目覚ましの秒針で時間を測る
『昔はよく食べてたのにな』
昔はお湯と同時に卵を割って入れていた
『そんな食事ばかりしていたから風邪もよく引いていたっけな』
何となく布団に横になり目覚ましを眺める
『明日は会社をサボりたい』
仕事が嫌でサボりたいならまだ解るが、若者から逃げているだけである
このメンタルが弱り出したおじさんが会社をサボらない事を祈りましょう
〜〜〜
目覚ましは鳴らなかったが、どうやら朝らしい
確認してみたが遅刻でも無いみたいだ
ただ、ふやけて冷めたカップ麺が机に残っているだけだ
慌てて起きてシャワーを浴びる為に服を脱ぐ
『2日連続で入らないわけにはいかない』
二の腕の匂いを何となく嗅ぎながらお湯を出す
顔に感じる油分が歳を感じる
『脂は出るのに乾燥してるのがムカつく』
汚れを落としながら眠気を覚ます
シャワーを出て何となくカップ麺に手をつけてみる
汁はすっかりなくなっている
一口、何となく食べてみたがそっと蓋をしてゴミ箱にすてた。
『勿体無いなぁ』
さすがに今夜のご飯にはならない事を理解しながら歯磨きをして家を出た