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Mousse chocolat framboise 〜 おじさんのお話 〜  作者: カフェと吟遊詩人
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彼女と彼女と彼女

「はい、僕は勇輝ですが」


『えっと、水野さんの娘だよな』


「はじめまして、、、、」


「どうしたの?こんなところで、そう言えば前にもあのベンチに座っていた事があるよね⁈」


綺麗な真っ直ぐな黒い髪が風に揺れている


そこから覗く白い肌は果てしなく透き通っていて


小さな顔についた大きな目が何か決意を秘めた力を持ってコチラを見ている


「どうしたんですか?」


背後からやって来た亜沙美が不思議そうに声を掛けてきた


女子高生は亜沙美が現れた事により、何か言いたい事を抑えた様で


「水野さんから連絡がありましたか?」


『えっ、水野[さん]?娘さんじゃないの?』


「今夜、話が有るって連絡が来たけど」


小さな唇に人差し指を当てながら少し考え込んでいる


「わかりました、では今夜叔母様とまた一緒に会いに来ます」「失礼しました」


そう言ってお辞儀をして走り去っていった


「あれって、桜蔭学園の制服ですよね」


「えっ?桜蔭学園って?」


「女子の私立のトップですよ」


「えっ?」


「なんで女子高生に知り合いがいるんですか?まさか、私より若い子に興味が?」


「ちょっ、なんでそうなるの。友人の娘さんだと思ってたんだけど、、、。なんか、違うっぽい」


立ち止まっていた2人だったが、周りの流れに再び乗ってビルに吸い込まれる様に入っていった





昨日休んだ事を周りに謝りながら


席に着いたおじさんは溜まった仕事を確認しはじめた


亜沙美も周りに謝罪しながら貴則と

仕事の話をはじめている


しばらくすると背後から沙都美が話しかけてきた


「身体、大丈夫ですか?心配です。」


おじさんは振り返らずに


「大丈夫だよ。しっかり休ませて貰ったから」


沙都美は耳元に顔を寄せて


「今夜は家に行って看病します」


と、囁いた


おじさんの唇は震えた


しかし、すっと振り返り


「今夜は大学時代の旧友と会う事になったんだ。ごめん」


と、応えてパソコンの画面に顔を向けた


沙都美は何か腑に落ちない顔をしながら亜沙美に視線を向けた


『昨日はなぜ2人とも休みだったのか』


自分の席に戻り鬼の様に仕事をこなす


《お昼ご飯は一緒に食べましょう》


おじさんにメールを送り


心を落ち着かせる


貴則と亜沙美が外回りに出るらしく出入り口に向かって歩いて来た


ちょうど背後を通る直前


「亜沙美、今夜顔貸して貰える」


力強く無機質に声を掛けた


「望むところです」


コチラも感情を一切感じさせない


貴則と周りの席の人達は


一斉に気づかないふりをした

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