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Mousse chocolat framboise 〜 おじさんのお話 〜  作者: カフェと吟遊詩人
25/55

gâteau

地下鉄に揺られウトウトしていた


東京郊外に住む沙都美は都心まで約1時間かかる


主要駅から地下鉄に乗り換えて目的地に向かう


おじさんからのメールに慌てて準備したが


まさか本当に誘いに乗ってくれるとは思っておらず


シャワーを慌てて浴びて服を見繕った


『勇輝さん好みの服、買っておけば良かった』


チャンスは突然訪れるらしく


ドタバタど準備をする沙都美は化粧を電車でするか迷っていた


『勇輝さん、時間前行動の人だからなぁ』


きっと約束の時間よりも早く来ているだろうおじさんを思い化粧ポーチを鞄に突っ込み姿見の前に立つ


『ダメだ、顔色悪い。化粧しよう』


そんな事をしていると家を出るのは予定より30分遅くなった


電車に掛け乗り慌てておじさんにメールをする


《申し訳有りません、30分遅刻します》


スマホを握りしめ返信を待つがなかなか返信は来ない


なかなか落ち着けず都心へと向かっていたが、そのうちに寝てしまっていた




《今からケーキでも食べない?》


そう沙都美にメールをするとスグに返信が有った


《行きます


今すぐ出ます


どこ集合ですか?》


駅に着いてからその返信に気付いたおじさんは


《六本木のジャンポールエヴァンでいい?混んでるかも知れないけど》


《すぐに行きます!


あっ!


準備に時間を少し下さい


30分後に出ます》


《じゃあ、16時位集合でもいい?》


《はい


急いで行きます


待ってて下さいね》


地下鉄に揺られ六本木に着いたおじさんは


この後、ケーキを食べる事を考え、カフェに入る訳にもいかずプラプラとしていた


もうそろそろ待ち合わせの時間になると思いスマホを見ると、沙都美から遅れると連絡が有った


とくに返信もせず椅子に座りうたた寝をしていた


《勇輝さん怒ってますか?本当にスミマセン。


ケーキ代私が払いますから許して下さい》


到着10分前にこのメールを送った沙都美


それを見たおじさんの感想は


『やはりメンタル弱いのか』


だった


まあしかしメンタルの弱さで言えばおじさんも負けてないと思うのだが、、、。


待ち合わせ場所に沙都美は小走りでやってきた


勿論、この走る直前に化粧室に寄って身だしなみチェックはしている。


そして、化粧室まではなるべく汗をかかない様に静かに歩いていた


まあ、女性だから


待ち合わせ場所でおじさんが沙都美に気付き何となく見ていると


絶対にこちらの存在に気付いているだろうと思うのだが、何故かキョロキョロ探している仕草をしている


その仕草を可愛く演じながらこちらが気付くのを待っているのだろう


おじさんもまあまあ年月を重ねて生きてきた方なので、、、


若い頃は女性のこういうアザと可愛い演技が許せない時期も有ったが(まあ一部の女性にしかない事だが)


今はそういう部分も含めて可愛いと思える様にはなった


『歳を取ったな』


そう思いながら沙都美の方へと歩いて行った


「沙都美君」


そう声を掛けると少し驚いた表情を作る沙都美


「スミマセン、お待たせしました」


「大丈夫だよ。じゃあ、お店に向かおうか」


「怒ってませんか?」


「別に怒ってないよ。寝てたしね」


沙都美は明るい表情になりおじさんの腕に絡みついた


「ちょ、ダメだよ」


「なんでですか?」


「誰がいるかわからないじゃ無いか」


「見られたらダメなんですか?」


「ダメだよ」


「じゃあ、見られなきゃ良いんですね。暗くなったら引っ付きますね」


「ダメだよ」


「嫌です」


そう言いながらジャンポールエヴァンのサロンに入った


今日は比較的に空いていたが


ケーキの種類が少ない


「ショコラショーとグアヤキル」


沙都美が目を丸くしておじさんを見ている


「メニュー見なくても決まってるんですか?もはや常連?」


「違うよ。。。待ってる間にウロウロしてる時にメニューを見てたんだよ」





おじさんは話がとくに得意では無いので


もっぱら沙都美が話す事を聞いていた


たまに質問なんかをして相槌を打っていた


ケーキを食べ終わり外を見ると暗くなっていた


「あっちが暗いですよ。お散歩しましょう」


そう言って外の広々とした方を指さす


「寒くないか?室内にこんなに見るところがあるのに」


「おデートは外を歩くのが大切なんです」


そう言っておじさんの腕を引き外に出る


道を渡り広々としたところに出ると一気に暗くなった


周りにはカップルらしき人影がチラホラある様だ


目が悪いおじさんにはよく見えないが


「カップルだらけですね。皆んな距離が近いですよ」


「そうなのかい?こら!」


返事をする前に沙都美は腕を組んだ


そしてそのまま正面から抱きしめてきた


「この前の続きをしませんか?」


「なんの続き?」


「とぼけないで下さい」


「キスしようとした事?」


勿論、こんな展開を期待せずに来た訳ではない


おじさんもこうなる事を心の片隅で願いながら沙都美に連絡をして会っているのだろう


自分の心の片隅の思いに気付き


少し恥ずかしくなったおじさんは沙都美を少し離そうとする


そんなおじさんの気持ちを見抜いてか?それとも唯の偶然か


沙都美は更に強くおじさんを抱きしめ


「キス、、、それもそうですけど


キスの続きです。更にその先ですね」


身長の近いおじさんを少し見上げた上目遣い


沙都美からは甘い香りがして


頬に感じる吐息がおじさんの全身を怪しく狂わせる


いつものおじさんなら大丈夫なところなのだが、、、

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