表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Mousse chocolat framboise 〜 おじさんのお話 〜  作者: カフェと吟遊詩人
23/55

休日のおじさん

いつも読んで頂き有難うございます

いつも通りの時間に目が覚め


ベッドから片脚を出してみたが


寒さに負けて布団に包まる


部屋の中だが吐く息は白く


リモコンに手を伸ばして暖房をつける


『部屋が暖かくなったらシャワーを浴びて掃除をしよう』


そう考えるが


当たり前のように数分後には寝息をたてていた




10時位だろうか


歳だからか


なかなか身体が痛くなって来た


寝ることも出来ず


布団の中でモゾモゾしていた


スマホを手に取って見てみると


メッセージと着信が有った


『電話か、休みに珍しいなぁ。お母さんか、、、なんだろ』


そう思いながらメッセージを開く


《勇輝さんまだ寝てますかね。お散歩に行きませんか?》


沙都美から短いメッセージが来ていた


もう一件


《最近、仕事がうまく行ってません。相談に乗ってください。今週のどこかでご飯付き合って下さい》


亜紗美からもお誘いが来ている


『さて、どうしようかな、、、母親から電話が来てる事を良いことに沙都美君の件は断ろうかな』


そう考えながら母親に電話をかける


「勇輝、元気にしてるの?最近連絡無いけど大丈夫?」


「元気にしてるよ。2人も元気にしてる?」


「お父さんは庭いじりしかやる事が無いから暇そうよ。孫でも居れば忙しく出来るのにね」


「姉ちゃんに言ってくれ(笑)。こっちは孫どころか結婚も出来そうにないよ」


「まだ、相手がいないの?」


おじさんは頭の中に沙都美を思い浮かべながら


「こんな冴えないおじさん誰も相手にしないよ」


「お見合いでもする?」


母親は自分の息子が過去を引きずって恋愛を避けていると思っている


はたして恋愛を避けているのだろうか


避けていると言えばそうなんだろう


恋愛というより傷付く事を恐れて、人を女性を信じる事から逃げているのだ


幸せの絶頂に居ても人は突然最悪な場面に落ちて行けるのだと、、、もう知っているから


彼女が何を考えていたのかなんて、もう解ることはないし理解したいとも思わない


『ただ平穏に生きたい、、、そうすればもう傷付かなくていい』


「お見合いなんて、、、俺が喋れると思う?」


「思わないねぇ」


「俺も甥っ子が出来るのを待ってるよ」


「私は女の子が良いんだけどね」


「それを自分の子の男の子に言うかな」


「女の子ならあなたに面倒見させて、女心を勉強させるのよ」


「乳児から始めるのか(笑)」


「乳児は兎も角、幼児は既に女子だよ」


「まあ、期待して待ってよう」


おじさんの姉は学年で一つ上だ


昨年、やっと結婚した


母親と父親はそれはそれは喜んだ



可愛い娘が嫁に行ったら寂しいと考えて


甘やかしていたら


ずっと家に居続けて


ワガママ放題になり


『早く嫁に行ってくれ』


と、心から祈っていたからだ


姉は絶賛子作り中だ




母親との電話を終え


若い2人に返信を送る


《今日は母親と会うかも知れないから会えないや》


勿論、母親に会うつもりは無いが断る理由に使わせて貰った


《タイミングが有ったらね。沙都美君も行きたいって言ってたからその時は誘ってみよう》


2人きりで行きたいと考えているだろうと思い、ワザと沙都美の名前を出して、やんわりと断っておく


はあ、本当に実家でも行ってみるかな


そう考えながらやっと起き出しシャワーを浴びる




電車で揺られながら実家に向かっている


しばらくすると乗客が多めに降り、端の空いている席に座った


スマホを弄りながら揺られていると


目の前の女性がコチラを見ている気がして視線を上げる


そこには水野さんがいた


そして


その隣にはいつか見た事がある女子高生がいた


人見知りのおじさんは久々に会う人に話しかける勇気が出ずモジモジしていると


水野さんが立ち上がりコチラに寄って来た


「元気そうね」


「ああ、、、」


気の利いた返事も返せず沈黙が生まれる


「、、、、娘さん?」


「まあね、、、」


女子高生はコチラを見ていたがおじさんの視線に気付きスマホに視線を落とした


「どこに行くの?」


「久々に実家に帰ってみようかと」


「へー、付いて行こうかな」


「はっ?なんで?」


「、、、意味は無いわよ。冗談よ、私達は次で降りるから」


「そうか、、、またな」


「またなって、あなたが連絡してくる事なんてないでしょ」


「、、、、、」


駅に着き2人が降りて行く


降りたホームで2人が軽く言葉を交わしている


2人でコチラを見て軽く手を振っていたので


コチラも手を振っておいた


電車は動き出しおじさんは実家へと向かった


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ